回生
特戦員それは魔城の位置する場所から反対の地域を護衛、警備、自治を命じられた9人の魔界直属の超特別兵
「の、はずなんですけど...どうして俺なんかが?」
計り知れない衝撃と謎を抱きつつも魔帝であるホロギスさんに尋ねた。
「さっきお前俺に殴りかかってきただろ」
「まぁそれについてなんですけどほんとその..スミマセンデシタ」
「いいよ別に、話を戻すと殴った時の魔力のがお前は一般魔人に比べたら桁違いすぎる。そんでお前を特戦員にするのがいいと思ったってわけ」
グラスモア先生のところで学んだことがある。魔力の戦いにおいて最も大事なのは量と密度と出力だと。
「だとしても別にそれだったら上級戦闘員とかでいいんじゃ?」
「それもいいが特戦員になれば任務の数や重さがだんちだからな…それとお前の仇も見つかると思ってな」
「っ!俺の仇…」
「あの!ホロギス様俺は認められませんね」
先程魔将筆頭に任命されたアルが口を開いた
「黙って聞いていましたけどそいつが特戦員になることを俺は認められません。仇かなんか知りませんけど特戦員というのは魔界を守るべく任命された選び抜かれし人材です。それを名も知らぬこんな少年にしかも魔界の最高権力者であるホロギス様に手などあげるとは」
こちらを鋭い眼光で睨め付けながら強い口調で淡々と自分のことを軽蔑してきた。
「まぁまぁアルそう言わずに俺だって殴られて当たり前のような服装してたんだしルーシーには誰にも負けない強い信念があるんだ、同期なんだからそんなギスギスするな」
そう言われるとアルは不満気にそっぽを向いた。
「まぁ何はともあれ2人ともこれからの魔界の未来に深く貢献してくれることを祈っているよ。」
「御意」
「ぎょ、御意」
「それで早速なんだがお前ら2人に任務を設けたい」
「なんなりとご申し付けください」
「お前ら2人にはこれから魔界の端にに向かって欲しいそこは謎の生命体"デスター"という生物が猛威を振るってるらしい。それの討伐と特戦員の奴らと顔合わせて仕事に慣れてこい。だからこれからお前ら2人は相棒だ!」
「ゲッ」
(ゲッ?随分俺と組むのが嫌そうだなちょっと傷つくんだが)
「俺以外にもこいつの同期なんてたくさんいますしそいつらと組ませればいいじゃないですかなんで俺と」
「まぁまぁいいだろう仲良くなるきっかけにもなるしさそれにこれは魔帝命令だ」
「ぐぬぬ…御意」
そして俺は玉座の間から足を引いた。
扉を出てから少し気まずい空気が流れていた
「まぁ何はともあれ一応相棒らしいしアル?だっけよろしくな!」
そう言って手を差し伸べた、しかしその手はすぐに振り払われた。
「気安く呼ぶな俺は誰とも組まない」
そう吐き捨ててアルはどこかへ行ってしまった。
「まいったなぁこれから相棒だっていうのに…おーい待てよーアル」
そして俺はアルを追いかけて行った。
「大丈夫なんすか?」
「うん?あぁ大丈夫だあーゆーのって以外と打ち解けあったりするんだよ」
「いや、そうじゃなくて最初の任務が難易度鬼すぎるでしょいくら特戦員がいたとしてもまだ魔力の"ま"の字もわかってない奴らですよ」
「うん、でもだからこそいいんだそこで何を学び何を得てくるのか期待できる、それとあっちにはロザリオがいる」
「え、ロザリオあっちにやったんすか?大丈夫かよ」
「大丈夫大丈夫なんとかなるってあいつならなんとかやってくれるよなんせ"四大魔王最強"だからな」
(はぁはぁはぁつ、疲れた魔城広すぎ…出るのに1時間かかった)
その時目の前に見知った顔があった
「あ!ルドルさん」
「おぉルーシーじゃねぇか」
「ルドルさん俺!特戦員になったよ今魔城でホロギスさんに任命されてきたんだ!」
「な、何ー!?お前特戦員になったのか!いやそんなことよりホロギスに会ったのかあぁじゃあ言われてるかあーもう!めんどくせー!」
ルドルさんはブツブツと何か喋っていてとてつもなく焦っていた
「ルーシー今だから言う!」
俺の両肩を掴んで何かを決心した眼差しで俺を見つめてきた
「ルーシー俺はなお前の本当の親じゃねぇんだわ!…あークソ!言っちまった。すまんなルーシー、アリスとシェリーが死んでからまだ数日しか経ってねぇってのに気ぃ病むなよ……ってあれ?」
多分自分の顔は今までにないぐらいキョトンとしていたと思うなぜならあまりにも当然のことを言われたからである
「そんなの5、6年ぐらい前から気付いてますけど…」
「え?そうなの?」
「そりゃそうでしょ父親なのに歳が近いし敬語だし顔も全く似てないし、あとホロギスさんからはルドルさんと自分は旧友だってことしか聞いてませんよ」
「んなんだよ俺はてっきりホロギスから全部言われちまったのかと思ったぜ」
ひどく安心したのか肩を撫で下ろし大きく深呼吸した
「そうか知ってたか…ずっと黙っててすまんかったな」
そう言うと俺の頭をわしゃわしゃと撫で回した
「で、特戦員になったって?」
優しい口調で俺に問いかけた
「うん、でさそれでホロギスさんから魔界の端に行けって命じられちゃったんだよねそれでーそのー」
自分の中では迷いがあっただでさえ数日前妻と娘を亡くしているのにたった1人の義理の息子は魔界の端に行ってしまう。ルドルさんを1人にしてしまうという罪悪感が自分の中に煤のようにこびりついていた。
「行ってこい」
「え……」
こちらが言い出す前にルドルさんはそう答えた。
「ったくくだらねぇことで迷いやがってこのルドルがちょっとの間1人だからって寂しがると思ってんのか」
あまりにもお見通しだったため少しびっくりして言葉が出なかった
「お前がどこにいようともお前が生きてりゃ俺は1人じゃねぇだから寂しくもねぇ安心して行ってこい」
そう言うとルドルさんは満面の笑みを見せてくれた
「……はい!じゃあ行ってきます!」
「おう!まぁとりあえず帰って飯でも食うか!」
翌日の朝
「あっちの情報だと宿は用意してくれるらしいだから着替えと……あとなんだ?」
「別に旅行に行くわけじゃないんだし必要な物は現地で揃えるから着替えだけでいいですよ」
なぜかルドルさんはいつもより心配性になっていた
「よし!じゃあ改めて行ってきま……ぐむ」
その時ルドルさんは俺を覆い被さるように抱きしめた
「俺はお前の本当の親父じゃねぇからこうするのはお門違いってもんなんだけどな、でも今ぐらいはこうさせてくれ……死ぬなよルーシー!」
その時のルドルさんは少し寂しそうだった
「はい!行ってきます!父さん!」
そして俺は家を出た。
3日かけてやってきた魔界の端は自分の想像とはかけ離れていた。
「魔界で最も危険な地域って言われてたからスラム街だと思ってたけど結構発展してるんだなぁ……」
「当たり前だろそれだけ特戦員の人たちが頑張ってるってことだ」
呆れたような声で俺に話しかけてきた
「アル!お前ももうついてたのか…ん?そっちの人は?」
深くフード被った男の姿がそこにあった
(またフードまぁでも今回は流石に違うな)
「はぁ?お前なんも聞かされてないのかよこっちの人は四大魔王ロザリオ・オットボルトさんだ」
「四大魔王?!っていうかロザリオ・オットボルト?!」
「シーっ!声がデケェんだよ一応隠密にきてるんだから声抑えろバカ!」
「ご、ごめん!でも本当にあの"四大魔王最強"のロザリオ・オットボルトさんなの?」
囁くようにアルに問いかけた。
「四大魔王最強なんて別に俺はそんな上等な物じゃないよ、それにしてもホロギスさんから聞いていたけど2人とも昨日就任したばかりってのにすごい魔力圧だ」
俺ら2人をジロジロと見つめながらひどく感心していた
「あの早速本題に入った方がいいんじゃないですか?」
「それもそうだな、君ら2人にはにはこれから特戦員の人たちと会ってもらう癖者揃いだから疲れると思うが君ら2人にならどうってことないぞ……多分」
そして俺ら2人はロザリオさんに連れられて屋敷のようなところへ連れて来られた。
「俺はこれ以上入らないけどこの扉の先にみんないるから仲良くしてやってくれ君たちと同じ年齢の子はあと2人いるからそこら辺とも仲良くな、じゃ!俺は他に仕事があるから」
そう言い残すととてつもないスピードでどっかに行ってしまった。
「この扉の先に特戦員の人たちが……」
息を呑むと同時に俺は扉を開けた、するとそこには特戦員ではなく見慣れた人物がいた。
「ルーシー君?!なんでこんなところに?」
「ロ、ロルキさん?!」




