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十四部

「ほな、俺らはとりあえず事件の内容から確認していこか。黒田ちゃん情報くれるか?」

 竹中の問いに黒田は即座に反応して、資料を今川に渡した。そして、

「私は少し総監のところに行ってきます。人員補充の件とその他にも色々と報告があるので。」

「大変やな、中間管理職は。」

 竹中が冗談ぽく言ったものの、黒田はそれに返事をせずに部屋から出て行った。竹中は特に動じることなく、

「しゃーないな。今川、事件の詳細教えて。」

 今川は資料を開いて、

「え~と、事件は東京近郊で既に30件近く起こっているようです。

当初の捜査では、別の犯人による別件として捜査されていた事件も捜査が進む中で共通点が見つかったこと等の理由から同一犯の連続強盗事件として判断されてこの件数になってます。

 日本全体でみると、各地方都市で事件が多発して、300件近くは発生しているみたいです。

 中には流ちょうな日本語を話す人もいたみたいですけど、多くは片言の日本語で、『金を出せ』って凶器を突きつけるような単純な手口ですね。」

「逃走の方法は?コンビニとか路上でやったら、通報したら結構早く警察が来るやろ?」

「それがコンビニとかでは電話などを破壊してから逃走してるみたいで、人のいない時間だから、警察に連絡するのに手間取っていたらしく、警察が検問を敷くころにはって感じらしいです。

 路上の襲撃事件は被害者の携帯を壊していたり、人通りの少ない道に連れていかれた後、催眠作用のある薬品か何かで眠らされて、起きた頃には夜が明けていたみたいな状況らしいです。」

「竹中さん、これどうやって捜査しますか?

 すでに、手詰まり感が凄いですよ。」

 三浦が言い、竹中もため息をついて、

「とりあえず、現場に行ったり、被害者に聞いたりせな始まらんやろ。

三浦と大谷でコンビニ、俺と今川で被害者の聴取をしよか。

 コンビニの防犯カメラとかから、体系とか外国人なんやったら、白人か黒人かアジア系かってとこの割り出しができるような映像がないか探してくれ。

 外国人って幅が広すぎやねん。もしかしたら外国人を装った日本人の可能性もあるからな。

 まあ、とりあえず何でもいいから情報を集めて、これや!と思うのがあったら俺に報告。こっちも何かあったら三浦に教えるは。

 じゃあ、俺らも行こか。」

 そう言って、竹中が立ち上がる。三浦が竹中の『俺らも』と言ったのに対して、後ろを確認すると、いつの間にか山本警部と上田さん、伊達がいなくなっていた。


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