七月
高校生。三門透は不運だ。
彼自身も自覚しているが、不運は歳を取るにつれてハードになっていった。
小学生の頃なら川に落ちた、体操着忘れた、ぐらいだったが高校生になった今、不運はレベルアップしていた。携帯が運動部の練習で飛んできたボールで大破したり、ただ保健室に行こうとしただけなのにその場所に呼び出されたであろう女子に「ごめんムリ」の五文字で振られたり。
怪我などはないが精神的に透は結構来ていた。
「11、12、13…」
「透〜。まだ数えてんの〜?」
そう言う彼は透の友達である三上浩介だ
「しゃーない。今日が提出なのに数が足りなかったら単位逃すからな。」
そう言い透は数えたプリントを揃えながら言った。
「ん?終わったのか?」
浩介が聞いた
「そんなわけあるか。またいつも通り足りなかったよ。ハァ…職員室に取りに行かなきゃ…」
「お前呪われてるだろ。多分宿題の呪いとかに。」
浩介はそう言う
「まぁ、今週で今学期も終わりなんだから頑張ろうぜー。今日はちょっと早めに帰らなきゃまずいから先帰っとくわ。お先ー。」
そう言い残し浩介は去っていった。
「あーもう。終わんねーー。」
透は終わりの見えない宿題に絶望しながら喚いた。
透は神にも縋る思いで
「頼むから誰か手伝ってくれよお…」
と言った。その直後に廊下で足跡がした。
透は先生の足音だと思い、やっている風に見せかける為宿題を見た
ガララッと教室のドアを開けた所にいたのは見知らぬ女子生徒だった。
透は自分と同じ高校の服を着ているため先輩かと思って挨拶しようとしたが
「君が三門透で合ってる?」
と言われたため
「あ、そうです。」
少し下手に出ながら答えた。
女子生徒は透を一瞥して少しため息を吐いて言った
「私は隣の組の空野楓。宿題の手伝いを頼まれて来たの。」
透はきょとんとしていた。さっき職員室に行った時には彼女は居なかったのだが入れ違いだったのだろう。そう思い透も自己紹介しておいた
「どうも、三門透です。手伝ってくれるのはありがたいですね、お願いしますよ。」
そう言い退屈な宿題が少し不思議な時間に変わった。




