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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

詩歌集2

あなたの子供はもういないのにね。



カッコウ カッコウ



森の中に響き渡る、カッコウの鳴き声。


今年もまた、カッコウが来た。


格好の巣を探して、カッコウが飛び回ってる。


森の真ん中。


卵を巣に産む、親鳥。


カッコウは、この親鳥に(こども)を託すことに決めた。


カッコウは、親鳥が不在の巣に降りる。


そしてそこから…



───…パキャッ。



巣からひとつ、卵を落とす。


卵ひとつ分空いたところに。



ころり ころころ



カッコウは、自分の(こども)をひとつ産む。



元気でね、愛しい子供。


沢山可愛がられて、大きくなってね。



カッコウは卵に声をかけてその巣から離れる。



可愛い可愛い我が子たち。


だいじにだいじに育てるね。



巣の主の親鳥は、ひとつの命が奪われたことも知らず。


そして、知らぬ鳥の子が混じってることにも気づかず。


せっせと卵たちを慈しむ。



しばらくして。


卵から子供が産まれてくる。


カッコウの子供が先に、産まれてくる。


産まれたカッコウの子供は、他の卵を背に乗せると──



─────…パキャッ。


─────…パキャッ。


─────…パキャッ。



自分以外。


この巣の本当の(こどもたち)を、巣から落とす。


コワシチャウ。


巣には、カッコウの子供だけ。


この巣の本当の(こどもたち)は、もういない。



可愛い可愛い我が子。


気づいたらあなただけになっちゃったね。


あなただけでも…だいじに育てるね。



親鳥は、だいじにだいじに育てる。


我が子はもう、いないのに。


偽りの子を…


カッコウの子供を我が子と思い、可愛がる。



カッコウ カッコウ



自身とは違う鳴き声の子。


可愛い可愛い我が子よ。


私よりもおおきくおおきく育ったね。


生き残ったのはあなただけ。


愛しい愛しい我が子よ…



カッコウ カッコウ


カッコウ カッコウ……




実際のカッコウの特徴をもとにした詩です。

「托卵」といって、カッコウは卵を産む時期になると、他の鳥の巣に卵を産んで育ててもらうみたいなのですが~…

知らぬ間に自分の子供が居なくなってて、他人の子供を育ててるって…怖すぎる……m(_ _)m

衝撃的すぎて、詩にしてしまいました…汗


お読みくださりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 托卵、怖いですよね……! 自然ってすごいなぁと改めて感じました!
2023/06/18 23:22 退会済み
管理
[一言] カッコウがそのようにして子孫を残しているとは知りませんでした。 それを詩にするとは流石です。
[良い点] 人の価値観から見ると確かに衝撃的ですね(^_^;) 自然界は本当に多様で興味深いです。
2023/06/18 22:28 退会済み
管理
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