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「君、虫と……………その、話してるの?」
「話すっていうか………交信?みたいな感じ」
「何て言って……………」
「じゃあ!元の姿に戻してみろよ!異端視されるくらいの力、持ってんだろ?
ここだって、ミキの気配だけで辿り着けたんだろ⁉︎
僕が………僕がして来た事なんて、オマエの前じゃ通用もしないんだろ⁉︎
じゃあ、その奇跡の御技とやらをご披露頂けないかな!」
…………………時雨てたんじゃないのか。
せっかくのルージェニトーキングタイムを邪魔しやがって。
シザリオがあんまり子供っぽい態度を取るものだから、私もさっき感じたジェニータソに対する不穏な気持ちを封じ込める事が出来た。
…………そうだよね、人の気持ちが分かっちゃうなんて辛いよね…………
同情モードに気持ちが傾いた瞬間、私に理性が戻って来た。
………………ちょっと待て。
お姉ちゃんの事まで分かるって事は、私の事何でも分かってるって事⁉︎
ひょっとして、ルー様とジェニータソをカップリングさせてウハウハしていた事とか、履歴の削除というチート機能を備えた後は、堂々と18禁ページに飛んでいた事とか、掛け算とか掛け算とか掛け算とか……………
「何の事?掛け算って」
この世界には算数ないのかな、掛け算ないのかな、だったらセーフかな、
いやそれ以前にカップリングの概念もないだろ……………
私はセーフセーフと繰り返しながらジェニータソを見つめた。
いっそハエだったら、両手を擦り合わせてお詫び申し上げられたのに、と悔やむ。
「誰の気持ちも分かるわけじゃないし、分かっても全部、ってわけじゃないの。
貴女は特別。その姿には不思議な力がこもっていたから、だから交信できたの」
どうする?元の姿に戻りたい?
ジェニータソは重ねて問う。
……………元の姿……………
この子達、みんないくつくらいなんだろう。
12?13?
小学生か中学生かその辺り微妙な感じ。
おまけに頭身が異常である。
揃いも揃って小さな顔に整った目鼻立ち、長い手足。
おめーら、ボールは友達なあの少年か⁉︎と突っ込みたくなるような足の長さである。
翻って我が身を思い返せば、ひょっとすると、いや、ひょっとしなくてもヤマト博士より十分に年上だ。
三十路女が仲間になりたがっています
仲間にしますか?
→はい
→いいえ
ああ、痛い。
あまりにも痛すぎる。
『大丈夫だよ』
その時、頭の中に懐かしい声が響いた。
そうなんだ、大丈夫なんだ。
不思議とその声は私を安心させた。
「………お願いします」
人間の姿に戻れば、ルー様とも話が出来る。ひょっとしたら、ルー様の闇堕ちを防ぐ事も出来るかもしれない。
てんとう虫のままじゃ何も出来ない。
「分かった」
ジェニータソが頷いた。
良い三連休をお過ごし下さい^_^




