そんな始まりで大丈夫か?
なんやかんやで登校初日。
「卯月さん、おはようございます」
「卯月、おはよう。久しぶりだね」
葉月と弥生ちゃんが私に挨拶をする。
「二人ともおはよう!」
今日は待ちに待った高校生活が始まる日、気合を入れていくよ!
「弥生さん、久しぶりとはどういうことですか?」
そこ気になっちゃうかぁー。
「いや、普通に久しぶりだから久しぶりって言ったんだけど」
「久しぶりって、昨日も会いましたよね」
…………。
そこへ葵がやってきて、話に加わる。
「やあ、久しぶり。何ヶ月ぶりかな」
葵の問に弥生が答える。
「あちらの世界では……半年、いやもっとか」
「えっえっ……え?弥生さんも葵さんも一体なにを……」
「はいストーップ、弥生ちゃんも葵もメタ発言禁止」
「神は言っている、ここで……」
「葵ストーップ!」
パチンッ
「学校に着きましたね。それでは私は学年が違うので」
「うん、葉月またね」
こんな始まり方でいいのだろうか。
大丈夫だよね、うん。
「じゃあみんなでクラス発表見に行こうよ」
「そうだな」
「そうだね」
「そう……だね」
ゆりのささやき一年生組の弥生、葵、南とともにクラス発表の行われている昇降口へと向かう。
「一緒のクラスだといいね」
「…………」
「あれ、弥生ちゃん、聞いてる?って、なんか顔が青白いよ!」
「弥生…………ウケる……」
南は慰めるってことを知らないのかな。
まあ確かに面白い顔になっているけれども。
「仕方ないから私と葵で見てくるね」
「じゃあそういうことだから、二人はそこで待ってて」
「……了解」
昇降口に着くとそこは人で溢れていた。
「これみんな一年生って事だよね」
葵に問いかける。
「そうみたいだね。あっ、卯月、あそこで一人でおろおろしてる人見て」
葵が指を指す方向を見てみると確かにおろおろとした人がいる。
人が多すぎてクラス表が見れないようだ。
「確かにおろおろしてるね、あの人がどうかしたの?」
「よく見てみなって、わかるから」
「よく見てみなって…………、ハッ!」
「流石卯月だよ。そう、揺れてる」
「「胸が!」」
二人は互いに顔を見ると、合図もなしに同時に駆け出す。
「あの逸材は是非お知り合いになるべきだね」
「名前を聞いてクラスを教えてあげればもうそれだけで友達になれる!」
これが以心伝心ってことなのかな。
たゆんたゆんしている人のところへ到着する。
「あの、大丈夫ですか?ブラしてますか?」
「ぶっふぉ!ちょっ、突然止めてよ卯月」
「いや、あんなに揺れてたら気になっちゃうじゃん」
突然走ってきて、話しかけてきた二人にたゆんたゆんした人は戸惑っていた。
「え?あの……その、ブラはしてますけど……」
どうやらブラはしているようだ。
「突然ごめんね、私は白井卯月、そして隣のサイドテールが姫路葵」
「どうも、葵です」
「あ、私は三浦桜っていいます。よろしくおねがいします」
「桜かー、よろしくね!それで、困っていたようだけど、大丈夫?」
「それが、クラス表を見たいのですが……人が多くて」
胸が大きくて近付けないと。やはりそうか。
「それなら私と葵が見に行ってあげるよ」
たゆんたゆん。
「え、わざわざそんな、人が減るまで待ちますけど」
「大丈夫大丈夫、私達に任せて」
「そこまでいうなら、お言葉に甘えて、お願いします」
「よし、それじゃあ行こうか、葵」
「うん」
二人は人混みの中を進み、クラス表に辿り着く。
「えーっと、二組……、坂下、白井、姫路、三浦……」
あれ、これはもしかして。
「宮野は……どこだ……」
二組の一番下は三浦と書いてある。
「弥生ちゃん……」
ごめんね、本当にごめんね。
涙が、止まらないや。
「卯月、なんで泣いてるの?」
「だって、弥生ちゃんだけクラスが違うから……」
「何言ってるの、二列目見てみなよ」
そういって葵が指を指したところには。
「……宮野……、宮野弥生だ!」
神様、ありがとう。
「なんかみんな同じクラスになったね」
「うん、弥生ちゃんだけ違うとか一番最悪のパターンにならなくて良かったよ」
クラスを知らせるために桜のところへ戻る。
桜は少し不安そうにたゆんたゆんと待っていた。
「ありがとうございます。それで、私のクラスは……」
「桜は私達と同じ二組だったよ!」
「そうですか!私、知り合いとかいなくて不安だったので凄く嬉しいです!」
桜に報告を終え、そのまま桜を連れて三人で弥生と南の待つところへ戻る事にした。
「ごめーん、遅くなっちゃって」
弥生が心配だったが、流石に弥生も元の状態に戻っていた。
「で、卯月。クラスはどうなった?」
「なんと!全員二組でしたー!」
その報告を聞いて、弥生は安心したのか、体の力が抜けたようでふらっとして桜の胸へ手をついた。
もにゅん。
「ふー、知ってたけどね……。私と卯月が違うクラスなはずないって……ん、なんか柔らかい」
もみもみ。
「ん……ぁあ……やっ……」
もみもみ。
「ちょっと……、ぁ……いつまで……」
確認するように弥生は手をわしわしさせ、何度も桜の胸を揉む。
「あれ、誰このおっぱい」
「そのおっぱいは同じクラスの三浦桜っていう人だよ」
「ぶっ……いひっ……ひぃ、そのおっぱいって……」
葵は相変わらずの笑いのツボである。
「あ、そうなんだ」
もみもみ。
弥生は桜の胸を揉みながら返事をした。
「そんなに揉んだら……先端が擦れて……やぁ……あっ……」
「いつまで揉んでるの弥生ちゃん……」
「つい気持ち良くて」
すっかり表情が上気している桜の胸から、ようやく手をはなす。
「あっ……まだなんか胸がじんじんする……」
ブラがズレたのだろうか。
桜自ら胸を手で押している。
「ん……しょっ……」
「桜、なんか弥生ちゃんがごめんね」
「あ、いいの。別に嫌じゃないし。というか少し気持ちよかったり……?」
最後の方はよく聞こえなかったが大丈夫なようだ。
「紹介するね。このロリっ子が宮野弥生、おさげのこが坂下南」
「……よろ……しく」
「宮野弥生、卯月の親友だ」
「三浦桜です。その、これからよろしくおねがいしますね」
三人は互いに握手をする。
「よし、それじゃあ教室へ行こうか」
新たな仲間、巨乳の桜を引き連れ、教室へ向かう。
楽しい学校生活になる。そう確信する卯月の目は星のように輝いていた。