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066.アラン・クレスト

 応接室の空気は冷たく、明け方の静けさが部屋全体を包んでいた。窓の外には、まだ青白い闇が広がっている。私――ロベリアは、ソファに横たわる青年の顔をじっと見つめていた。ソファに横たわる青年は、相変わらず目を覚まさないままだった。白い髪は汗で張り付き、青ざめた顔がますますその命の危うさを際立たせている。かすかに上下する胸は、細い息を繋ぎ止めるかのようだった。

 その横で、老人――バーナード先生というらしい――が椅子に腰掛けていた。彼は杖を軽く床に突きながら、静かに目を閉じている。その姿は一見落ち着いているように見えるが、深く刻まれた眉間の皺が彼の思考の重さを物語っていた。

 私の隣には誰もいない。ヴェルナードさんは印刷部の手伝いに行っており、時折様子を見に戻ってくるが、今はここにはいない。そして、ハレックとアーレンはというと、揃って仮眠室に向かって行ったのだ。青年の状態が判明した時点で「寝る」とだけ言い残し、さっさと応接室を出て行ったのだ。二人の後ろ姿を思い出し、私は思わずため息をつく。


(あの二人、神経が図太いなぁ……)


 その時、椅子に座ったまま目を閉じていたバーナード先生が、不意に口を開いた。


「お前さんがずっとそばについているようじゃが、少しは休め。この青年が目を覚ますのに、まだ時間がかかるかもしれん」

「……ありがとうございます、でも、もう少しだけここにいます」


 私はそう返し、改めて彼に軽く頭を下げた。

 バーナード先生はそれ以上何も言わず、再び杖をついて沈黙した。私は椅子の背もたれに寄りかかりながら、窓の外の闇を見つめる。いくら目を凝らしても、朝焼けの気配はまだ見えない。

 その時、応接室の扉が静かに開き、ポートリーが顔を覗かせた。印刷部からの作業の合間に様子を見に来たのだろう。


「ロベリア、その子大丈夫そう?」

「いえ、まだ目を覚ましません。ただ、呼吸は少し落ち着いているように見えます」


 私が答えると、ポートリーは軽く眉を寄せて頷いた。


「そっか……。また仕事に戻るけど、何かあったらすぐ呼んでねぇ」

「分かりました。ありがとうございます」


 その時、廊下の方から別の足音が聞こえてきた。印刷部での作業を終えたヴェルナードさんが戻ってきた。彼は手にインクで汚れた布を握り、少し疲れた表情を浮かべている。


「何か……変わりましたか?」

「いいえ、まだです」


 ヴェルナードさんは頷き、目を閉じた青年を見つめた。その視線には心配と憂いが浮かんでいる。


「……ここにいてもいいですか?」


 彼が静かにそう言った。私は小さく微笑んで頷く。


「もちろんです。助かります」


 彼はそのまま椅子を引き寄せ、私の隣に腰を下ろした。バーナード先生がちらりとヴェルナードさんを見たが、特に言葉を交わすことはなく、再び沈黙が戻る。

 応接室には、杖をついたバーナード先生と青白い顔の青年。それを見守る私たちだけが残っていた。


(頼むから……早く目を覚まして)


 私はそう心の中で祈りながら、再び青年の顔を見つめた。



 ◆



 明け方、応接室の静けさを引き裂くような叫び声が響いた。

 その声に、俺は反射的に目を見開いた。昨夜からずっと張り詰めていた緊張感が、一気に爆発するような音だった。俺は瞬時に青年の方へ視線を向けた。


「うわああああああああっ! ああ、ああああああっ!」


 ソファに横たわっていた青年が突然暴れ出し、全身を震わせながら上体を起こそうともがいていた。その声は絶叫にも似ており、苦しさと恐怖が入り混じったもので、部屋全体に響き渡る。俺はその音に反射的に体を動かし、すぐに彼の元へ駆け寄った。

 青年の目は虚ろに泳ぎ、汗で濡れた顔が蒼白になっている。息遣いは荒く、喉からは掠れたうめき声が漏れていた。彼の視線は応接室の壁や天井を這い回るように動き続け、何かを探し求めるような様子だが、その目には焦点が合っていない。


「どこだ……ここはどこだ!? 死ぬ……俺は死ぬのか!?」


 掠れた声で叫びながら、彼は無意識に腕を振り回し、ソファから転がり落ちそうになるほど体を捩らせている。動くたびに腹部の傷が痛むのか、苦しげに短い悲鳴を上げた。


「やめろ! 動くな!」


 俺はすぐさま青年の肩を掴み、彼の体を押さえようとした。だが、彼は無理やり体を捩って抵抗し、足を蹴り上げて床を叩きつけた。その拍子にソファが大きく揺れ、足元が床に叩きつけられるような音が響いた。布地が軋む音が耳に刺さり、ソファそのものが倒れるのではないかと思うほどだ。


「来るな……来るな! 近づくなあああ!」

「落ち着いて!」


 声はもはや理性を失った絶叫そのもので、彼の体から発せられる激しい震えが、俺の手を通じて伝わってくる。俺は短く声をかけ、彼を押さえ込むようにして動きを制止する。だが、その目は恐怖に染まり、俺の顔すら認識していないようだった。

 ソファの横でロベリアさんが声を上げる。


「ここは安全な場所です! 落ち着いてください!」


 彼女の声は柔らかいながらも、どこか鋭さを含んでいた。その言葉に、青年は動きを止め、かすかに彼女の方に顔を向けた。だが、まだ震えは止まらない。青年の目が一瞬だけロベリアさんを捉えたように見えたが、すぐにまた焦点の定まらない視線を宙に彷徨わせた。肩を掴む俺の手が押し戻されそうなほど、彼の体はまだ震え、荒い息が応接室の静けさをかき乱している。


「だ、大丈夫です。ここは安全ですから……誰も、あなたを傷つけたりはしません」


 俺はできるだけ静かな声で語りかけた。彼の肩にかけた手にわずかに力を込め、逃がさないようにしながらも、余計な痛みを与えないよう注意した。その時、俺の視線が彼の腹に走る。血の染みが広がった布地が痛々しい。彼が無理に体を動かすたびに、その傷がさらに悪化しているように見えた。

 ロベリアさんが素早く近くの椅子から毛布を取ると、それを彼の肩にそっとかけた。


「息を整えてください。深呼吸するんです、大きく吸って、吐いて……そう、ゆっくりと」


 彼女の声は今度は落ち着いたもので、部屋に漂う緊張を少し和らげるようだった。その声に反応してか、青年は震えながらも僅かに肩を上下させ、浅かった呼吸を少しだけ深めようとする。


「そうです……ゆっくりでいいので、落ち着いてください」


 俺も彼の動きを邪魔しないよう、抑え込んでいた力をわずかに緩めた。彼の息遣いはまだ荒いが、先ほどのような絶叫は止まり、喉の奥で短い嗚咽を繰り返している。毛布が彼の体にかけられたまま、少しずつ震えが収まっていくのが分かった。

 やがて、青年の動きが止まり、荒い息の音だけが部屋に響いた。彼の虚ろだった目が少しずつ焦点を取り戻し、俺の顔を見上げて固まる。


「……俺は、今、どこにいる?」


 掠れた声がぽつりと漏れた。恐怖と混乱がまだその声に残っているが、先ほどのような狂乱は収まっていた。


「ここはカリストリア聖王国通信社です……あなたは、ここで保護されています」


 俺は静かに答えた。彼はその言葉を飲み込むように黙り込み、視線を落とす。荒い息遣いはまだ完全には収まっていないが、徐々に呼吸のリズムが整ってきているのが分かった。

 ロベリアさんが一歩近づき、優しい声をかけた。


「私たちがあなたを救助したんです。安全な場所ですから、心配しないでください」


 その声に、彼は再び顔を上げ、今度はロベリアさんの目をじっと見つめた。その目にはまだ怯えが残っているが、少なくとも理性が戻りつつある兆しが見えた。


「……救助した……?」


 彼は小さく頷き、肩の力を抜くようにしてゆっくりとソファに身を沈めた。毛布が肩からずり落ちそうになると、彼はそれをぎこちなく手で直した。その様子に、俺もようやく息をつく。


「そっか、良かった……ああ、もう……殺されるのかと思った……! 怖かった……!」


 青年が肩を震わせながら、掠れた声でそう呟いた。その目には未だ怯えが宿り、顔には薄い汗が滲んでいる。彼の言葉には、体験した恐怖の余韻が色濃く残っていた。


「あなたの恐怖は当然です。でも、もう大丈夫です。ここは安全な場所ですよ」


 ロベリアさんがそう言いながら、そっと彼の肩に触れる。その手つきには、彼を安心させようとする優しさが滲んでいた。青年はその言葉に少しだけ安堵したように頷いたが、目はまだどこか不安げだった。


「私たちは、あなたに施されたような、魔術の実験に関して取材をしている、記者と……その、協力者です。私はロベリア・フィンリーと言います。こちらの方は……」


 ロベリアさんが自らを名乗り、俺の方に視線を向けた。その目は、俺に言葉を促している。名乗らなくてはいけない――そう思い、俺は少し緊張しながら口を開いた。


「ヴァリク・ヴェルナードと言います。子供の頃に、あなたと同じ魔術実験を施された……と思います」


 自分の言葉が、空気に溶けて広がるような感覚を覚えた。その場に漂う静寂が一瞬濃くなったように感じる。青年は目を見開き、俺をまじまじと見つめてきた。その視線に、思わず居心地の悪さを感じ、目を逸らしかけたその時――。


「あ……」


 青年が小さく声を漏らした。その声には驚きが混じり、次第に動揺が色濃く浮かんでいく。


「お、お前……! 囚人! よく見たら、こっちのはあの時の変な女!」


 青年の突然の言葉に、ロベリアさんが驚いたように眉を上げた。彼の言葉が、部屋に軽い混乱を持ち込む。


「……え?」


 ロベリアさんが短く応じると、青年は興奮気味に身を乗り出してきた。その動きで肩からかけられていた毛布がずり落ちる。彼の目には、記憶を掘り返すような鋭い光が宿っていた。


「ヴァリク……ヴァリクって、あの時の話はそういうことだったのか……! 実験の首謀者みたいな、ヤバい女の話……!」


 青年の言葉が終わると同時に、俺の胸がぎゅっと締め付けられるような感覚が襲った。俺の中で言いようのない苛立ちと焦燥感が入り混じる。青年の目は真剣そのもので、こちらの返答を待ち構えるようにじっと見つめていた。

 ロベリアさんも一瞬言葉を失い、軽く息を吸い込んでから青年に向き直った。


「落ち着いてください。その話を詳しく聞かせていただけますか?」

「……すまんが、その前にちょっと診察だけさせてくれんかのお」


 医者のバーナード先生が杖を支えによろよろと立ち上がり、青年の肩を軽く押してソファに深く座らせた。青年はまだ怯えた表情を浮かべていたが、バーナード先生の動きにはどこか安心感があるのか、特に抵抗はしなかった。


「ちょっとの間、じっとしておってくれよ」


 バーナード先生はそう呟きながら、慎重な動きで診察を始めた。瞼をめくり、舌を出させ、口内を確認し、手首に触れて脈拍を測る。その指先の動きは無駄がなく、長年の経験を感じさせるものだった。だが、その顔には徐々に困惑が浮かび上がっていく。特に青年の腹の傷に視線を向けた瞬間、彼の眉間には深い皺が刻まれた。


「……もう塞がりかけとる。どうなっとるんじゃ」


 彼の声には驚きが滲んでいた。その呟きは、部屋にいる全員に向けられたもののように響く。俺はその言葉を聞きながら、目の前の青年の状態に再び目を向けた。確かに、腹に走る大きな傷は、確かに塞がりかけているように見える。しかし、俺にはその状態が完全に普通ではないことが分かっていた。

 青年の傷の治り方は、明らかに常識から逸脱している。だが――それでも俺たち被験者の「異常」と比べると、その回復力は緩やかに思えた。


(俺たちより治りが遅い……)


 胸の中でぼんやりとそんなことを考えながら、俺は再び青年の顔に視線を移す。青ざめた彼の顔色は、相変わらず生命の危うさを感じさせた。その傷が塞がりつつあるのに、彼の体全体から漂う不安定さは隠しきれない。


「……ひとまずは様子見じゃな。こやつに何かあれば、すぐに呼べ。医術集会については、話がまとまったら、そっちの嬢ちゃんをわしの弟子として参加させるようにするから、待っとれ」


 バーナード先生は杖を軽く突きながら、疲れた表情でそう言った。老人の皺だらけの顔には、微かに憂いが浮かんでいる。


「わかりました。ありがとうございました、先生」


 ロベリアさんが深く頭を下げる。俺もそれに倣い、軽く礼をした。


「おい、ポートリー! わしを送ってくれ。こんな時間に引っ張り出されたせいで、足腰ががたがたなんじゃ」


 ちょうど印刷部の作業を終えたばかりのポートリーさんが、部屋の入り口で慌てて応じる。


「あ、はい! 先生、お疲れさまでした。すぐお送りしますから、こちらへ……!」


 ポートリーは急いでバーナード先生の腕を支えながら、慎重に歩を進める。その際、部屋に残った俺たちに振り返り、小さく手を振って口を開いた。


「えっと、何かあったら呼んでねぇ。僕、夕方過ぎにはまた出勤するから……本当にお疲れさま! 頑張って!」

「ありがとうございます。気をつけて帰ってくださいね」


 その言葉に、ロベリアさんが軽く微笑みながら頷く。

 ポートリーさんはバーナード先生を支えつつ、「またね!」と明るい声を残しながら応接室を出て行った。廊下を進む足音が徐々に遠ざかっていき、その後ろ姿が完全に見えなくなると、部屋には再び静寂が戻る。


 しばらくの後、バーナード先生と入れ替わるようにして、編集長のトーマスさんが新聞社に出社してきた。


「おはよう。朝早くから何を騒いでいるんだ?」


 部屋に入ってきたトーマスさんの姿を見て、ロベリアさんが小走りで駆け寄る。彼女は手短に昨夜の出来事を説明した。トーマスさんは彼女の言葉にじっと耳を傾けながら、時折眉をひそめていた。

 話を聞き終えたトーマスさんは、軽くため息をつき、腕を組んで言った。


「なるほどな。また厄介なことに首を突っ込んだもんだ……」


 そう言いながら、トーマスさんの視線がソファに沈み込む青年に向けられる。その目には不安と興味が入り混じった色が浮かんでいた。


「はい、すいません。……彼は聖騎士として勤務していたようですが……何らかの理由で魔術の実験に巻き込まれたと思われます。これから事情を聞こうかと」


 トーマスさんが少しの間黙り込むと、深く息を吐いて頭を掻いた。


「とりあえず、話を聞こうじゃないか。彼、もう話は出来るのか?」


 トーマスさんの言葉に、俺とロベリアさんは顔を見合わせて頷いた。ロベリアさんが青年に優しい声で呼びかける。


「少しお話できますか?」


 青年が目を開け、ぼんやりとロベリアさんの顔を見上げる。その瞳にはまだ不安と怯えの色が残っていたが、彼は小さく頷いた。


「……俺、アラン……アラン・クレスト。牢番をしてる聖騎士だったんだ……」


 掠れた声で自己紹介を始めるアラン。その言葉を受けて、トーマスさんが腕を組みながら黙って彼を見つめている。ロベリアさんは彼が話しやすいように、小さな声で相槌を打ちながら、丁寧に聞き取るようにしていた。

 アランの目は時折俺やロベリアさんの方をちらちらと見ていたが、その視線はどこか探るような、疑問と警戒が入り混じったものだった。話すうちに、彼の目に映る俺たちの姿が変わり始めているのを感じた。何か思い出している――そう思わせる仕草や表情が増えていく。

 唐突にアランが口を閉ざした。アランはしばらく無言でこちらを見ていたが、やがて視線を落とし、ぽつりと呟いた。


「……そうか。やっぱりあんた、恋人を助けるために、危ない橋を渡ったんだな」

「ん?」


 ロベリアさんが一瞬、困惑した表情を浮かべる。俺も困惑に目を見開いた。


「いや……そうだろ? 俺、忘れられないよ。面会室で……二人、キスしてたじゃないか。目の前でやられた時、俺もう聖騎士クビになっちゃうと思って、すげー焦ったんだよ」


 アランの声はどこか戸惑いを含んでいた。その言葉を聞いた瞬間、全身に熱が広がるような感覚が襲ってきた。顔が熱くなり、思わず俯いてしまう。そんな俺の様子を見て、ロベリアさんもわずかに目を泳がせた。


「ちょ、ちょっと待ってください。それは……」


 ロベリアさんが慌てて否定しようとするが、アランは話を止めない。


「いや、俺はいいんだ。恋人同士ってんなら、それで納得できるよ。俺の目の前で、あの情熱的な――」 「待ってください!」


 ロベリアさんが真っ赤な顔になって声を上げた。その様子を見て、俺の顔もさらに火照り、ますます視線を床に落とさざるを得なかった。その様子を見て、トーマスさんが目を丸くする。

 俺の頭は、すでにパニック状態だった。あの時のことを思い出すだけで、顔から火が出そうだ。キス――いや、あれは「状況的に仕方なかった」んだ。ロベリアさんもそう言ってた。なのに、今ここでそんな話題を持ち出されるなんて、どうすればいいんだ。


「……ちょっと待て。恋人同士? いつの間に?」


 トーマスさんが鋭い声を上げ、俺たちに視線を向ける。その瞬間、ロベリアさんが両手を振り回し、全力で否定した。


「違います! そういうことじゃありません!」

「ええっ、違うのかよ!」


 アランが驚いた顔をする。その隣で俺はしどろもどろに口を開く。


「え、えっと、それは……違うんです! あの時は、その……緊急で、えっと……!」


 言い訳がまとまらず、俺は完全に視線を落としてしまった。顔が熱い。冷静になりたいのに、全身に羞恥心が巡るばかりだった。ただ、全てが誤解であることだけは分かってほしいのに、言葉が出てこない。


「おいおい、何だその微妙な反応は」


 トーマスさんがじっと俺たちを見て呟く。その言葉に、ロベリアさんがさらに真っ赤な顔になって声を荒げた。


「違います! 本当に違いますから!」


 その必死な様子に、アランがぽつりと呟いた。


「でも、俺の目の前でキスしてたんだよなぁ……」


 その一言に、部屋の空気が一瞬凍りついた。俺は額に滲んだ汗を拭いながら、なんとかしてこの場の話題を切り替えたいと思ったが、うまい方法が浮かばない。ただただ、ロベリアさんが何とかしてくれることを願うばかりだった。

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