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寝顔が好きだけど
「久恵ちゃんの寝顔が好きだ。夜中に目が覚めることがあるけれど、薄明りを点けて、寝顔を見ていると自然に時間が経って、また眠りに落ちてしまう。
いつもは、安心しきった穏やかな顔をしているけど、ときどき眉をひそめて、困ったような顔をする時があるが、髪をなでてやったりすると、穏やかな顔になる。
また、疲れているのか、チョットだらしなく、口を開けて寝ているときもある。そういうときは、大概、よだれをたらしている。それを口で吸いとる。これが甘くておいしい」
「寝顔を見られてるんだ。チョット恥ずかしいけど、見守ってくれていてうれしい」
今日は、困ったような顔をしたので、いつものように髪をなでてやっていると、パッと目を開いて、「もう一度して」という。
どうしたのと聞くと、途中で「おしまい」と止められた夢を見たという。はじめのころ、痛がるので途中で随分やめていたけど、やっぱり最後までしてほしかったんだなと思った。
それで、ご希望どおりに。
朝、久恵ちゃんは「からだがだるい。腰がだるい。仕事に行きたくない。やっぱり、夜中にもう一回するのは休日の前でないとだめなのが分かった。休日なら余韻を楽しんで朝寝していられる」と言ってしぶしぶ起上った。
こっちも疲れた。心地よい疲労とまで行かない疲労感。




