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1715人

作者: aristotles200

7年間、同じ道を通勤している

過去の自分を、同時間に投影させれば

どうなるのだろう

朝の通勤時

同じ連絡橋を渡り、乗り換える

時系列で見れば、この七年

およそ1715人の私が

連なって橋を渡っている


前後、左右に

過去の自分を投影する

周囲に

私が1715人、一緒に歩いている

壮観な光景ではないか

もっとも

当方

くたびれた老年のサラリーマン

壮観、というよりは

疲労困憊の

哀れな労働者たちの群れ


それでも

周囲にこれだけの自分がいる

その先頭に立ち

今朝も歩いている

左右、後ろを振り返り

過去の自分たちに呼びかける

私たち、おはよう

全員が挨拶を返す、おはよう

何か

元気が出てきた気がする


このまま会社に

1715人の私が出社すれば

どうなるだろう

用意された席は一つ

すごい椅子取りゲームになる

得意先にも

1715人の私で押し掛ける

どんどん契約を取れそうだ


問題は帰宅時にある

狭い我が家に入りきれない

食事代も馬鹿にならない

妻子からは

その日に、全員捨てられよう

1715人の私が路頭に迷い

公園で寝る

すぐに捕まりそうだ


解散

と、心の中で命じる

1714人の私は消え

瞬く間に1人に戻る

少し、疲れたが

会社に到着した

さあ、仕事、仕事

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