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ラスボスを幸せにし隊 本日発足です! 【完結済み】  作者: えるぜ


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10

「いつまで黙りこくってるの?

どうやってここに辿り着いたのか、それを聞いてるんだけど」


不機嫌そうなシザリオの声で、私は我に返った。

私たちはずっと話していたけれど、側から見ればジェニータソはずっと黙っているように見えただろう。


「おばあちゃんは、サクラさんと私の2人だけは、何処にいても分かるって言ってた。

私は、もう少し分かるの。

だから…………サクラさんの息子のヤマト博士の居場所が分かった」


サクラ、という名前を聞いた途端、ヤマト博士の肩がぴくりと震えた。


「ユーシスさん?君は………ユーシスさんのお孫さんなの?」


けれど、動揺を隠すように、ヤマト博士はそのタレ目を一層下げて微笑んだ。

その違和感に気付いたのは、多分、ルー様、フェル様、そしてジェニータソと私。

シザリオは……………何も考えてないな、あれは。


「お祖母ちゃんを、ご存知なんですね」


もちろん、とヤマト博士が答える。


「母の唯一の友達で、理解者で…………最後の2人のうちの1人だったからね。

それから、君が生まれてからは、君の気配も感じていた。健やかに、安らかに成長して欲しいと

いつも祈っていたよ」


「サクラさんはどうして…………」


亡くなってしまったのかと問い難く、ジェニータソは口篭った。


「………異端審問?みたいなやつかな。結構えげつない事してくれたよ、君のお祖父さんの会社は」


ヤマト博士がシザリオの方を向いてにっこりと笑った。


怖い…………怖いよこのタレ目笑顔。

ジェニータソの来訪が博士のどこか変なスイッチを押してしまったのは間違いない。

シザリオは初めて聞いた話らしく、顔を強張らせてヤマト博士を見ていた。


「まあ、僕も連座される予定だったらしいけど、ここにいるシザリオの父親が助けてくれて、研究者として迎えてくれた。それからシザリオの家庭教師にもなった」


シザリオの顔に少し血の気が戻った。


「………鎖に繋いでおいた方が安心だと思ったんだろ」


今度はこの世の終わりのような表情になる。

シザリオ、分かりやすすぎる。

そんな事で次期社長として大ファウンデーションを率いて行けるのか。


「…………ミキの気配だけ辿ってここまで来れたなんて、僕は信じない」


今の話だって、僕は信じない。

そう言いたげにシザリオは明後日の方を向いた。


「………オレは信じるよ」


ポツリとルー様が呟いた。


「森の外れで、見えないはずのドアをじっと見つめていた。

オレが近づいて、認識魔法が解除されると、嬉しそうに笑って

『良かった。こんな厳重な魔法がかかっているおうちに勝手に入れないものね』

って言って笑った。

『ヤマト博士がここにいる、って感じたから、来たの』って」


ジェニータソがルー様を見た。

2人の視線が交差する。

私、鼻血吹く。


「すまない、つい感情的になってしまった。ユージェニー、だよね。君に思うところは何もないよ。

それからシザリオ………………」


「ごめん」


と博士は頭を下げた。


「君にもつまらない話をしてしまった。もう10年も前の事だ。

実際、君の父上には感謝もしている」


「こっちこそ、ごめん。知らなかったとは言え、いつも付き纏って。

僕を見る度に嫌な事思い出したり、しただろ?」


「そんな頃もあったけどね、今はもう全て過去の事と割り切ってる。

それに僕は、君の事が大好きだよ、シザリオ」


シザリオの両耳が真っ赤になった。

だから分かりやすすぎ。


「話はまたゆっくりしよう。今日はお客さんが多いからね、僕は夕食の支度をして来る」


そう言ってヤマト博士が席を外すと、場の緊張が一気に解けた。


解けたが、坊ちゃんはまだ時雨たまま俯いている。


「ねえ、そうだ」


ジェニータソが思い出したかのように言った。


「貴方、変わった虫を飼ってるのね」


「虫?ああ、アキの事?」


動画で撮りたい。

ルー様とジェニータソが私の事を話している。


「アキ?多分それ本名じゃないわ。

あの虫ね、人間よ」


ルー様が呆けたような表情を晒した。

無防備。

写メ、心で写メ。


「アキでいいんです。ルー様がつけてくれたお名前様ですから」


「そうなの?」


私に向かって話すジェニータソに、ルー様が更に怪訝そうな表情を浮かべた。


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