不思議の国のアリスン
「その前に、ここどこなのよーー!!!」
あぁ、ついにおかしくなってしまったか、
一人、大声をあげる私
さっきのゴルフ場でもなさそうだし・・・
チェシャ猫も居なくなっちゃったし・・・・
急に不安になったアリスンは、チェシャ猫に連れてこられた場所をぐるりと見渡した。見慣れない景色(まあ当たり前か)
なんだか絵本の中のような、現実味のない雰囲気。
つっても現実の世界じゃないんだから当たり前なんだけどさ。
つーか一人つっこみ空しい・・・
もうー取り合えず歩き回るか。その辺をぶらぶらと歩き回ってみた。
でも歩いても歩いてもどこにもたどりつかない。
相変わらず同じ景色しか見えない。
これ私ちゃんと進んでんのかな~?
あれ?ここさっきも通ったような・・・?
「あ~もうなんだってのよーッッ!!!」
途方にくれて辺りに叫び散らした。
「もう何処にもたどり着かないんですけど~!!!もう右も左もわかんないしもうなんか疲れたー!!!」
叫び声の大きさにまわりの木々がざわめく。アリスンを見つめる影が、木の枝の間に一つ………
「あぁ~もう・・・どこにいんのよアリスー!!!!!」
「うるさいですね。静かにして下さい。」
近くで声がした。
振り返る。しかしそこには誰もいない。
「何?ついに幻聴でも聞こえるようになったのかしら?」
「幻聴ではありませんよ、失礼ですね。」
するとずるりと言う音とともに緑色の何かが滑り降りてきた。
大きな大きな・・・トカゲ?
「う・・・うっぎゃー!!何コレー気持ち悪ッ!!!」
思ったことが唐突に口から出た。
だってこんなに大きなトカゲ見たことないし
「むむっ、言うに事かいて気持ち悪いとは・・・本当に失礼な方ですね。」
トカゲはゆっくりと立ち始めた。
するとみるみるうちに人の姿へと変わった。
驚きのあまり、アリスンは尻もちを付いてしまった。
「な、ななな、何あなた!?トッ、トカゲ人間!?」
「トカゲ人間ではありません。私の名前はビルです。全く貴女は、無礼な方ですね」
ビルは髪を掻きあげながら、そう言った。
「ビ・・・・・ビルさん」
「何んですか?」
そこでアリスンは聞いてみた。
「アリスって知ってますか?」
一か八かの賭け。
まぁ知ってるはずはないけど。
だけど帰ってきた答えは予想に反するものだった。
「知ってますよ。」
「知ってるの?!」
思わず食らいつく。
「当たり前でしょう。アリスはここの中心。アリスを知らない人などはいませんよ。」
なんかむかつくな、このトカゲ・・・
「じゃあアリスは今どこにいるんですか?」
「知りませんね。」
しれっとした様子でビルは答えた。
また、知らないだってさ。アリスンは肩を竦めた。ここじゃ、肝心なことはみんな知らないんだねぇ------
「アリスはお茶が好きでしたから、三月ウサギや帽子屋とネムリネズミが知ってるんじゃないですか?」
「・・・その三月ウサギと帽子屋とネムリネズミはどこにいるの?」
「さぁ?それはご自分で探してください。」
6が続くのだ。