7、手紙と花束
舞踏会が終わった。
フローレス男爵はコールマン子爵に挨拶をし、屋敷に帰ることにした。
クライドは、ベティに会釈をして微笑んでいた。
「今日は楽しかったですね」
「ええ」
父親と母親はベティの婚約を喜んでいた。しかし、ベティはまだ自分がクライドに求婚されたことを実感できずにいた。
翌日の朝、ベティは母親の声で起こされた。
「ベティ、凄いわよ!! 花束が届いているわ」
「何ですって? お母様」
ベティが自室から広間に移動すると、そこにはマーガレットの花束を抱えたコールマン家の使用人が居た。
「クライド様から、ベティ様へプレゼントです」
「まあ、お手紙も着いているのですか?」
「はい」
使用人は花束と手紙をベティに渡すと、コールマン家に帰って行った。
手紙には綺麗な文字でこう書かれていた。
<親愛なるベティ様 昨日はありがとうございました。お礼という訳ではありませんが、どうぞお受け取り下さい>
「マーガレットの花言葉は真実の愛……素敵ですわね、ベティ」
「ええ、お母様」
ベティはマーガレットの大きな花束を応接室に飾って貰った。
「お礼の手紙を書かなくては」
ベティは慌てて自室に戻った。そして手紙を書くと使用人に言った。
「白いチューリップを一輪添えて、クライド様にお届け願えますか?」
「はい、分かりました」
白いチューリップの花言葉は、新しい愛。
ベティはクライドのことを、もう好きになっていた。




