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仕様違いの魔法使い  作者: 赤上紫下
第 2 章

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04:夜の王都での買いモノ

 店の外に出ると、先程より大きく騒ぎが聞こえてきた。

 日は完全に落ちていて、王都は魔力式の街灯で照らされている。


 騒ぎの中心に居るのは四人で、二人組が二つかな。

 一方は、品質の良さそうな装備を身につけた男と、その男を連れているらしい太った男。

 もう一方は、軍の鎧を身につけた男と、その男に庇われるような位置に居る──

「……あれ?」

「!」

 先日治した緑毛の猫っぽい獣人の女の子だった。

 他の連中も俺の上げた声に反応した女の子の様子から俺に気付いたらしく、視線を向けてきた。

 女の子を庇っている男にも見覚えがある。……たしか、召喚されてすぐ、剣の訓練で同じ組になった──

「ええと、顔は覚えてるんだが誰だったか。…………セインだっけ?」

「お前は、ユーリだったか? こんな所で何をしている」

「俺はそこの飯屋で飯を食ってて、騒ぎが起きたみたいだから様子を見に来たんだよ。あんたらこそ、こんな所で何してんだ?」

「それは──」

「俺達は逃げ出した商品を連れ戻しに来ただけだ」

 セイン(仮)の言葉を遮るように声を上げたのは、品質の良さそうな装備を身につけた男。

「そのような理由があろうと、先程も言った通り、大通りでのそれ以上の行為を容認するわけにはいかん」

「優しくしたらつけあがりますからな、叱る時はきっちりやらんと躾にならんのですよ」

 何やらそれらしい理由を口にする太った男。


 状況から察するに、獣人の女の子は奴隷だった、という理解で良いんだろうか。奴隷が物扱いだったのも覚えているんだが、この女の子が奴隷だという話からは違和感が漂っている。

「……そういえば奴隷って、そうとわかるような首輪か何かを着けておく必要があったような……?」

 元は白かったのであろう草臥れた服は、前見た時と同じ。それ以外には、首輪や足枷といった類の物は着けておらず、サンダルのような簡易な靴を履いているぐらいだ。

「うん? ……言われてみれば、着けていないな」

「いえ旦那方、首輪は外されただけで御座いますよ。権利書ならうちの店にちゃんと御座います」

「ではまず、権利書を確認させてもらえるか?」

「へえ、それは構いません。勿論、それが逃げないように旦那方が捕まえててくださるんですよね?」

 セイン(仮)が太った男に問いかけている。店までこの子を連れていって、権利書を確認したら引き渡すような流れだろうか。

 ちらりと女の子に視線を向けると、ぽろぽろと涙を流しながらこちらを見ている。

「やあ……あうう……」

 ……これをそのまま連れて行って引き渡すのか? いやしかし、国の法的には……。

「旦那は……この奴隷のことをご存知で?」

「あー……先日ちょっと縁があったんだよ」

「では、ご購入されますか? お安くさせていただきますよ」

 太った男に問われて、考える。

 今の所持金は、全部合わせて金貨三枚強。……借金してまで救う義理はないが──

「値段次第かな、そこまで金に余裕があるわけじゃないから」

「私共も困り果てておりまして、教育にかかる費用が浮くなら、金貨一枚で結構で御座います」

「そのぐらいなら、出せなくはないか。どちらにしても、まずは権利書を見てからだな」

「そうですね、では、私の店までご案内いたします。こちらへ」



 ゴルドというらしい太った男に数分ほど案内されながら、あの現場から割と近くにあった奴隷商に辿り着いた。

 女の子は多少不安そうな様子こそ見せていたが、俺の手を掴んで大人しく付いてきている。

 そして応接間らしい部屋に通され、権利書を見せられた。セイン(道中で確認した)が確認したところ、確かにその権利書は正規の物であったらしい。

「一応、経緯は説明させていただきます」

「経緯というと、首輪の外れた奴隷が外にいた理由か?」

「そうです。三日前ですかね、その日の深夜なのですが、牢を破って脱走した奴隷が居るので御座います」

「それがそこの獣人だと?」

 セインの言葉を受けて視線を向けると、女の子がビクリと反応した。

「いえ、そうではありませんよ、兵隊様。牢を破ったのは別の奴隷ですが、その際追手を分散させるため、他の奴隷をまとめて逃がしたのです」

「……なるほどな」

「ええ、主犯以外は大体早い内に連れ戻せたのですが、それは数日逃げ延びた奴隷ということで……お客様にご迷惑をおかけしないよう、しっかり躾けなければという次第です」

「そういう理由なら、構わない。金貨一枚でいいんだよな?」

「はい。先程も言いましたように躾にかかる手間が浮くこと、躾けていない奴隷をお渡しすることを考えますと、今お渡しするなら、金貨一枚が妥当なところで御座います」

 相場がわからないので、どう反応するべきか迷うな。


「ただ、一つ、金貨一枚でお売りするに当たってお願いしたい点があるのですが、よろしいでしょうか」

 俺が考え込んでいると、ゴルドは別の言葉を続けた。気にはなるので、先を促してみる。

「なんだ?」

「いえ、当店で十分な教育を施せていない奴隷であることを把握しておいて欲しいだけで御座います。教育が不十分であるからと文句をお申しになられても困りますので」

「わかった。と、そうだ」

 妥当な話だと思ったので頷いた。ただ、もう一つ確認しておくべきかと女の子の方に顔を向ける。女の子の方もそれに気付いたのか、俺の方を見返してきた。

「これから俺は君を購入するつもりだが、君はそれで良いかい?」

 俺の発言に驚いたようだが、女の子は俺の方を見てはっきりと頷いた。俺はそれを見て「わかった」と言葉を返し、ゴルドとの交渉を再開する。

「では支払いをするので、購入の証明書を」

「ありがとうございます。それでは──」


 ただ単に金を払うだけではなく、書類にサインを書いたりと多少面倒はあったが、手続きは無事に終了。

 これでこの女の子は俺の所有物になった。…………字面(じづら)が凄いな!

 その後は、そもそも店に来る理由はなんだったかを思い出したので、奴隷用の首輪も購入した。

 奴隷の料金に含まれていなかった点は少しばかり腹立たしかったが、もうこれ以上ないだろうなと色々念押しした後で、料金として大銀貨一枚を支払った。

 少々高めな気はするが、国の認める正規品としては妥当な値段であるようだ。


 ちなみに、少なくともこの店が扱う奴隷の首輪は魔道具ではなく、何かを強制させるような機能や、懲罰として害を加えるような機能はないそうだ。

 他者を洗脳するような魔法が存在しないわけではないが、特定の行動だけを妨げるような判断能力は、こんな小ささでは付与できない。

 懲罰としては、この世界の魔法の属性と威力からして、どう足掻いても怪我をするような機能しか付与できない。

 怪我をしない範囲では、闇属性で装着者の魔法を妨げるぐらいだが──装着者が首輪の出力を上回れば発動ぐらいできるし、首輪を壊せば終わる話なんだとか。



 ゴルドの店を出てから、王都を歩く。

 奴隷の首輪は対応する鍵でちゃんと外せるかどうか、表面の粗さはどうかなど、ある程度確認してから女の子の首に装着した。

 首輪を着けている奴隷自体は王都を歩いていればそれなりに見かけた覚えがあるので、気にしない。

 ついでに、あまりにもぼさぼさだったので【固定】製の(くし)で軽く髪を()かしておく。硬い櫛だが、角ができないように気は使った甲斐あってか、毛が切れることはなかった。

 そして、女の子は店を出てからも大人しく俺に従ってくれているが、一応確認しておくことにする。

「あー、なんというか、店でも意思は確認したが、君を買ってしまって良かったのかな?」

「えと、はい。あのままだとどうなったかもわからないですし、いつ、どんな人に買われるかもわからないよりは、ずっと」

「……そんなもんかね? ええと、奴隷だよ?」

「はい」

 ……なんというか、達観してるもんだなぁ。

「あ、そうだ」

「どうしました? ご主人様」

「君をどう呼べばいいかと思ってね。書類には特徴しか書かれてなかったから」

 そんな書類で効果があるのかと思ったが、血液や指紋が一致するかを確認する魔道具の存在により、有効であるらしい。

 しかし、名前を聞かれた女の子は震えだした。……え、これ地雷? 名前を聞くのが地雷って、どんな状況だ?

「私、は……」

「大丈夫か?」

「は、はい。あの、昔は、エメリと呼ばれていましたけど……奴隷として売られる時に、この名前はもう名乗るなって」

「何か、特別な名前だったりとかしたのかな?」

「いえ、普通の名前でしたけど、その、毎日怒られてばかりでしたし……売られる時に、物に名前は不要だろうって言われて……」

「ふむ。…………あー……」

 頭をガシガシと掻きながら考える。

「?」

「選択肢を二つ提示する。一つ目、俺の下で生きる為の技術を身につけた後、平民として生きる道。二つ目、俺の下で奴隷として生きる道。どちらを選んでも罰等はないし、実現のための対価や実現後の負債もないと約束する。好きに選べ」

 選択肢を提示すると、考え込んでしまった。


 急かす場面でもないので大人しく意見がまとまるのをしばらく待っていると、女の子は顔を上げて、俺にしっかり視線を合わせた。

「……奴隷を選ばせてください」

「…………何故だ?」

「今まで私が生きてきた中で、ご主人様が一番優しくしてくれましたから」

「平民になれば、俺より優しくしてくれる奴と会えるかもしれないぞ?」

「……まず、ないと思います。もしあったとしても、ご主人様に助けてもらえなければなかった出会いです」

「助けたのは気まぐれだし、俺の下で、平民として生きる道もなくはないんだぞ?」

「助けられたのは事実ですし、ご主人様の下で生きるなら、どっちでも同じことじゃないですか?」

「……何かの拍子に、酷いことをするかもしれないよ?」

「元々、死にかけていた命です。そ、それでご主人様の気が済むな……ら……」

 殊勝な宣言をしているが、『酷いこと』を想像したのか、多少震えている。

「はぁ。そこまでの覚悟があるなら、仕方ない」

「……迷惑でした、か?」

「いや……まぁ、どちらかと言えば気楽ではある」

「なら、よかったです……」

 …………気楽なのは良いんだが、何故この子はこの流れで嬉しそうにするんだ?


 女の子は腹を空かせていたようなので、何か適当に買おうかとも思ったのだが──日が沈んでしばらく経ったせいか、市場のほとんどの店は販売を終えていて、購入できたのは干し肉とパンと酒ぐらいだった。

 そこまで買ったところで女の子の腹が鳴ったので、あまり目立たない路地に座り込んで買った食糧を食べさせながら、これからどうするかを考えてみる。

 飲食店に、あまり身綺麗ではない獣人の奴隷を連れ込む、というのは無駄な冒険臭がする。明日は朝のうちに主食類を買って料理に挑戦でもしてみるべきか?

 ……残金が金貨二枚を切ったところなので、狩りもする必要はありそうだが。

 というかどこに宿があるかなんて知らないから、安心して眠りたかったら城に帰る必要があるんだった。俺が認められている権限で連れ込めはするが、それもどうなのかと迷うところ。


 一応試してみたところ、王城の通用門の前で門番とひと悶着──あるかと思ったらそんな事はなく、魔道具の腕輪を貸与され、普通に入城できた。

「通行証を発行された初日に連れ込むなんて、なんともまぁ」

「成り行きですよ、自分から買いに行ったわけじゃありません」

「わかってるわかってる、うんうん」

「そのへんの流れはセインが一緒に居たんで、後で聞いてください」

「おう…………でも、嫌いじゃないんだろ?」

「…………まぁ」

 門番からは少しばかり冷やかされたが、逆の立場だったらと考えると……わからなくもない、か。

 猫の獣人だからというわけでもないが、なんだか『借りてきた猫』という例えが当てはまりそうな大人しい子の手を引いて自室に向かう。

 猫を借りた経験はないのでどんな風に大人しいかなんて知らないが、こんな風なんだろうか。



 あまり人に見られることもなく、俺に割り当てられている部屋に辿り着いた。

 使用人を呼び出す魔道具のベルも目に付くが、今使うのは止めておく。

「ってことで、ここが俺の拠点、というか借りてる部屋だな」

「え、と、ここ王様のお城ですよね? ご主人様って何者なんですか……?」

「王城に招かれた客人、ってとこかな。しばらくしたら大仕事はあるけど、それまでは結構な自由なんだ」

「ふぇぇ……それで、ここで何を?」

 顔を近付けて匂いを嗅いで、頭を撫でてみる。うん。

 女の子の評価としてはあれだが、臭い。ついでにやはりというか、触り心地もそこはかとなく脂っぽい。

 多少落とさせたとはいえ、泥の汚れもまだまだ付いている。

「とりあえず、君はお風呂だな」

「あ、うぅ、で、でも、ほら、ご主人様より先にお風呂を使うわけにはいかないと言いますかですね?」

「ああ、奴隷っていうとそんな感じになるのか。じゃあ、一緒に入ろうか」

「え、う、うええええっ!?」

「構わないだろう? その方が都合が良い理由もいくつか思い出したし」

「えう、あう、はい」

「じゃあ…………そこの扉の中だから、先に入ってて」

 バスタブと洗面台とトイレが設置された部屋に送り出してから、宝箱のような形のチェストを開き、中のマイバッグから目的の物を取り出す。

 続いて先程女の子が入った、風呂に繋がる扉の前(・・・)で服を脱いで洗濯籠に放り込み、タオルを二枚持っていく。

 ……さあ、がっつり洗ってやろうかね。


 タオルの一枚を腰に巻いてからドアを開くと、女の子は俺が服を脱いでいたことに驚いたようだった。

 そういえばバスタブには水が溜まっていない……いや、丁度いいか。

「それじゃ、まず靴を……いや、サンダルみたいなもんか? とにかくほら、脱いだ脱いだ」

「は、裸、へ、は、はい」

「サンダルを脱いだらそこのバスタブに入って服を全部脱いでー、脱いだ服はこの銀色(・・)の器に入れてね。洗うのには邪魔だから首輪は外すけど、腕輪はそのままかな」

 指示を出しながら、【固定】で服を入れる容器を作る。今回銀色なのは、見えない容器に入れるという無茶な指示を出さないために、光が通れないように固定したからだ。

 光が一切入り込めない容器というのは、何やら光が全反射されるらしく、銀色になる。光を通さない範囲は若干粗めにしたので、金属的な光沢はない。

 ついでに洗面台の方にも容器を作って、五リットルほどの水を溜めて、魔道具で人肌程度の温度にする。こちらの容器は透明なままである。

 お湯にした後は、洗濯物入りの容器にも水を注いで、お湯にしていく。温度は同程度だ。


「ちょっとこのお湯に触ってみて。熱いようならもう少し温度は下げるよ」

 湯が沸いたので、洗濯物が入っていない方のお湯を触らせてみた。

「大丈夫です、けど、このお湯で体を洗うんですか?」

「そのつもりだが、何か問題でもあったか?」

「えっと、どんな洗い方をするのか聞いても?」

「……まずは片手だけやってみようか」

 俺はそこまで言ってから手を差し出し、女の子が手を出してくれるのを待つ。

 しばらく迷った様子を見せた後、恐る恐る伸ばしてきたので、差し出された腕の周りに大きな手袋のような形に【固定】の枠を作る。

 枠ができたら、小さめの洗面器のような形の器も作ってお湯を汲み、女の子の腕が突っ込まれている先程の枠に注ぐ。そのまま漏れ出ないように出入り口を塞いで、手を離した。

 全体の見た目としては、分厚い水の手袋をしているような感じになった。女の子は不思議そうに、中で自分の毛が揺れるそれを触っている。

「表面は、固いですね……不思議……」

「じゃあわかったところで、暴れないでね。よっと」

「ひゃっ」


 バスタブの上に抱え上げ、仰向けに寝転がるような体勢を取らせた後で、全身が入る枠を作って湯を注ぐ。

 先に少し見せていただけあって、あまり暴れなかった。

 腰の後ろ辺りに水流を発生させるスクリュー(人力)を取り付け、適当に入出口を作って水流を作り、さっと洗う。

 水の流れの集中する箇所を作り、折りたたんだタオルを通りぬけるようにして濾過しながら洗っている内に汚れも減り、この子も落ち着いたようだった。

 一旦手を止め、「ふぇへえぇぇ……」と変な声を上げている子の上半身を起こさせる。

 チェストから取り出し、持ち込んでいた『シャンプーの詰め替え用パック』の注ぎ口を切りながら──

「そういえば、獣人族がどんな人種なのかをあんまり知らないんだけど、君の鼻って結構匂いには敏感なのかな?」

「え、と、それはまぁ、ぼ……人族の方と比べれば、割と」

「……『ぼ』? じゃあダメな匂いだったら言ってね、洗ってる間は鼻を塞いでてあげるから」

「ああ、使うのは決まってるんですね……その、つるつるした袋に入っている物でしょうか」

「そうそう。ボトルが無いのはちょっと不満なんだけどね……匂いはどう?」

 手に取ったシャンプーを嗅がせてみる。量は、ボトルの蓋を二回押し込んだぐらい。用が済んだ詰め替え用パックの口はちゃんと【固定】で塞いである。

「変な感じですけど、耐えられないほど臭くはない、ですね」

「それはよかった。これは毛を洗うために調整された石鹸でね、目に入ったら染みるから、暴れちゃだめだよ?」

「は、はい……」

 中々に年季が入った皮脂なのか、泡立ちはあまりよろしくない。

 頭髪はそこまで長くはないが、体毛の生えている範囲が地味に広いので、洗い残しがないように気を付けながら洗う。

 獣耳にはお湯が入らないように気をつけながら、人間のような耳がない側頭部も洗っていく。


 途中で時々ノミかシラミの類も見つかったので、ついでだからと卵も含めてしっかり取り除く。

 具体的には数えていないが、片手で数えるのは面倒な量だった。

「結構居るなぁ。ほら、見てみ?」

 空気を【固定】で両面を凸型にしたレンズのような形に固め、水を注いで簡易な虫眼鏡を作り、見せてみる。

「え、この白いのって、うええっ?」

「人に寄生する小さい虫の代表格、ノミかシラミあたりの何かだな。じっくり見たのは初めてだろうけど」

「それは、はい。これが居るとどうなるんです?」

「基本的には、これが居る辺りが痒くなるぐらいかな。ただ、病気を人に感染させる原因になることもある。病気はわかる?」

「はい、わかりますけど」

「簡単に言うと、これよりもっともっと小さな悪い生き物を体の中で飼ってることもあって、そういう虫が人に噛みつくと病気になったりするんだ。勿論、全部の病気がそうではないし、この虫がそうだと決まったわけでもないよ?」

「へぇー……」


「ふいー」

「へふ……」

 そんなこんなで洗い進め、現在は二人とも『お湯の服』を着て、空のバスタブの中で寛いでいる、ような状態。

 お湯をケチりすぎて貧乏臭い気はするが、『利用者の体格通りに作った使い捨ての浴槽』で入浴していると考えれば、とても金がかかってそうな気はする。というより、【固定】なしに再現しようとすればどうしてもお高くなる。

 あと、当然のこととして、心拍数や血圧は確認(モニター)しながら温度を微調整している。結果、体調に問題はなし。ついでに、寛いでくれてもいるようである。

FAQ

 Q.今回話長くね?

 A.仕様です。


 Q.主人公って、E○?

 A.【固定】で極一部に通じる動脈だけを、任意に閉じたりもできるんです。


 Q.片手で数えるのが面倒? 5じゃないの?

 A.手の関節は、各指三個(手首の近くの親指の付け根を含む)と手首。3 x 5 + 1 = 16。単純な二進法でも 2 ^ 16 = 65536 種類まで数値を表せなくはありません。勿論、普通には無理ですが。

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