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第1話 ストーン・ユーちゃん


「勇者ちゃんも災難だね」


「本当にそう思ってる?」


「いや、思ってない!」


「殴るよ」


私が今いる所は小汚い牢屋の中だ・・・・あーあれは完全に【色欲】の罠だった筈なのに酒で判断力と注意力が鈍ってたかな〜0勝1敗0分けと言ったところかな


「はい!ゾロ目は3倍付だよおおん。親が子に負けるかってんだよ!」


「流石だよユーさん!」


「あたいにもチンチロ言うなる物を教えておくれやすぅ」


カラララララン


「ピンゾロだ・・・私達の勝ちだな勇者ちゃん」


「え・・・・・」


チンチロは強い役が出たら負け確なのだ・・・・つまり私は5倍の賞金を払わなければいけない。


「大赤字じゃん」


「角ハイ20本な」


なんでこうなったんだっけか・・・それはつい昨日の事になる。


             ✖️


私は入国したその日の夜に市街地の隅にある酒場に入った。

何故か何処の酒場も臨時休業で開店していなかったので唯一営業していたバーに入って軽くウォーミングアップがてら強めの酒でも引っ掛けようと入店したまでは良かった。

これが完全に罠だったんだよなぁ〜

酒には筋弛緩剤が混入していた。その程度の薬であればすぐに解毒できたのだがどうやらその店内では魔法の使用ができない様にするための設置型魔術が施してあり満足に【回復(ヒール)】が使用出来ずまんまと捕まってしまった。


そして、起きたら何故か牢屋にいた。


「此処何処よ魔法も使えないし」


頭が痛い・・・・吐き気もする。

そんな絶不調の状態で周りを見渡すと小汚いレンガ壁で造られた小さな個室にいた。

壁には対魔加工がされており檻全体に封魔の結界でも施されているのか魔力すらもまともに錬れない体になっていた。

しかも、魔法の知識はある筈なのにその術式が組めないまるでその記憶だけを抜かれたような感覚に陥っている。


「ず〜いぶんとお困りの様子じゃぁないか【勇者】ユーこの私は」


「くっさ!加齢臭臭いしイカくさい!」


「え!?ちゃんと身体洗って来たのに匂いまだ残ってたってハグぁっ」


「先手必勝‼︎」


『こいつ手の関節を外して鉄格子から殴って来やがった⁉︎』


目の前に立っていた全身白タイツに身を包んだ変態マスク野郎の顔面を鉄格子越しにぶん殴ると後ろに大きく吹っ飛んだ。

魔力すらもまともに練れないので普段の1/100程度の力しか発揮できなかったのは手痛かった。


「貴様ッ卑怯だぞ!」


「私は目の前の敵の自己紹介を待ってやるほど優しい人間じゃないの」


「お前それでも【勇者】か⁉︎」


その質問をされるのは今回で・・・・・何回目だったかな


「で、私が魔法の術式を構築するどころか術式が思い出せなくて今世紀最大に混乱してるのはアンタのせい?」


「フフフ・・・・その通りだ勇者ユーよ!お前が魔法も使えないポンコツと化したのはこ・の・私・・・・・」


変態さんは目の前で痛い奴がするイタイポーズをしドヤ顔で言い放った。


「【色欲】の魔王様の腹心の一人・・・魔王四天王第二席である【略奪】のテストの能力の影響である!」


「凄ーい!偉大でグレートなテスト様の能力はなんですか?」


「この私の能力は!」


そういうとペストはどっからともなく一枚の円盤を取り出した


「対象の能力をこの円盤・・・・いや、DISCに変換し取り出す能力だ!取り出された人間はその能力の存在は知っているが使い方を忘れてしまうのだ!」


「そういう事だったんだ・・・・」


「だが、俺も鬼ではないのでなお前に魔法の能力を返してやろう」


そういうとテスターは私にディスクを投げ私にぶつかるとスッと入っていった。

その瞬間、今まで忘れていた魔法の術式が蘇り気付かれないように魔法を構築しテストに放った。

周りには他人もいるので大きく破壊して死傷者が出ないような一点集中特化の魔法だ


「【風弾(エア・バレット)】ぎゃぁぁぁぁぁぁあああああ!」


途轍もない電流が迸り私はそのばに崩れ落ちてしまった。


「そうそう、言い忘れてたがお前が魔法を使おうとすればするほど()()()()()()にお前の覚えている魔法がお前に牙を剥くから気を付けた方がいいぞ!ギャハハハハハハハハハハ」


テストは笑いながら私の前から歩いていなっくなって行った。


「これからどうすれば・・・・」


私はクリアになった思考回路であらゆるパターンを考えた。

そんな事をしていると後ろでベットのスプリングと骨組みの軋むとが聞こえ背後を向くとペタペタとコミカルな足音を立てながら向かって来る人影が一つ

牢屋ないの白熱球が人影によって点灯させられると其処には緑髪をベリーショートで切り揃えた紫眼の女が立っていた。


「今回の新入りちゃんは【勇者】様かい・・・・これ又大物が来たもんだ」


「貴女は此処に捕まってる囚人?」


「じゃなっかったらなんだってんだい?」


その女は私の前に腰を下ろすと私の右頬に触れると一言


「【回復(ヒール)】」


「あ、ありがとう」


「突然だが私の事を知ってもらう為に自己紹介しようかね。アンタらもこっち来て新人ちゃんに挨拶してやんな」


そう言うと奥から二人ほど出てきた


「紹介するよこの黒髪の娘は東洋から来た侍ガールの撫子だ」


「撫子言いはります以後お見知り置き下さんせ」


「で、金髪のこいつはアスタニア共和国から来た【聖騎士】のアルマだ」


「よろしくっす」


「そして、アルマと同じパーティーの【回復術士】のラネルだ宜しく」


「ご親切にどうもありがとう。私は王都ハジマーリから元【勇者】のユー・シャーよろしく」


ラネル、撫子、アルマの3人と握手をし私が何故、元【勇者】なのかここに来た目的を包み隠さず話した。

そして、ラネル達が何故ここにいるのかも教えてもらった。

どうやら此処は【色欲】のアスモデウスの性奴隷達を収容するための牢獄らしく中には街から攫って来た女や裏ルートから仕入れた奴隷などが居るらしい。

そして、アスモデウスは自国に入ってきた他国の女性観光客や女冒険者すらも攫って性奴隷にするらしい。

ラネル達がその一人という事らしい


だが、一先ず安心できたのは此処の収容棟の人間達は此処半年以内に誘拐されたり売却された人間しかおらず殆ど性奴隷として連行されてく人はいないみたいだ。

さて・・・どうやて此処から抜け出して【色欲】をボコろうかと考えていたら消灯時間が来たので寝て考えることにした。

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