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第8話 お前カッ


「よし、連れて行こう」


私は封魔の手錠と足枷を装着させられ担がれながら思考を巡らせた   


『このまま連れてって貰ったほうが元締めも分かって一石二鳥な気がするし損失分の金は取り返さなくちゃね』


私は暗殺者に輸送されながらボケ〜と敵地に入ったときの動きをシミュレーションしながら作戦を練った。


            ✖


「ゴファ!」


どうやら敵の本拠地に着いたようだ。

でも、私の扱い雑じゃない?着いたと思ったら地面に投げ捨てられるんだからさ〜もしかしてその為のヘッドギア!?


多分、今中に入った。空気が変わった。

重苦しい空気だ私に向けて視線が注がれているのが分かる

ギシギシギシと靴が踏みしめられる音がする。

床の素材は年季の入った栗系の材質といったところか


「流石、我ら暗殺ギルドのエースのスイレだな」


「女なのによくやるよ」


よく喋ってくれたあんた達!

私は喋り声を利用し【音響探索】を展開する。

部屋の広さは3LDK、人数は20人と言ったところか

全員、相手に取れるかも?

だが、全体的にSランク冒険者を容易に手球に取るどころか一方的に嬲り殺しに出来る人材が5人ほどAランク冒険者相手に善戦出来る人材は10人と言ったところか

どうやら衝撃と反響の仕方から階段を登っているみたいだ


私は取り敢えずなすがままにされる事を選択した。

今暴れてもどうしようもないし元締めの顔くらいは見ておきたいし


「失礼します例の【勇者】を捕縛してまいりました」


「よくやった褒美を使わそう」


待てよ・・・・この声どっかで聞いた事がある。

このしゃがれた声・・・図々しい喋り方


「お前か国王様!」


「ユーシャー何故起きている!?」


「毒なんか効かねぇよ!」


私はその後は国王をぶっ飛ばし暗殺ギルドにいた全員をフルボッコ&迷惑料を徴収し身包みを全て剥いだあとは街の真ん中にパンツ一丁で投げ捨ててきた。

動けないように手足もついでに縛っておいた


因みに私を襲撃した暗殺者ちゃんは暗殺ギルドの襲撃に協力してくれた。

本人曰く人質を取られていてやむを得なかったらしく麻痺毒と言っても200倍に薄めたものを使っているのでちょっと動けなくなるくらいの毒性だったらしい


             ✖️


「ふぅ、ありがとう助かったよ〜」


「問題ない私はこの子を取り戻せれば充分」


「ありがとうございますユーさん」


暗殺者(アサシン)】のスイレが取り戻したかったものは自身の妹だったらしい。

この子は暗殺ギルドの地下牢に幽閉されていた所を全て終わらせた私が素手で鉄格子をぶっ壊して助けた。

スイレと同じ黒髪黒目の可愛い女の子であるが左目には同じくらい黒いアイパッチを着用しているがだが、アイパッチには【封殺の呪い】が付与されている。

私の【超鑑定】を使用してみると彼女の左目は【魔眼】である事が分かった。

だが能力がおかしい・・・・チートすぎる。

だけど耐性無視の即死系魔眼じゃなくて良かった


戦神(オーディン)の左眼

能力

発動するだけで対象の全ての知識を会得可能。

対象の指定は"世界"に指定する事で世界の全ての理を理解する事が可能。

書物に記されている物を【称号】関係なく会得可能

だが、対象が大きければ大きいほど術者の脳に高負荷が課せられる


やろうと思えばこの眼の対象を"魔術"に指定すれば既存の魔法どころか神代のチート魔法も使えるようになってしまう

だが、リターンが大きすぎるせいかこんな小さな子が使ったら一瞬で脳神経が焼き切れて死んでしまうからこそ【封殺の呪い】が付与されたアイパッチを着用しているのだろう


「お名前教えてくれるかな?」


「私の名前はスマ・レトゥーです【称号】はまだ発現していません」


「スマちゃんね体は大丈夫?」


「お腹が空いてること以外は特には」


「じゃあ、私がご馳走してあげるよスイレも来なよ」


「いや、私は流石に悪い」


スイレは仮にも私の命を狙っていたと言う負い目を感じているみたいだが私にはそんな事は関係ない最終的には共闘した訳だしまず妹さんからは逃れられないのさ

帰ろうとするスイレの裾をキュッと掴み瞳を潤ませて姉の顔を見上げ少し泣きそうな声で


「私はお姉ちゃんとご飯食べたい」


「だが、私はユーの命を狙っておいてましてや一緒にご飯など」


「ダメ?」


あー滅茶苦茶眼福・・・・可愛すぎる

スイレの表情を見ると凄くもどかしそうな顔をしている。


「だ、だが」


「私と食べるのイヤ?」


「はぁ・・・・・分かった」


「やった!」


この子・・・・計算してやがる!

私は小さな子の恐ろしさを理解した


             ✖️


場所は変わり店舗兼住宅の私の家に招き入れた。

勿論、行く前に連絡済みだったので帰った頃にはご飯が並んでいた。


「ただいま〜」


「おじゃまします!」


「失礼します」


「おう、お帰り。そしてスイレちゃん、スマちゃんいらっしゃい」


スマちゃんが靴を並べ終えるとリビングの中心に置かれたちゃぶ台に駆けていく


「これ全部食べていいの!?」


「おう!沢山食べな」


「すいません急に来てしまって・・・・私はこう言う者です」


「ご丁寧にどうも俺はこう言う者です」


スイレとマスターは名刺交換をしているが小さなスマちゃんが待てが出来るわけがなく既に一人でいただきますを済ませて食べ始めていた。


「お姉ちゃん!このご飯凄く美味しいよ!」


「おい!スマダメだろ勝手に申し訳ございませんマスター」


申し訳なさそうにスイレも謝るがマスターはスイレを座らせるとスマちゃんとスイレのために用意した茶碗に白飯を盛ると二人に渡した。


「ほら!どんどん食べな俺達の事は気にするな」


「マスターもそう言ってるんだから気はする事ないんだよ」


「お言葉に甘えていただきます」


スイレは山盛りエビチリに箸をつけ頬張り味を噛み締め飲み込むと恍惚とした表情になる。


「ん・・・・こんなに美味い夕食はいつぶりだろう」


「いつもお姉ちゃんの夜ご飯は栄養補給食だもんね」


その後はその言葉を聞いて半泣きになったマスターが「大変だったな」と言いながら次の惣菜作りに取り掛かっていたので私も手伝った

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