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電子カルテの創成期  作者: 播磨王65
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第5話:レントゲン写真をコンピュターに取り込む実験

 その後17時にSS大学医学部附属病院の近くの食堂でライスカレーを食べて腹ごしらえをした。その後18時に信州大学医学部附属病院へ行き、入り口で用件と訪問場所と書き終えると、守衛さんが、ご用件はと、聞かれ商用の打ち合わせというと通してくれた。大学病院何をうろうろして外科系の医局をいくつか回った。


 すると椅子を医局に運んでいる医局を発見。そして医局の女性に、ここで説明会あるのですのと聞くと、えーと言った。19時半からですよねと確認するとえーと答えた。その人に礼を言い、まだ早いので病院内の喫茶店で19時まで、ゆっくりした。ショルダー・バックに入れたラジカセと小型マイクを確認した。


 やがて19時になり、さっきの医局に行くと白衣の医者が大勢、座りだしていた。少しすると座席が全て埋まった。全員が座りきれず一部の人は、壁によりかかり待っていた。常本肇も同じようにして待った。すると、突然、来たといわれ、若手が数人席を立った。そして10分後、大きな台車が3台入ってきた。


 一台には、大型イメージスキャナー、もう一台に何か、大きな黒い色の冷蔵庫のような物。三台目には大きなモニター「ディスプレー」とキーボード、マウスが乗っていた。10人くらいで教室の長テーブルの上に置かれ、大きな黒い色の冷蔵庫のような物は床の上に直に置いた。その後、10分位でIBMとい書いた作業服を着た人達が、機械を設置した。


 その後、用意が、できましたと告げると女子事務員が教室を出ていった、直ぐに威厳のある感じのメガネ掛けた教授と思しき人が教室に入ってきた。そして、準備完了だねと聞くと、スタンバイOKですといわれた。それを聞き、学校の先生のように前に出て、今晩は、日本で最初の医療技術発展のための実験をみんなに披露しますと、にこやかに言った。


 それでは、お願いしますと言って去った。次に、3人の作業員が、その教授からレントゲン写真を受け取った。そして、簡単に装置の概略を説明をしますと言った。最初に、この大きな物が20メガバイトのハードディスク、この複写機みたいな物がイメージスキャナー、画像読み取り装置ですと言った。


 まず、レントゲン写真をイメージスキャナーで画像データとして取り込み、次に、そのデータをハードディスクにコピーします。そのデータをこのテレビ画面に映しますと説明した。そして、早速、実験を始めますと宣言した。そして、レントゲン写真をイメージスキャナーのガラスの上に置き上からプラスティック・マットで覆った。


 イメージスキャナーのボタンを押すと、すごい光を放ながら、ガ、ガーと大きな音が、するではないが、聞きなれない不気味な音がした。約10分で終了し、次に、キーボードをたたき、これから、画像データをハードディスクに転写しますと言った。すると、黒い冷蔵庫の右角に近い赤い小さなランプが点滅を始めた。


 キューンと高速回転するような音がして、約10分で終了した。そして、またキーボードをたたくと大きなテレビのようなモニターにレントゲン写真がくっきりと映り出された。その時、会場らか、おーっと言う声があがった。すると、教授と思しき男が、モニターの前に来て、じっくりと画像を食い入るように、しばらくの間、見た。


 そして、おもむろに、まーまーだなと、一言、言った。その後、そのレントゲン写真を大きな平面の明るい光の前に貼り付けて再度、じっくり見た。その後。これでも、レントゲン写真そのものの方が、鮮明だなと、笑った。するとIBMの担当者が駄目ですかと、悲しそうに聞くと、教授が、突然、60点と言った。


 つまり、合格、すれすれだと、言った。それから、レントゲン写真は512階調以上だが、デジタル化したパソコンでは、何階調か、と聞くと256階調ですと言った。それでもフロッピーディスク15枚以上20メガバイト以上かかると言った。そうだろうな、この程度ならレントゲン写真とモニターの差がはっきりすると言った。


 IBMの担当者がこれでも、先生、世界最高水準ですと言った。それを聞いた、T教授が、マッキントッシュでは、レントゲン写真と同じ、解像度にできると言っていたぞと笑いながら言った。理論的には可能ですが、現在の技術では、512階調ですと画像データ1枚分のデータ量がハードディスク1台に収まりきれないと言った。

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