嫌よ嫌よも好きのうち?
一年生同様、二年生の昇降口も沢山の人がいた。
しかし、二年生の一部の集団はクラス表ではなく、別の事に注目していた。
一部の生徒が、クラス表よりも注目すること。
それは、二人の生徒のことだった。
集団の注目の的である二人の生徒の片割れがつぶやく。
「同じクラスだね」
その一言で周囲の生徒がざわつく。
「そのようですね、紅さん」
葉月の返答に、周囲はより一層盛り上がっていた。
「紅様と葉月様がお話しているわ!」
「紅さん、ですって!」
「今日もお美しい!」
「やはり二人はお似合いのカップルですね!」
などと言いながら。
「なんかお似合いのカップルとか聞こえた気が……」
「あら、私は卯月さん一筋ですから。ごめんなさいね」
「いや、私は別に葉月とカップルとか思ってないんだけど」
「嫉妬ですか?嫉妬なんですね」
二人のやり取りに再び周りが盛り上がり、こんな声も聞こえる。
「嫉妬?」
「卯月って誰なのよ?」
「三角関係の予感がする」
「なんか変な誤解されてるっぽいな。まあこの調子だと今年も葉月は孤立するな」
「孤立なんて……、だいたい、紅さんの取り巻きが私達の周りを常にうろついているから他の人が寄り付かないのではないですか?」
「いや、あれ私の取り巻きとかじゃないと思うんだけど。むしろ葉月のことを周囲から守っているような感じするけど」
「守っているって、一体あの人達はなにと戦っているのですか?第一、既に紅さんが隣にいるのに、周囲から守るとは……?」
「あ、確かに。まあ話しかけようとすると逃げていくし、放っておこうよ。二人でいるのも悪くないしね」
「そうですね。では、教室へ向かいましょうか」
そうして二人は教室へ向かって歩いていく。
「デレましたわ!」
「紅様のツンデレ可愛ええ!」
「これからも見守り続けます」
と、周囲が盛り上がっていたことに、気が付くことはなく。
キャラの喋り方が被っていてわかりにくい気がしますね。
今後調整するかもしれません。