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7.剣聖を追い出す

・今回のお話に登場する人物【剣聖、賢者】




「剣聖先生ー、剣聖先生はおられますかー」


「おう賢者、毎回思うが『剣聖先生』は言い辛くねぇか?」


 本日は天気雨。スライムの嫁入り日和な昼下がり。

 勇者パーティーの賢者は雨宿りがてら大きな世界樹の下で剣聖に切り出した。


「そんなことないですよ」


「マジか。まあいい、何の用だ?」


 勇者の師匠である剣聖は常にキレてる男と世間では噂されている。

 キレ者が二人、穏やかではない。


「勇者パーティーから剣聖を追い出すってのはどうでしょう?」


「あ? 斬られたいのか」


「斬られたくないです」


 ズバっと斬られる前に説明をする賢者。

 回復や蘇生ができるからといっても痛いのは誰しも嫌だろう。


「マイブームとか阿呆なことやってんなー」


「ウィッス」


 かしこさが高い筈の賢者が馬鹿にされているというのも妙な話である。

 賢者は剣聖を追い出すこととなった経緯、その理由を話す。


「ぶっちゃけ勇者の動きがぎこちないんですよね。剣聖先生が勇者パーティーに加入したあたりから」


「んなもん、勇者の修行不足だろうが」


「それがそうでもないんですよ」


 ご存知の通り、勇者はパーティーリーダー。

 そんな人物が不調というのは由々しき事態だった。


「やはり師匠である剣聖先生がパーティー内にいることで弟子として萎縮してしまうのでは」


「なら弟子の軟い根性、鍛え直してくらァ」


「多分、逆効果ですからやめてください」


 どうにも剣聖は喧嘩っ早くていけねぇやと思う賢者。

 バトルジャンキーとマジカルジャンキー。どっちもどっちである。


「第一、何故に王都の剣術道場で大人しくしてないんですか」


「オレより強い奴を斬りにいくんだよ」


「もう単騎で魔王城に殴り込んでくださいよ……」


 剣聖が極度の方向音痴でなければそうしていたであろう。

 道案内役を用意するにせよ、相応の実力が求められる。


「このパーティーにいれば強え奴と戦えるって聞いたぞ」


「誰に聞いたんですか?」


「国王だ」


「あのキングオブ馬鹿」


 まさに王級。

 至極の一品は魔王ショップへ!

 この物語は計画的なご利用を推奨する金貸し商人の提供でお送りしておりません。


「でも剣聖先生も入れると前衛が些か戦力オーバーと言いますか偏り過ぎかなと」


「逆だろ。前から思っていたが後衛の人員が足らなさ過ぎなんじゃねぇのか?」


「いやぁ、後衛は俺が魔法ぶっ放しときゃ大丈夫かな~と」


「この魔法バカが」


 頭を掻きながら目を背ける賢者に呆れる剣聖。

 切り裂き魔でないだけ剣聖はマシなのだ、多分。


「あの元奴隷に弓矢使わしときゃ良いじゃねぇか、死亡率も下がんだろ」


「実は剣聖先生がパーティーに加入する前にやってみました。でも混戦時のフレンドリーファイアに異様に怯えているようでして……」


「助けてくれた恩人に向かって矢を射る訳にはいかねぇってか」


 だからといってバーサーカーになるというのもどうかと思うが。

 いや、どうかしている。


「まあ、オレがこのパーティーにいる間は前衛陣の鍛錬は任しとけ」


「……お手柔らかにお願いします」


 この後、勇者パーティーの前衛陣は、暫く筋肉痛との闘いになるのだった。




・今回のお話に登場した人物紹介


 剣聖……勇者の師匠。マジでキレてる戦闘狂。

「野郎ブっ殺っしゃぁああー!」


 賢者……勇者の親友。マジでキレてる魔法狂。

「野郎ぶっ殺っしゃぁああー!」

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