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異世界でチート無双!? いえいえ神達のミスで、相棒のもふもふ達がレベルアップしたみたいです  作者: ありぽん


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65/70

65.僕の評価、僕の自信

 昨日のうちにメイナード先生が全て治療院を回って、何が足りていないか、どんな仕事ができる人が必要か、改めて確認して来たらしい。それで人員を振り分けたということだった。


 そして学生は、まだ実践に出ている学生が少ないから、なるべく安全な、街の中央へ集められたんだ。ここに残された学生は、もうすぐ最高学年を卒業する学生達だ。


 でもそれなら僕は? 僕は学年もだけど、回復魔法のレベルだって、そこまで強くないのにな? と、考えながらも、メイナード先生の話しを聞いて。話しは20分くらいで終わり。


 話しの最後には、これから他の治療院へ移動をする人達に。冒険者達のおかげでたくさん集まった、薬草を持って行くようにって。治療院に中も外も、溢れかえるほどの薬草が集まったからな。それぞれ2箱分ずつ運ぶようにって。

 話しが終わると、すぐに薬草を分ける作業に。僕がいた部屋からも、半分くらいに薬草が、別の治療院へと運ばれていった。


 移動する人達がいなくなり、今まで片付けを手伝ってくれていた、治療院と関係のない人達がいなくなると、途端に治療院は静かになった。そんな静かになった治療院で、僕達は残りの仕分けされていない薬草の、仕分けを続きを始めた。


 と、そんな中、メイナード先生が僕を呼びに来て。今度は薬作りを手伝って欲しいと。だから先生と一緒に、先生の作業室へと移動した。

 今の時間、最初の予定では、もう魔物達は街に到着しているはずだったんだけど、行進のスピードが落ちて、お昼過ぎに到達するって連絡があったんだ。


 本当かどうかアンセルに確認したら、間違いないって。最初の行進時よりも、半分くらいのスピードになったらしい。


『だが、確実に街に近づいているから気をつけろ』


 だと。本当は来てほしくないんだけど。これはどうやら避けられないで、ほぼほぼ決まりのようだ。


「荷物を整理している時に、魔物がきたらどうしようかと思ったけど。行進が遅くなってくれて良かったよ。これで薬を増やす時間ができた。まぁ、来ない事が1番なんだけどね」


 メイナード先生と薬を作り始めると、先生がそんなことを言って来た。僕は2人しかいないからちょうど良いと思って。どうして僕をここに残したのか聞いてみることにした。


「先生、どうして僕をここに残したんですか? 僕よりレベルの高い回復魔法を使える人はいっぱいいたのに」


「確かにアーベルはレベルが低いかもしれないけど、それでも他はみんなよりも優秀だからだよ。アーベルの母君、アシュリーの知識を君は受け継いでいるからね。君はそれのおかげで判断が早い。いくら回復魔法のレベルが高くても、それを使うまでの速さが遅かったらねぇ」


「でも、回復魔法のレベルが高くないと治療が」


「言ったろ、判断が大事なんだよ。これは本当に回復魔法が必要なのか、薬で治療できるんじゃないか。ならその薬は? 全ての治療法を考えて、1番敵した方法で素早く治療する。君は自分の手に負えないときは、すぐに誰かに引き継ぐだろう? そして薬で済むときは、サッと必要な薬を用意して、治療を完了する」


「僕は自分で治療ができる、怪我や病気がどれくらいのものか、分かっているだけです。できないのにいつまでも患者を放置はできません」


「その判断が今回は必要なんだよ。いつまでも考え込んでいて動けないんじゃ、これから押し寄せるかもしれない患者達を捌ききれない。そうなれば治療が遅れて、戦いに戻るのも遅くなり、その間に魔物がどんどん街の中へ入って来てしまう可能性も。だから君に残ってもらったんだ。判断の早い君にね。それに君には頼もしい家族もいるしね。さっきの薬草の仕分けも凄かったじゃないか」


 まぁ、みんなお父さんとお母さんの弟子みたいなものだし。僕よりもぜんぜん凄いから。


「アーベル、君はもう少し自信を持った方が良い。他の学生には悪いけど、こういう時に頼りになるのは君達なんだよ。今だって、僕の薬作りを手伝ってもらっているしね。さぁ、どんどん作ろう。奴らが来るまでに、出来るだけ」


 自信……か。メイナード先生が僕のことを、そんな風に評価してくれていたなん

て。僕はメイナード先生の言う通り、もう少し自信を持って良いのかな? レベルが低いって、自分ではたいした事はできないって。決めつけ過ぎていた?


『アーベル、頑張ろ!!』


『俺、こっちの薬草潰すぞ!!』


『ハピちゃんは突いてバラバラにする!!』


『ぼくはねぇ、うんとぉ』


 みんなが僕のすぐ横に寄って来て、それぞれ自分ができる事をやり始めた。僕にニコニコ笑いかけてくれながら。


「うん、頑張ろうね」


 今はちょっと、メイナード先生に言われた自信について、まだなんとも言えない気持ちだけど。でもなんかちょっとスッとした気もする。僕のことに関しては、今のことが全て終わって落ち着いてから、しっかりと考えてみよう。


 そうして薬を作り続けたメイナード先生と僕。他の人達も自分の仕事を頑張って。魔物達が街に到達する、お昼前よりも前に、しっかりと準備することができた。

 そして外を確認しに行った人達の情報と、アンセルの情報から。やっぱりこのまま、魔物達はこの街に到達するって言われて。


 僕達は忙しくなる前にお昼ご飯を食べる事にした。みんなそれぞれ、その辺に座って食べる。僕達は受付奥の端の方でご飯を食べた。そしてもちろんご飯の後には、みんなにお菓子をあげたよ。


 みんなここへ来て早々、頑張ってくれたからな。それにこれからの事を考えて、特別にお菓子を2つずつあげた。メイナード先生からも1つもらったよ。


 みんな喜んで、あっという間に食べてしまった。が、ここからが凄かった。みんなのおかげで薬草の仕分けが早く済んで、他の仕事ができたって。ここで働いている人達のほとんどが、みんなにお礼のお菓子をくれたんだ。


 そのおかげでお菓子専用の袋が1袋出来上がってしまった。その袋を、すぐにカバンにしまって、と言うみんな。お菓子に何かあったら大変だってさ。思わず笑ってしまった。

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