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躍兵  作者: MiL
1/8

プロローグ

深夜。氷点下に近い温度の中、店の明かりも消えた街道を歩く一人の青年。

重ね着の中にも冷たい風が入って、身震いするが足取りは変わらず、ずっと同じペースで歩いている。


彼の手袋は片方しかなく、片方をぶらんと気怠けに揺らしている。

その手からは真紅の液体が落ちていた。

彼はそれでも歩いていた。


彼の顔は見えない。ただ、歩く姿が彼の気持ちを物語っていた。

憤怒ともいえるだろう。

悲壮ともいえるだろう。

しかし分かる。

彼は泣いている。


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