前作のあらすじ
序 前作のあらすじ
ここではない異なる世界。大陸を東西に分ける巨壁山脈の東にあるオストニア王国、学園都市エカテリンブルで、リッリッサ・アウレリウスは生まれた。リルは幼少期、悪魔との間で、悪魔の力と引き換えに肉体と魂を共有するという契約を結び、悪魔にその存在を乗っ取られてしまった。
悪魔と人間の2つの魂を持つリルは、魔界の獣、不死なる竜の王に目を付けられ、悪魔と人間の魂を引き剥がされた上、人間の魂だけを魔界に召喚されてしまった。そこで、リルは不死なる竜の王、竜王様の婢になり、不死なる竜の一族の悲願である死を叶えるために、その力を使うことになってしまった。リルは、悪魔の知識を使い22頭の不死なる竜に命を授け、不死ではないただの黒竜に変えた。しかし、リルは竜王様はまだ死ぬべきでないと考え、竜王様を連れて、表の世界に帰還した。
その後時は流れ、リルの周りの家族たちが年老いていく中、独り若い姿を保ち続けるリル。実は竜王様の婢になった時、不死なる竜の一族の願いが叶う前にリルが死んでしまわないように、リルは竜王様によって、肉体の時間を止められていたことが判明する。
訪れる家族の死。ついにリルは独りになってしまった。悪魔に魂を乗っ取られ、竜王様によって時間を止めたれたリルは、もはや、表の世界に自分の居場所はないと考え、竜王様とともに、魔界へ帰る決断をした。