静かな時間
とある日の午後、 店も何時も来る盾の騎士も来た後に最近来る常連の客が来る。
「アイスティーを一杯」
「はい」
その亜人は物腰静で奇妙な頭をしていた、 頭が輪っかなのである。
今までに無いタイプの亜人だったので少し面食らったが今ではすっかり慣れてしまった。
「どうぞ」
「ありがとう、 これは今回のお代ね」
「はい」
渡されたのはキャベツ一玉である、 家の庭で取れた物らしい。
キャベツ一玉と紅茶ならば妥当な取引と言えるだろう。
「・・・・・」
紅茶を傾けながら鞄から荷物を出した、 彼は物書きなのだろうか。
こうして午後の暇な時間やって来て紅茶一杯で数時間は作業をした後
夜に客が来そうな頃に帰って来る、 そういう客である。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・Zzz」
普段ならばにょーにょーとでぶ妖精が言う頃だが静かな作業がしたいだろうと
でぶ妖精達に昼寝をさせている。
「少し疑問なんですが・・・何故、 こんな森の中にまで態々作業をしに来るんですか?」
「うん?」
疑問に思ったラビーが尋ねた。
「亜人達の街には喫茶店が無いのですか?」
「いやいや、 そんな事は無いよ
だけど街の喫茶店よりもここの紅茶は美味しいからね」
「そう言って頂けると嬉しいです」
「君はかなり紅茶を勉強しているね
冷やし方にも拘っているだろう」
「分かりますか」
「あぁ、 アイスティーなのに氷が入っていない
にも拘わらず冷たい、 魔法かい?」
「えぇ、 そうですね、 氷を入れると薄まるので」
「分かる、 良い心掛けだよ、 街の喫茶店ではバイトが紅茶を淹れるからね
この店は店主自らが淹れる、 本気の具合が違うよ」
「恐れ入ります」
「それに僕は亜人では有名人だからね、 隠れ家的なここは良い店だと思うよ」
「そうなんですか?」
「そうだよ」
がちゃ、 とドアが開いた。
「はっはっはー!! やぁ女将!! 今日はカレーとドラゴンの鱗揚げを頂こうかな!!」
「お邪魔します」
マクスウェルと付き人が入って来た。
「!! な、 何でここに!?」
輪の人が驚く。
「あれあれあれ? 先生じゃないですか!! こんな所で奇遇ですねぇ!!」
慌てて荷物を片付けてさっさと帰る輪の人。
「あららら・・・嫌われたかねぇ・・・」
「お知り合いですか?」
「あぁ、 仕事上色々と打ち合わせを昔していたんだよ」
「あの人は何をなさっている方ですか?」
「昔、 大流行した小説を書いた人
今はまぁまぁヒットは出すけどホームランは出せない作家かな、 俺はあの人好きだけど」
「そうなんですか・・・」
「あ、 俺はカレー持ち帰りで」
付き人が呟いた。




