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カミングスーン

 弓桁朱琴さん17歳のお祝いにかこつけ、なろうの花・異世界転生の物語を

プロットに沿って試し書きです。

 高2のアコは謎のアプリのチュートリアルを解いてしまったために、

転生の女神ヨコに召喚されてしまいます。一方的に使命を告げられ送り出された先には

凛々しい女戦士ライリーが!?


  カミング・スーン


 あぁあ…こいつ。さっきたやつだ。

 アコは怪物の名を知っている。

 種族名・人熊ひとくま、序盤の強敵だ。


 1時間ほど前、アコこと揚田弓子アゲタ・ユミコ

放課後の部室でゲームアプリのチュートリアルを

主に親指ひとつで快適にスマートにすいすいこなしていた。

「ほら先輩、こんなん軽いっすよ。」

「あんた凄いね、これワケわかんない謎のゲームって

けっこうみんな手を焼いてるんだよ。」

 アコと先輩がきょうじていたのは

ろくにプレイ方法の説明もない、メーカーも今ひとつ判然としない、

そんな得体のしれないスマホゲームだった。

「これもうチュートリアル達成しますね、

あとここ着いて門くぐるだけ。」

 そこで先輩に声がかかった。

「井上、ちょっと。」

「あ、はい。アゲタ、ちょっと待ってて。

一緒に帰ろ。」

「うーっっす。」

 画面から目を離さずにアコが声だけでこたえる。

 17歳になったばかりの、ありふれた高2の夏休み前。

 二個上の井上先輩が戻ってきたらすぐ帰れるよう、

アコはゲームを切りのいいところまで済ませることに

していた。

 これで、はいクリアー!

 アコの操るキャラクターが画面上の門をくぐった瞬間

 ーチュートリアル、クリア。プレイ可能と

確認しました。

 ナレーションが、アコの頭に響く。そう、

音声でも、画面表示でもなく、いわゆる

「脳に直接」

 という、アレだ。

 アコは瞬時になにごとかを察して、あおざめた。

 これはあれだ、こうきたらつまり、次に来るのは。

 あんじょう、アコを囲む日常の風景がにわかに溶け出し、

教室の床が溶けて大穴になり、赤黒い空間に

吸い込まれるように落ちていくアコ。

「せんぱーーーーーーい、助けてええぇえええ!!!!!!」

 その声ももう元の日常の空間に届かず、

なすすべもなく落ちていくアコ。

「アゲタ、おまたせー。」

 ほどなく戻ってきた井上ハルが部室の引き戸を

開けた先には、もう誰も残っていなかった。

「…あれ?」



 次にアコが上下を知覚ちかくして立ち上がったのは、

 「人熊ひとくま」の目の前、では、

まだなくて。

 そこは、先ほどの赤黒い時空ともまた違う、どこまでも何もない、真っ白な世界。

 そして、目の前に神話の女神ドレスのような姿の

小柄で愛くるしいお姉さんがにこにこと立っている。

「試練の達成、おめでとうございまーす。

あなたは見事、世界を救う勇者「Getter」に

選ばれましたー。

「げったー!?」

「はい。あなたはこれから、あなたが今までいた場所から見て、

いわば異世界という場所へと派遣はけんされます。」

 きたよ。これだよ。異世界。

「なに安直アンチョクな展開してんすか!

 てかお姉さん誰ですか!!」

「あ、自己紹介が遅れました。私、転生の女神を

つとめております女神ヨコと申します。」

「ヨコさん?」

「ヨコちゃんでもよくてよ。」

「ヨコやんあのな、キャンセル。解約。

 やんないから、このゲーム。無理やり契約押しつけんなら、

うったえるよ?」

「ヨコやん、てのは、どうなのかなあ。」

「可愛いよ、あってるよ!それよりもう終わるから。

先輩待たせてるから、帰して?ほか当たって!!」

「あ、帰る場合はですね、使命を達成していただいて。

 それからの選択肢となります。」

「選択肢?」

「はい。使命を達成した者は、救った世界を支配するか、あるいはただ元の世界へ帰れるか

 そのふたつのうちのひとつを権利として手に入れられます。」

「やんないから。使命とか、理不尽りふじんにも程があるでしょ!」

「あら。神さまとかたいがい理不尽なものなんですよ?

 ご存じない?」

ひらき直りやがった!!」

「これでもこちらだって近年きんねん改革が進みましてね、

一時期はほんと理不尽と残忍の極み。

 目をつけた標的をかたっぱしからトラックで」

「標的って言った!?」

「でもそれじゃあ向き不向きも見極みきわめられないってことで

 今どきのひとに人気なゲームアプリってもので

適正まで見定みさだめてからの選定となったのですよ?」

「それまでは、そうですらなかったってことなの!?」

 アコは、形而上けいじじょうの存在たちが、

いかにぞんざいに我等われらか弱き人類をもてあそぶものか、

我が身をもって実感した。

 図書室で気まぐれにながめ読みしたギリシャ神話の本などで、

神さまの中にもヒドイ奴らっているもんだなあ、と

思ったことはあったが。

「まあ異世界行ってもらってですね。

 あとはもう、あのチュートリアルをこなせた人なら、

まあまあどうにかなるかなって」

 かな、って。じゃないんだよ。

それに、「あのチュートリアル」って言い回し。

 やっぱ制作側から見ても厄介な仕上がり、て

認識なんじゃんさ!?

「どうにもならなかったらどうするんですか。」

「そん時はですね、次のひとを…じゃなくて

ええっと」

 げふんげふん、とせき込んでみせる女神ヨコ。

「そのスマホ持っておいてください、お問い合わせ欄から対応しますので。」

「向こうに電源あるんすか!?」

「充電切れないようにしとくから。てか、

もう行く前提の質問になったよね?覚悟決まったと

みなしていい感じよね。」

 なんてやつだ。でもまあこれもう抵抗しても

無駄な感じはじんじん伝わってくる。

 やるしかないんじゃないのかな。」

 アコは、自分の勘の良さがうらめしくなる時がある。

 例えば、今なんかがそんな時だ。

「じゃあ向こうへの門を開くね。」

「待ってよ、具体的に何すんのあたし!?」

「アッそうだった。あのね。あなたが今から行く世界には

これから世界を統治とうちする「三魔王さんまおう」になる運命の怪物たちがいるの。」

「さんま王?」

「さんまさんじゃなくて。三匹の魔王。

 勇者Getterはその三匹の魔王を、

自分で定めて魔王としての使命をさずけるのよ。

 誰が、あるいはどれが魔王なのかはまだ決まってなくて、

あくまでも勇者Getterがそれを決めるの。

 そして、その選択が正解であれば世界は救われるし、

その時初めて勇者が正しい運命を掴みとったということになるわけ。」

「そんなの先にどれが魔王なのか教えといてくださいよ。」

「だから。勇者が決めるまでは正解なんて決まってないんだってば。」

「神さまの権限、充分じゃなくない?

 そこ、人間の勇者が決めちゃっていいの!?」

「だから、本来神さまの権利であるところを

人間にも権限分け与えてるってことでしょ!}

 本当にもう、ああ言えばこう言う!

「えっ!?待って、これやたらプレイ時間長くならないっすか!?」

 アコの勘の良さがまたもや過酷かこくな事実を会話の上に導く。

「あ、えーとね、帰るを選択すると消えた時点の

時空と肉体に戻るかたちも選択できるから。

 その場合でも異世界の記憶と知識は残るし。」

 つまりあれか、むこう行って来てから帰った先では

ループみたいなことになるのか。

「おっ色々理解できた顔してるじゃなーい。 それじゃもんひらくね。」

「てかさ、ヨコちゃんこれ何度め?」

「ん?あたしは初めて。引き継ぎしたとこ。

 それじゃ行ってらっしゃーい!」

 ふ、と白い空間が消え、今度は青空に放り出されるアコ。

「え!?いや高い高い高いあーーーーーーーれーーーーーーー!!!!」

 どすーん!てほどでもなく、するーんという感じで軟着陸するアコの身体。

 そこはどうやら晴れた山道やまみちで、

アコの目の前にいるのは…。

 そう。ここで物語は冒頭に戻る。

 巨大な、そして名の通りの姿をした怪物。

チュートリアルにおける中ボスクラス、人熊ひとくまだ。


 ーどうしよう、攻撃?てか武器ない?

 呪文、は、えっと選択肢で選んでたから名前覚えてないし。

 アコが腰を抜かしたまま人熊を見上げていると、

凛々(りり)しい女性の声が響き渡った。

 「射手!整列、構え。」

 声の方を振り向くと、見るからにキリっとうるわしい女戦士が

戦闘団の指揮しきっている。

「娘、伏せろ!」

 勘のいいアコが慌てて地面にうつぶせに貼りつき、

両腕で頭をおおう。

ーーーーーーーっ!!!」

 アコの頭の上をビュンビュンと空気を切り裂く気配が無数に行き過ぎ、

アコのその先で肉に刺さる気配の音が次々に

どすどすと鳴り続ける。

「グオオオォオオオオオオ!!」

 怨念のこもった恐ろしい咆哮ほうこうが、

しかし断末魔だんまつまとはならずに

まだ立ち続けている気配が分かる。

「射手、第二陣!はなて!!」

 先ほどが第一陣で、交代したのだろう。

 戦闘団はなかなかの規模きぼなのではないか。

 しかし、やはり怪物の気配は途絶えない。

 これ、まずくないか?あたし真っ先に踏まれる?

 もうおしまい?

 その時、アコの身体が持ち上げられ、道のわきに

押し込まれた。

 温かく、どこかなまめかしい感触。

 アコが草むらの中で顔をあげると、先ほどの女戦士のどアップと目が合った。

 思ってたより、はるかに若い。

「私は自警団長のライリー。お前は旅人たびびとか?」

 らいりー。なんだろう。なんでか懐かしい。

「あ、あたしアコです。さっきげったーになったとこです。」

「なに!?」

 道のほうでは、弓を手離し剣を抜いた自警団の戦士たちが

支援の射手組と共に死闘を続けている。

「総員、応戦しつつ散開!勝とうと思うな、

牽制して退避!!」

 アコの頭を低く押さえながら、らいりー隊長が

指令を出す。どうにも旗色はたいろがよくない。

「奥の手だ。盟約に応じよ!山頂の覇者!」

 らいりーが首に下げた鉱物をかざし、

集めた陽光を盛大に反射すると。

 ほどなく、何か大きめな飛翔物が飛来して、

人熊の頭に一撃を加えた。

 仰向けに転倒する人熊。その胴には腹側に

無数の矢が突き刺さって、まるでねじれたハリネズミのようだ。

 その人熊ほどではなくても人間の背丈よりは

ずっと大きく、更に二枚の大きな翼。

 重厚に着地するその人型の雄姿は、翼のほかには

頭部とすねから先の足首が、わしなどの

猛禽もうきんのそれだ。

 らいりーが召喚した自警団の奥の手。

 それは、雄々(おお)しく頼もしい、

精悍せいかんな鳥人だった。

 尚も起き上がる人熊と距離をとった位置で、

翼の間に背負った大剣をずらりと抜き、

かまえる。

「あいつだ…。」

 草むらのアコがつぶやく。

「えっ?」

 いぶかるらいりーにアコが言葉を続ける。

「第一の魔王。もう決めた。だって、カッコいいもん。」


  カミングスーン、まずはここまでの巻。

このカミングスーンは、いわばロマンスドーンのようなものであり、

はたまたビギニングのようでもあり。(あるいは過狩り狩り?)

 本編を書き始められるとしたら、その時はカミングスーンではなく、本来のタイトルで。

 リスタートとなるか、それともこのカミングスーンありきで続きの場面から始めるかは、

まだ未定です。


 夕方に思い立って、日付の変わらぬうちに送信することに致しました。

 げったー弓桁さん17歳おめでとう!えりぽんさんご卒業おめでとう!

 えりぽんさんりあいさんかわむーさんが昨日、今日はひのはさんもハピバ!

 リトキャメ周年祝♪に、北りおさん待ってるよ!に他にも色々

 私なりた*は、ハロプロと創作をこよなく愛しております!


 ではまたシーユゥサムデイ、ドロン☆&ケロン☆

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