23.しまった!! 魔獣契約のやり方が分からない!?
ドキドキ、ワクワクしながら、夕飯を待った僕と子ムーンラビット。お父さんムーンラビットとお母さんムーンラビットは、大人の余裕とでもいうのか、いつも通りまったりと過ごしていて。その周りをずっとグルグル回っていた僕達。
途中であまりにもグルグル周りが邪魔だったのか、そこに座りなさいって、お母さんムーンラビットに仕草で言われて。僕達はすぐに座らずに、フラフラその辺を歩きながら、それでもなんとかソファーに座ったよ。
でもそれで僕達のドキドキワクワクが止まるわけもなく。僕はソファーに座ると、まだ足が床につかないから、その足をブラブラ、ブラブラ。子ムーンラビットは流石に僕みたいに、足をブラブラしてソファーには座れないから。
僕の隣でしっかり座れの姿勢をして、片足をパタタタタタタタッ!! とずっと動かすことに。それでまたお母さんムーンラビットに怒られるっていうね。
でもさぁ、こうなるのはしょうがないじゃないか。だってついにこの日が来たんだよ。小さい時に出会って、それからずっと大切な友達として一緒に生活してきて。そしてついには家族っていう存在にまでなって。
僕がどんな力を授かっても、家族になることは決まっていたけど。なんと魔獣契約の力を授かってさ。これで僕達はしっかりと繋がりを持つことができるんだよ? そしてその魔法が、今日使えるかもしれないんだよ?
「さぁ、ご飯できたわよ。みんなで食べましょう!」
ようやく夕ご飯の時間に。ダッ!! と走ってテーブルに向かった僕と子ムーンラビット。子ムーンラビットを机の上に乗せてあげて、僕はママの手伝い。今日の僕とママのご飯はシチューとふわふわパンと、デザートに果物の盛り合わせ。
子ムーンラビット達のご飯は、肉団子と野菜の盛り合わせ。それからデザートに僕達と同じ。果物の盛り合わせ。
「あなた達、今日は落ち着きがないし、すぐにご飯を終わらせたいでしょうからね。食べやすいご飯を用意したのよ。でもちゃんとしっかりと噛んで食べること。良いわね」
「うん!!」
『きゅう!!』
「それじゃあ、いただきます」
「いただきます!!」
『『『きゅう!!』』』
スプーンに手を伸ばすと、急いでシチューをふぅふぅする僕。でも途中でスプーンを置いて。パンをちぎってシチューの中へ。この方が早く食べられると思ったんだよ。パンはもともとシチューに付けて食べるつもりだったし、パンシチューと思えば問題なし。
横を見れば、肉団子を細かくして、野菜の盛り合わせに入れている子ムーラビットが。子ムーンラビットも、いかに効率よくご飯を食べるか、考えたみたいだよ。
「もう、あなた達。ちゃんとママの話しを聞いていた? ちゃんと噛んで食べるのよ」
うん! それはもう、しっかりと噛んで食べるよ!
こうして今までの人生の中で、1番早く食べたんじゃなかっていうご飯を終わらせて、後はデザートだけ。と、ここで、一緒に急いでご飯を食べてくれていたママが、デザートを食べるのを止めてきたんだ。
「デザートは、契約できるかできないか分からないけれど、後ににしましょう」
何で!? これから契約できるかやるんだよ! 早くご飯を食べたし、後はデザートだけなんだよ!! 思わず文句を言おうとした僕。でもママが。
「これから契約するのに、本当はそんなに体力を使わないはずだけど、でも今のままで契約をしたら無意識に体力を使って。全てが終わった後に、絶対喉が渇くわよ。それに小腹が空くかも。それならデザートを後にした方が、喉も潤うしお腹も膨れるわ。楽しみにしていたんでしょう? 先にやってしまいましょう!」
ママ、ママ!! ありがとうママ!! 僕はママに抱きつきます。子ムーンラビットも、ママの足に抱きついて、きゅうきゅう鳴いてお礼を言っているよ。
こうしてデザートのお皿はそのままに、自分の食器を片付けて。ムーンラビット達も、上手に頭にお皿を乗せて片付けてくれて。ママの洗い物が終わりまで、みんなでソファーのあるゆっくりする部屋で待つことに。
洗い物をささっと終わらせて部屋に移動してきたママ。
「はぁ。あなた達、そんなに鼻息荒くしているのは良いけど、本当に今日契約できるかは分からないんですからね」
僕も子ムーンラビットも、かなり鼻息荒く、部屋の中をグルグル回っていたみたい。
「それに、アーベルあなた、魔獣契約の仕方、分かっているの?」
ピタッと止まる僕。そういえば? 僕達が学校に行き始めて、小さい子でもちゃんと分かるように、絵本タイプの教科書はもらったけど。それには基本の魔法のことしか書いていなくて。
僕はもちろん魔獣契約についての本も、図書館で読んだんだけど。魔獣契約は人気があるから、分かりやすい本が全て借りられていて。難しい本を読むしかなかったんだ。
だから結局、まだ魔獣契約について、ちゃんと調べていなかったっけ。あんまり嬉しくてその事を忘れていたよ。
愕然とする僕。そんな僕を見て一緒に愕然とする子ムーンラビット。ど、どうする? どうしたらいい? 今から図書館に行くのは無理だし。
そうだ!! 何とかアスティン先生に連絡取れないかな? アスティン先生なら魔獣契約のやり方知ってるはず。
「ママ! せんせいにれんらく!! せんせいはしってる!!」
「もう、せっかく契約するかもしれないのに、もう少し考えて行動しないとダメよ。それに今から先生に連絡をしたら迷惑でしょう。大丈夫、そんな顔をしなくても、ママが契約のやり方を知っているわ」
それを聞いた途端、さっきみたいにママに抱きつく僕と子ムーンラビット。ママ!! ママ、本当に大好きだよ!!




