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3.聖女を追い出す

・今回のお話に登場する人物【聖女、賢者】




「聖女様ー、少しよろしいでしょうかー」


「はい、賢者様。どうかなさいましたか?」


 本日は雨天。禁制魔術書の読書日和な昼下がり。

 勇者パーティーの賢者は少しお高い宿屋のラウンジで聖女に問いかける。


「勇者パーティーから聖女を追い出すってのはどうなんでしょうか?」


 洗練された立ち振る舞いで穏やかな笑みを浮かべていた聖女は硬直した。

 次第にぷるぷると小刻みに震えながら、その目に涙をためる。


「どうやらお役御免のようですね……お役に立てなかったようで申し訳……」


「あ、いや仮定の話です」


「紛らわしい!?」


 勇者と同じく説明を行う賢者。

 この男、いつか狂信者に刺される。刺されろ。


「マイブーム?」


「ええ、そうです。聖女様がパーティーから抜けたら回復の手が勇者と薬草他と限られますし、教会が死ぬ気で協力的になってくれる貴重な人材ですので手放すのはとんでもないです」


「随分とハッキリ申しますね」


 教会の人間に金の斧と銀の斧と鉄の斧でズタズタにされそうな賢者は、聖女に正直者だと言われた。そういうことにしておこう。


「聖女様が勇者パーティーにいることで発生するデメリットなんて一部の超が付くくらい熱烈な信徒――ファンが襲い掛かってくるくらいですよハッハッハ」


「まあ、うふふ。困ったものですね~」


 聖女様は天然だった。

 おっとり系ゆるふわ天然記念生物とねっとり系げるやば完全危険生物のコラボ。


「むしろ、勇者パーティーから聖女様を追い出したら世界中の民から恨まれますね。各地で教会の協力も得られず、治療も蘇生もできなくなります」


「まあ、大変」


 パッと口を手で覆う聖女にそれはもう大変なんですよ~と神妙に頷く賢者。

 現在位置は宿屋のラウンジに変わりない。

 仮定の話でもこれを聞かれたらヤバイとは二人とも考えなかったのだろうか。


「それに加えて、アンデッドモンスターに対抗する手段を持ち合わせているのは現在、聖女様だけですから。勇者が早く成長してそちらの方もカバーしてくれると助かるのですが」


「ご期待に応えられるように頑張りますね」


「頼りにしてます」


 安心できる生活の頼りに!

 勇者パーティーに所属する盗賊が監修した防犯アイテムはお近くの道具屋店へ。

 この物語は民の暮らしを見守る衛兵隊の提供でお送りしておりません。


「良い機会ですし聞いておきたいのですが、聖女様は何故に教会本部の制止を振り切ってまでこの旅に同行したのですか?」


「あの時は少しトタパタしていましたから詳しい理由について話していませんでしたね。とはいっても単純な理由です」


「ほう?」


「世界に仇なす魔王を許す訳にはいきません。必ずや討ち倒して平和な世へと浄化してみせます!」


 感情の篭った言葉と共にいきり立つ聖女。

 そういえば親でも殺されたように聖女は魔王を憎しみ、忌み嫌っていたなと思い出す賢者。


「お互い頑張りましょう」


「はい!」


「そういえば教会本部に聖女様の偽者が現れたとか聞きましたよ。なんでも自分が本物の聖女だとか言ってるようですが」


「あら、そうなんですか? でも自分が二人いると便利ではありません?」


「……確かに言われてみると、そうですね」


 くすくすとした笑い声と一緒にノホホンとした空気が流れゆく。

 のん気な二人の会話は雨が止むまで続けられた。




・今回のお話に登場した人物紹介


 聖女……世界ナンバーワントップアイドルなぐう聖。ただし、魔王は除く。

「みんなの為にも戦います!」


 賢者……世界ナンバーワントップキチガイなぐう畜。何気に婚約者がいる。

「魔王死すべし慈悲は無い、か……見習わなくてはな」

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