第二章 プロローグ
「【勇者】といえど所詮は年半も行かぬ小娘よ。【憤怒】を倒したところであの小娘はまだ【魔王】の座に就いて50年ほどの雑魚にすぎんわ!これが3000年もの【魔王】地位にいるこの【色欲】の魔王アスモデウスの力よ。死ね!【勇者】ユー」
小太りの男が玉座に座って叫ぶ
奴は男の姿をしているが背中には蝙蝠の翼、頭には牛の角を持った化け物が長い舌を巻きながら丸太のように太く棘の生えた薔薇の茎を象った紫色の食手が大理石の床を砕きながら私を潰そうと言わんばかりに襲いかかる。
少しばかり野暮用で牢獄の生活していたからかストレスによる口内炎が少し痛むがそんな事は言ってられない
このままだと【結界魔法】すらも突き破ってしまう・・・・生憎、フィールドがいないことが心苦しいがケル、クレイモア、ラザイン、ラネルがいるから此処までこれた。
しかも、運がいいことに此処には【色欲】と私以外に誰もいない
あの技を使うには持って来いの状況だ
✖
私が出発できるのは思い立ってから翌週の事だった。
理由は簡単マスターから『これからが繁忙期なのにエロ担当がいなくなってどうすんだよ!』と言われ私は渋々承諾した。
「行って来いユー」
「行ってきます〜」
私は【飛翔】を使いスイレ姉妹が寝ている時間というか早めに着きたいので朝の4時くらいからキリストリアス皇国に向かっている。
あそこの国は聖教と言う宗教が盛んであり自国の宗教以外は邪教と見なす中々ヤヴァイ国である。
だが、この世界では聖教が一番布教率が高いので実質邪教など殆ど無い
しかも宗教国家なので国民全員が折伏をしてくるので注意が必要だ特に私みたいな無宗教の人間なんか特にだ
あとあの国は色々と黒い噂がある例えば亜人の奴隷などが裏では多く流通してるとか言うことを聞かない村は邪教徒認定して陰ながらデリートしてるとか
「は~面倒臭いな」
私の住んでいる王都ハジマーリからキリストリアスまでは【飛翔】を使っても2時間は掛かってしまうので道中の街で少し休息をして行こうと思うので無心で飛行を続けていた。
✖
私は中間地点の街にあるカクテルを少しだけ飲んでいた。
因みに飲んでるカクテルは45度のグリーンアラスカだ。
美味い・・・・爽やかな風味でとても飲みやすいし此処のバーテンダーは腕がいいとてもいい気分だ・・・・・ナンパ師さえ居なければの話だけど
「お姉さん此処は初めて?良かったら俺が案内すr」
「あっと大丈夫ですかぁ〜」
ナンパ師に【昏睡魔法】を使用しその場に眠らせてカウンターに突っ伏させてやった
カウンターに代金を置いてその店を後にする。
気分が優れないので他のバーにハシゴしてみたがナンパ師だらけで話にならなかったので取っておいた宿に戻りその部屋でゴッチェ・インペリアルを煽った私は翌日のフライトで案の定嘔吐しながら飛行した。
✖
暫くフライトしていると10キロ先辺りに目的地が見え始める。
此処からでも視認できるほどに白い城壁・・・・反射光が眩しい!
キリストリアス皇国は表向きには世界一美しい国と言われているが陰では眩しくてサングラスなしには街を歩けない国と言われているほど白く対策なしに行った観光客が日光網膜症になるなどの健康被害が途轍もないのだとか。
近くまで来たので地面に着陸しポーチからサングラスを取り出し着用する
「目は護らないとね」
私はサングラスを着用したら門の所まで走って向かうそこから入国前の検問持ちの長蛇の列を並びながら【探索魔法】を使用してみると国内には約半数以上の人間が魔族だった。
昔から言われている黒い噂の信憑性が増した・・・・
✖
入国したその日からユーは動き出さなかった。
食べ歩きをし酒を飲みまた食べ飲み食べ飲み食べ飲み食べ飲み食べ飲み食べ飲みを繰り返しまくり完全に出来上がっていた。
そして、日が沈みきった夜9時に彼女は市街地の隅にあるあからさまに怪しい酒屋に入っていった。
この酒屋からは鬼が出るか蛇が出るか・・・・
第二章開幕