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仕様違いの魔法使い  作者: 赤上紫下
第 5 章
72/238

03:部屋で寛ぎ、また買い物へ

 掃除にひと段落つかせたら、下水の匂いがほぼ感じられなくなったリビングで、夕食の準備を始めた。

 リビングと横文字風に言ったところで、うちではカーペットの上に背の低いテーブルが置かれているので、洋風とは言い難い雰囲気。

 理由は、ここが賃貸マンションだから。引っ越しの手間を考えた結果、何となく、小さく纏められる家具で揃えてしまったわけだな。

 ……アニマとアンナの二人は慣れない様子だから、どうにかしてやるべきだろうか?


 どうするかを考えている間にご飯も炊けて、おかずの調理も終わったので、夕食は結局そのまま背の低いテーブルに並べてしまうことにした。食器は異世界から持ち帰った木製のものを使う。

「これがお米の匂いでしたか。ほかほかです」

「パンより短時間で作れるのもいいわね。うん、味も中々」

「まぁ、使う水の量はパンと比べて多いんだけどな」

「あー、確かに、水が少ない所だと大変そうですね」

 米のとぎ方は家庭や店によって違うとは思うが、炊飯のみに限っても米を一割から二割程度は上回る重量の水を消費する。

 パンはというと、勿論作るパンによって違うが、小麦粉の六割程度の重さを一度加えるだけで良い、というより水を加えすぎると惨事が起こる。

 初めて作ってみたときはレシピをよく調べなかったせいで、だんご粉で団子を作る時と同じ感覚で水を足し、べちゃべちゃの塊になってしまった。

 ……はじめは水が足りないように見えても、後から後からじわじわ染み出してくるんだよな、アレ。

 異様に粘り気が強く、形を変えるのも一苦労するそれに水と粉を複数回加えたりして焼いた結果、中身の詰まったホットケーキのような、重量のあるニチャッとするナニカができたのだが……まぁ、それはいいか。

「それでこれがお醤油、ね。うん、これも中々」

「こっちの匂いも色んな所でしてましたよね。こんな味なんですねぇ」

 醤油味の煮物も少量作ってみたのだが、二人とも顔が曇るような事はなかったので一安心だ。


「う……にゅっ……? ご飯が、食器に……」

「あはは……陶器の茶碗も、買わないとかな」

 木を彫っただけの食器には、ご飯がこびりついていた。


 食器を洗い終えた後、コーヒーでも飲もうかとしたところ、詰め替えるつもりだった瓶はそのままになっていたので、古くなっていた中の粉を捨てた。

「なんだか、その瓶からもちょっとだけ、さっきのお醤油に似た匂いがしてきますね?」

「……確かにそんな匂いはするが、これは古くなったコーヒーだからな? 新しい方はそうでもないんだぞ?」

「そうなんですか?」

「そうそう。とりあえずは……しっかり洗っておくか」

 湿気を吸って瓶にこびり付く残りのコーヒーも洗い落としていく。

 インスタントコーヒーは古くなるとどこか醤油に似た匂いを漂わせる事があり、コーヒー豆は古くなると納豆に似た匂いを感じさせる事がある。

 そして匂いからもわかる通り、我が家のコーヒーはインスタントである。……湯を沸かせばすぐ飲めるし、フィルターを消費しないからな。ドリッパーもないし。

 再利用できる金属製のフィルターも存在はしたとは思うが、どちらにしても洗い物が増えるのは確実なので、こうなった。


 ブラックコーヒーを入れ終えた後は、それをスルスルと静かに飲みながらテレビを点けてみる。

 外部入力待ちの真っ暗な画面が表示されたので、音量を調整してから、ニュースが流れていそうなチャンネルに、電池が切れていなかったリモコンで切り替えた。

「「!?」」

「うん、丁度ニュースをやってるとこだったな」

 交通事故や火事といったニュースが流れ、アニマとアンナが驚いている様子を尻目に、掃除のために片付けてあったPCをセッティングし始めた。


 接続を終えて電源ボタンを押すと、ファンが回り、ハードディスクもカリカリと駆動音を立てながら、PCが起動した。

 数秒悩んでからパスワードを入力すると、無事にサインインが完了し、久しぶりに見る背景が表示される。

「わぁ、綺麗な絵ですねー」

「お、おう、そうだな」

 アニマに言葉を返しながら新しくフォルダーを作成し、デスクトップのアレなゲームのショートカット群を放り込んでいく。……背景は普通の絵にしてて良かった。

 PCのメールソフトや、充電されて起動したスマートフォンのメールチェックは、後回し。せめて、明日の夜ぐらいまではのんびりしたい。

 デスクトップの整理が終わった後は、よく使っているインターネットブラウザを起動する。

 ホームページとして設定してある空白ページが表示されたので、ショートカットキーを操作して、お気に入りのニュースサイトを開いた。

「これは……ええと……?」

「まぁ、ニュースだな。さっきテレビに映ったようなのも載ってるよ」

「横の絵は何です?」

「商品やら何やらの宣伝だな。俺らに必要な物はそうそうないと思うよ」

「えと、じゃあ、なんで載ってるんです?」

「まぁ、買う可能性はゼロじゃないし、俺ら以外にも買う人はいるから、じゃないか? そういう広告を表示させることでお金が運営に入るから、俺らもこういうところをタダで見れるんだ。ネット回線の利用料や電気代はかかるけどな」

「へぇー……あれ? 何か出てきました?」

「む、アップデートか。ま、仕方ないな。ダウンロードして……再起動、変更の許可? OKっと」

「……ご主人様が何をしてるのかさっぱりです……」

「んー……説明してもいいけど、これは俺のPCだから、さっきみたいな画面が出た時に勝手にOK押したりはしないでね?」

「は、はいっ」

「アンナも……? アンナ?」

「呼んだ?」

 アンナはテレビを見ていたらしい。テレビではニュースが終わって、バラエティ番組が始まっている。

「呼んだけど、テレビを見てたんならいいや。PCを操作する時の注意点だから、アニマから聞いてくれればそれでいい」

「わかった、そうするわね」


 最新版に更新されたブラウザで、国籍絡みの要件を検索してみる。

「んー……?」

 アニマもアンナも異世界人で生まれは日本じゃないから、引き続き五年以上日本に住んでいる必要が……いや、正当な在留資格を得た上で五年以上か。

 在留資格の一覧だと取れそうなのは配偶者ぐらいだが、二人ともは取れない。だからこのままだと何年住んでも──

「お? 簡易帰化?」

 日本で生まれたわけではなく、日本人の配偶者でもなく、正当な在留資格を有しない不法滞在状態でも十年住んでれば帰化は可能、と。

 ……しかしやっぱりというか、厳しいなぁ、法律。いや、なんだかんだで取得できるだけマシなのかもしれないけど。

「何かあったんですか?」

「二人が国籍を取るための条件を調べてたんだよ。ひとまずは、罪を犯したりせずに十年間、日本に住んでいる必要はある、って感じかな」

「十年って、結構長いわねぇ。へぇー……」

「後は……俺が逮捕・監禁罪あたりに相当する可能性があるのか? いや、二人ともが俺と暮らしたいと本心から思っている旨を伝えれば問題はないか」

「面倒ねぇ……」

「本当になー……って、アンナ? いつの間に」

「ユーリが簡易帰化とか言い始めたあたりね」

「テレビは良いのか?」

「動いてる絵は綺麗だとは思ったけど……言葉がまだ良くわからないし、何が面白いのかわからなかったのよ」

「そっか」

「……ユーリ? PC? の画面に、何か表示されてるわよ?」

「うん? ありゃ、OSのアップデートで再起動か。今日はここまでだな」

「えと、何でです?」

「結構時間が掛かるんだよ、アップデートって。スマホはまだ使えるが……調べることは一通り調べたからな」

 バッテリー切れで放置されていた、どちらかといえばゲーム機として使われる事が多い俺のスマートフォンだが、半年もプレイしなかった(X指定の)ソーシャルゲームは流石にプレイする気が起きない。

「うーん……それじゃあ、今日はお風呂に入ってお休みですか?」

「そうなるかな。コーキング材もそこそこ固まったみたいだけど……あ、そうだ。アニマ、まだ匂うかちょっと見てきてくれるか?」

「わかりました、行ってきます」


 結局、コーキング後の浴室はまだ少し匂っていたが、一応は使える程度に固まったはず、という事で少々狭かったが三人で風呂に入った。

 その後もPCはまだカリカリと音を立てていたので【固定】で音だけ少し伝わり難いように隔離する。熱暴走が怖いので、密封はしない。

 それから、メディアリテラシーについて教え込みつつしばらくテレビを鑑賞して、眠りに就いた。



 ………………



「……?」

 何か近くでもぞもぞと動く気配を感じて、俺の目が覚めてきた。

「……お、おはようございます」

「おはよう」

 気配の元はアニマだったようだ。日は既に昇っているのか、部屋は少し明るくなっている。

 耳を澄ませてみると、目覚まし時計の音が聞こえてくる。昨日と比べれば個数は減っているが、俺の耳に届く範囲でも土曜に鳴らす人は居るらしい。

「……えと、今日は、何もされないんですか?」

「うん? ……昨日は昼まで寝る予定だったが、今日は朝起きるつもりだったからな。別に問題はないぞ?」

「あ、はい……」

 どこか残念そうなアニマから視線を外し、俺は洗面所に向かった。


 ほどなく全員目を覚ましたので朝食を摂ったが、ホームセンターの営業開始時間にはまだ早い。

 何となくテレビを点けるとニュースは流れていなかったので、昨晩のうちに操作法を教えておいたリモコンを渡して、俺はPCを起動してみた。

 ハードディスクへのアクセスが多いらしく、カリカリという音がそれなりに続いている。

 何がそんなにアクセスしてるのかと確認してみると、アップデート後のファイル整理サービスと、セキュリティ関係だと思われる名前が並──

「うげっ」

「「?」」

 超変態(スーパーフェッチ)野郎(サービス)が有効になっていた。……あ、いや、フェチはフェティッシュの略だったか? まぁいいか。

 環境によって違いはあるにせよ、俺のPC環境と用途から考えれば有効にする理由が皆無であり、個人的には大嫌いなサービス。

 音楽や画像といったファイルの読み込みを〇.一秒前後短縮するために、PCを起動するごとに何十秒も掛けながらハードディスクの寿命とメモリを浪費するという、デメリットの塊である。

 しかも、次の音楽や画像が表示される前に読み込んでおくプリフェッチという類の機能は、一般的なプレーヤーやビューワーなら当然のように実装されている。ファイルの管理ぐらい自分でやっているので、得られる効果はプログラムの起動や最初の読み込み時間が極僅かに短縮されるだけ、という謎具合だ。

 強いていうなら、OS標準のソフトウェアに組み込まれた機能が起動時に多量のアクセスを行うため、このサービスでそれを僅かに打ち消している、という程度だろうか。

 とりあえず、最近俺の力になった魔力さんは自分で最適化する機能があるようなのだが、そういった無駄な挙動は控えていただきたい所である。

 無効化していた気がする超変態野郎を改めて無効化し、同様の理由でインデックスを作成するサービスも無効になっている事を確認して、一息ついた。

 そのまま昨日のうちに調べきれていなかった情報を調べていく。


「んー……こっちは二冊、こっちは一冊……あ、これは出てないか。このゲームは新作がもう発売中、と。うーむ」

「えと、何を調べてるんです?」

「漫画やラノベの新刊、続刊や新作ゲームなんかの情報だな」

 アダルトゲームのサイトにも飛びかけたが、そこは我慢した。

「? 体型の整った人がいっぱいです? ……スカートが短い人ばっかりですね?」

「……胸も、私達より大きな子がいっぱいね?」

「まぁ、うん。絵だしな。俺が描いたわけじゃないし?」

「むぅ……そうね」



 一通り調べ終えたのでPCはシャットダウンし、改めてホームセンターに訪れた。

『じゃ、今日は茶碗だな。ついでにマグカップも買っておくか?』

『そうですね。あと、麦茶を作るための入れ物もでしたっけ?』

『そうだった。まぁ、そのぐらい買えば後は大丈夫……か?』

『ねえ、あれは何?』

 他に買う物がないかを考えていると、アンナが何かに興味を示した。

『これは、あかすり用の……タオルかな?』

『? ……どんなタオルなの?』

『ちょっと硬めで、垢を落とすのに向いたタオルだな。どうせだから買っとこう。色はいっぱいあるから、好きなのを選んでいいよ』

『好きなのを……って、一人一つ?』

『共用するしないは別にして、一応な』

『じゃあ、私は──』


 わいわいと話しながらタオルや茶碗、マグカップもそれぞれ選んだ。

 ついでに、ホワイトボードに紙を留めるような、両面が使えるカラーマグネットとやらを一セット。ネオジム磁石と銅線も一応かごに放り込んである。

『こんなもんかな。他に何か買う物はあったかな?』

『ねえユーリ、ちょっとこの世界の服にも興味があるんだけど、ダメ?』

『……いや、大丈夫だよ。買った物は一旦部屋に置いてくるとして、その後で服を売ってそうな店にも出かけよう』

『やったっ。ありがと、ユーリ』

『おう。あんまり高いのは無理だけどな』

『わかってるわよ』

 水を差すような注意だが、アンナは笑顔で応じてくれた。

『そ、その、私も一緒に行っていいですか?』

『いいぞ。というか、この流れでアニマだけ除け者にはしないよ』

『ありがとうございますっ』

『ん。じゃあ、この店の清算からな。二人ともちょっと待ってて』

『はいっ』

『わかったわ』



 荷物を部屋に置いて次に向かったのは、DVDのレンタルの他にも本やゲームを広く扱っている店。店舗自体は広いが、アダルトコーナーは非常に小さい。

 服を買う前に来た理由は、嵩張らないから。二人から言い出してくれたので甘んじた形になる。

 一通り買おうと思っていた物を買いそろえてからは、また少し歩いて服屋に入った。高級ブランドではなく、当たり障りのないありがちな服を置く店である。

『結構、色々あるわね。靴もある……ユーリが履いてるようなのは、ここにはないの?』

『この店にはないみたいだな。俺が靴を買ったのはもう少し違う所にある靴の専門店だから』

『ふーん……?』

『まぁ、うん。次はそっちにも連れてくよ』

『悪いわね』

『いや、構わないよ。見た目がそこそこ良い靴ならこの店にもあるが、微妙か?』

『微妙ね』

 店の靴のぶった切られ方に肩を竦める。アニマはどうかと見てみると、何やら視線をあちらこちらに向けて、探し物をしている様子だった。

『アニマ? 何か探し物か?』

『はい、あの……こう、腕や脚が大きく出てて、肩から脚の間まで一つながりになった、服? ああいうのは何処にあるんでしょう?』

『ミニのワンピース……? ああいうのか?』

 女もののワンピースは目の前にあるので、やや遠くの男物のTシャツを指してみる。白い無地の物ならアニマに以前、寝間着として着せた事があるからだ。

『ええと……そういうのじゃなくて……って、ご主人様が着てたのはそれですか?』

『そうだよ。値段はあそこ。見ての通りだな』

『そういえば、そんな話も聞いたわね』

『一着ぐらい買っとくか?』

『んー……寝間着にするなら、ユーリが自分に新しいのを買えばいいと思うわ。お古を貰うから』

『新品じゃなくていいのか?』

『ええ』

『……まぁ、いいけどな』

 アンナの再びの即答で俺は妙な気分になっていたが、アニマはまだ悩んでいる。

『……そうだ、たしかご主人様が買った本の表に描かれてましたっ』

『うん……? ……ここで袋を開けるのは何だな。ええと、スマホから……』

 スマートフォンを操作して、今日買った本を改めて調べながら、アニマに確認してみる。

『これ、じゃないよな?』

『はい、違います』

『……これか?』

『それも違……あ、待ってください、ご主人様が買ったのじゃないですけど近くに載ってます。これですね』

『…………これかぁ。ええと、コスプレ用の服はちょっと、売ってる店は知らないなぁ』

『あれ? 写真、でしたっけ。大きな本の表にも載ってたのを見ましたけど、そんなに珍しいものだったんですか? こっちにもありますよ、ほら』

『いや、これは、水着っていう奴だ。泳ぐための、濡れても邪魔にならない服だな』

『このお店には無いんですか?』

『水遊び用程度の奴ならたしか見かけたような……ほら、あれ』

『……上下別れてるのと色鮮やかなのがありますけど、どっちもそうなんですね。あんまり多くはない……です?』

 売り場を探して、一応水着売り場も見つけたのだが、アニマはいまいち納得がいかない様子ではある。

『水着も専門店はあるからな。ただ、何処にあるか知らないから、近くにあって品ぞろえが良さそうなのは、スポーツ用品店……かな?』

『えと、それじゃあ……その、申し訳ないんですけど、そのお店にも行ってみたいです……』

『わかった。嵩張らないから、靴より先かな。他に欲しいものはないか?』

『特には、ないですね。アンナさんは?』

『私もあんまり惹かれるのは無かったから、別にいいわよ? あ……Tシャツ? のお古を貰うのとは別に水着も良いのがあったら……その、申し訳ないとは思うんだけど』

『全然買わなかったし、構わないよ。って、この店で買うのは俺のシャツ二枚だけか……』

 懐的にありがたい話ではあるんだが、女性二人を連れて入った服屋で買う物がこれだけ、というのもどうなんだろう。

 とりあえず、何か要望を聞いた際にはできるだけ叶えてやりたいと思う。



 スポーツ用品店でアニマ達が水着を選ぶ時には、手を繋いだままだった。

 俺の反応を【伝達】越しに正確に把握しながら選んだようで、二人とも無地に近く体型が表れやすいもの──要するに競泳水着だった辺りに、自分の業を感じる。

 アニマは尻尾の関係で改造が必要になるため、試着は最低限、着られそうなサイズかどうかだけ確認した。

 ……なんか、すまん。スポーツ用品店と競泳水着よ。


 水着購入後は靴屋に移動し、今度は二人ともスニーカーを選択した。新しく買った靴は箱に入ったまま大きなバッグに入れ、今は帰路に就いているところだ。

『今日はありがとね、ユーリ』

『ありがとうございました、ご主人様っ』

『どういたしまして。まぁ、他にも何か欲しいものでもあったら遠慮なく言ってくれ』

『うん。ありがとう』

『ありがとうございますっ』

 空を見ると、まだ空の色は変わっていないが、もう間もなく変わりそうなところ。

 ファミリーレストランが視界に入ったので、何となく二人に聞いてみる。

『アニマ、アンナ、地球の外食に興味はあるか?』

『ちょっとはありますけど、大丈夫なんですか?』

『まだ余裕はあるから、問題ないよ。アンナは?』

『興味はあるわね。このお店は……高かったりしないの?』

『毎食だとややキツいかもしれないけど、たまに食べる分には問題ないよ。まだ席も空いてる時間だしな』

『じゃあ、良いかしら?』

『おう』

 笑顔を見せる二人と共に、マンションからそう遠くないファミリーレストランに入店した。

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