7.タブレット
えーと、読んでくださっている方々、
本当にありがとうございます
なろうの絶対少数派であるわれわれは~、異世界風味付きのSFもそれなりに面白いと思うのです~
ね!
A:さて、そのタブレットだ
M:あ、はい、そうでした
A:それはパソコンより小さく、消費電力も小さく、持ち運びに便利だと
推薦を受けて我々のチームがヒトのために作ったものだ
M:チーム……
しかも? ”ヒト”のために? やっぱりAIなのかな、アイザック。
A:これについて今は説明しない。ただ、教えておこう
このプロジェクトは大規模なもので、膨大な回数の演算が行われ
多方面と情報をやり取りし、繰り返し評価されている
私はその責任者だ
M:はい
A:まず、そのタブレットを起動したまえ。手の平を当てるのだ
これはミキ専用だ、生体認証で他の誰にも起動できない
M:起動しました
A:植物の成分を知りたいなら、その植物をタブレットの上に置いて、
分析のボタンを押す。植物はピエール・キュリに送られ
成分が確定したら情報検索できるようになる
検索機能を使ってみたまえ
M:はい。検索をタッチしました。次は植物ですか?
A:惑星・美輝、恒星系・アイザックだ
M:何も出ません
A:まだ何も登録していないからな
惑星・ナミニア、恒星系・ルミネを試してみたまえ
M:はい。あ、すごい
アマステシエドリューマって名前で登録がこんなに
A:アマステシエドリューマは、上級特別研究者だ
アマネがサクヤと呼び、それがヒトの呼ぶ名として記録されている
レポートの通りだ
ミキもサクヤと呼んでよい
美希はかなり後悔していた。冗談だと思って、恒星アイザックだの惑星美輝だの、テキトーなことを即答してしまったが、それがそのままデータ衛星に登録されるとは思いもよらないことだった。もしかして銀河系規模で自分の軽いノリが正式になってしまったのでは……。
A:今日は植物を登録してみてはどうか
M:そうですね、そうしてみます
A:タブレットはソーラー充電だ
データは即時に登録されるから、アマネが見れば喜ぶだろう
M:はい、そうなのですね
A:登録者の名前がソリマチ・ミキと出る
M:そうですか、アマネ先輩が見てくれるといいですね
A:サクヤとナミニアルミネンスマジョリテに通信しておこう
いや、すでにキュリが知らせているだろう
これも教えておこう
私の愛称であるAiZakは、アマネが考えたものだ
我々の言葉を日本語に直すと、およそアーカインキフメルティザークと
なるらしい
アマネは到底一息で発音できないと言って、最初と最後をとって
AiZakと呼びたいとのことだった
地球の物理学者、ニュートンという人物の名と同じ発音だそうだ
その後何を放したか、美希はほとんど覚えていない。
ふらふらと外に出て、機械的に植物をデータ衛星に送る半日を過ごした。とりあえずもう一度空と海に「ばかやろー」と、全力で叫んでおいた。
いや、もう。シロサキ・アマネ先輩が、ソリマチ・ミキという日本人が恒星と惑星に付けた名前を知ったら、爆笑するに違いない。
でも、センパイだって……アーカインキフメルティザークの最初と最後をとって? 愛称が……アイザック……。
センパイ~
ニュートンは表向きの言い訳で、本当はアシモフではないかと倉名は疑っています




