五十四部
『皆さんは、どれくらい理解しているだろうか?
我らが日本海には多くの密漁船がはびこり、日本に資源を運んでくる大型貨物船にはどれだけの違法薬物が紛れ込んでいるのかを。
我らは今、日本国民に信を問おう。
役立たずの政治家に、自らの利権を守ることしか考えない大企業に、我らの国を任せておいて良いのだろうか?
武力を持たずに、軍事力を笠にきた諸外国の思うように働かされている我らの進む道は、明るい未来が待っているのだろうか。
否!
我らの歩もうとしている道は諸外国に食い物にされ、独立国という偽の衣をまとわされた植民地にすぎなくなってしまうのだ。
立ち上がるろうではないか、いつまでも過去の過ちに縛られ、下を向いていては太陽を見失ってしまうだろう。
夜空には月の光に負けじと輝く星たちのまばゆさも知らずに石ころとにらめっこであなたの未来は楽しいものになるのだろうか?
そんなはずはない、決してない!
未来は前にあるのであって、後ろを振り返っていても見えるものではないのだから。
背後からの光に学び、前を照らせ。あなたの目は闇を見るよりも光を追うことの方が得意なのだから。順応していてはいけない、明るい未来を見ようではないか。
日本は古来より、大陸から切り離された島国として独自の文化を形成して、諸外国から多くのものを学び、吸収して新たなものを生み出してきたのであって、他国に侵略されたことは一度もない。
我らが重ねてきたのは諸外国の二番煎じではなく、我ら日本国の唯一にして、優一の文化なのだ。他国に負けることもなく、他国に似ていることもない。
我らは軍事力とともに日本人たる誇りも失ったのだ。
誇れ日本人!
誇れこの国を!
誇れ、我らが世界を変えてきた存在なのだと!
今ここに宣言しよう、脆弱で日本国民の利益よりも国の存続にしか興味を持たない政治家に、官僚に、学者に我々は宣戦布告をすることを。
戦え、日本人よ!
戦え、戦国武将のように!
戦え、限られた武器で戦場を駆け巡った足軽のように!
戦え、侍の魂を前面に出して!
我らは侍の国に生まれ、戦いの中に自分の正義を証明して来た人種なのだから。
男も女も大人も子供も何にも関係ない。我ら日本人は全て戦いの中に生きてきた戦士なのだ。
このまま、奴隷で終わるのかお前の人生は。
このまま、仕方ないと言い続けて諦め続けるのかお前の未来は。
このまま、社会のせいにして自分の不遇を棚に上げて作り笑いで生きていくのか。
このまま、世界に流されるままに使えもしない新製品をありがたがって、外国製品をありがたがって生きるのか。
自らを奮い立たせて、刮目せよ。
自分の戦うべき相手を。
我らは戦おう、狭い国の中に閉じこもるのが悪い事ではないのだと証明してみせよう。
我らが示そう、日本人は決して弱い人種ではないということを。
我らを見習え日本人。
我らは、自国の領海を犯す密漁者を許さない。
武器を持ち、一年に一度の収穫のために日々準備を重ね、収穫の時を心待ちにしていた日本の漁師のために戦った。
我が国の利益を犯す存在には同盟国であれ、対立国であれ容赦はしない。
我らが宣言する、我らは『平成攘夷軍』!
日本に害をなす諸外国を排除し、我らが日本人として正当に我らの利権を確保し、そして行使できるように日本に害をなす外国人も日本から排除する。
立ち上がれ日本人、我らとともに!
外国人によって奪われたあなたの利権は我々とともに取り戻そう。
仕事、家族、金、何でもいい、あなたが奪われたと思うものを我々は真正面から受けてとめて、そして奪い返すことに協力しよう。
その第一段階として、我々は日本の漁師の利権を守るために密漁者を撃払った。我々はまだまだ続ける。日本の海域の利権を脅かす存在を撃払い続けるだろう。作戦コード『異国船撃払い令』の名のもとに。』




