「骨のない魚が死んで、生きていない肉が並ぶ」
「骨のない魚が死んで、生きていない肉が並ぶ」
それが元々何であったのかは知らず、ただ今日も手軽に飯が作れて、食べている。例え疑問を感じたとしても、明日もきっと変わらないだろう。
スーパーの品も大方は把握した。菓子を買って、インスタントの食材を買い込むと、また家へ帰る。同じ繰り返し。
ふと、久々に肉を喰らいたいと思った。けれどスーパーに戻るのは面倒くさい。
一匹の猫が横切ったが、捕まえるには無駄な力を使う。
そのまま何も買わずに家へ帰ると、玄関の前から赤ん坊の泣き声がする。姉はまたパチンコに行ったらしく、代わりに面倒をみなければならない。
何とも面倒くさい。
会話が出来ない赤ん坊は、ただの肉の塊だ。泣き声に同情することも無い。
嘘泣きは嫌なほど見続けてきた。
黙らせようとそれを見たが、やはり肉の塊としか思えない。そう言えば、スーパーでは人の肉を見たことがないけれど、はたして美味しいのだろうか。
額にじりじりと日差しが当たり、汗が噴き出しては身体を生き物のように這っていた。
赤ん坊は相変わらず泣き続けるので、頭が割れそうになる。
泣き叫ぶ赤ん坊を置き去りにして、台所へ入って行った。
以前、骨のない魚が造られたというニュースをみました。何年も前ですが、あれからどうなったのでしょうか。