表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/426

閑話 年越し

「女将さん、 今日の予定は?」

「今日の予定?」


常連の盾の騎士が食事を終えた後にラビーに尋ねて来た。


「今日は何時も通りに寝ますけど・・・」

「今日は今年最後の日だぜ?」

「あ」


色々忙し過ぎて忘れていた。

例年なら年越しパーティに呼ばれているが今年は無いのか。


「そうですね・・・とは言っても何もする予定は無いですし・・・」

「そうか・・・ならば一緒に年越ししないか?」

「一緒に? ですか? 彼女さんは」

「いや、 アイツは彼女じゃないしアイツの家は旧暦なんだよ」


この世界にも旧暦は存在し旧正月の様な旧年明けと言う概念も存在する。


「あぁ・・・じゃあ如何します? 年越しに何か準備する物は有ります?」

「でぶ妖精はうどんを食べると聞いたな」

「うどんですか?」

「にょー、 おうどんたべたいにょー」 


沸き立つでぶ妖精達。


「この世界ってうどんって有るんだ・・・」

「何か言ったか?」

「いえいえ、 じゃあうどんを作りましょうか」

「うどん聞いちゃあ黙ってられないな」


外から現れる世捨て人。


「世捨て人さん!!」

「年越し一人で過ごしているんじゃないかと思って来てみれば・・・

うどんを作るだと?」

「いけませんか?」

「我々を侮って貰っては困るにょ、 うどん位作れるにょ」


胸を張るでぶ妖精達。


「最近入手したこれを使うと良い」


妙な機械を取り出す世捨て人。


「これは?」

「うどん斬る機械だ」

「うどん斬る機械?」

「そうだ、 これにうどん生地を入れると均等に切ってくれる」

「折角プロが居るんだから手で切って貰えよ」

「いや、 割と助かりますね」

「えぇ?」


機械に任せるのは悪い印象を持つ人が多いかもしれない。

しかし機械は均等に仕事をしてくれるのだ、 機械並の仕事が出来る料理人は中々居ない。


「ましてや私は麺専門の料理人じゃ無いですし」

「そうそう、 実際、 これで麺を作ると違うんだよ」

「出来れば捏ねる所もやって欲しい位にょー」

「へぇ・・・」


でぶ妖精の分のうどんも捏ねるので相当な作業量になってしまった。


「にょーにょー」


でぶ妖精達も薄力粉の中で藻掻いてうどん粉を練っていた。

何とか全員分のうどんが出来上がった。


「さて、 それではここで問題ですが、 一体どうやって食べます?」

「如何やって食べる? そんなのつゆ一択だろう、 我が家から昆布だしを持って来た」


準備が良い世捨て人。


「そうじゃなくて温かいのか冷たいのかとかだと思うにょ」

「いや、 こんな季節に冷たい奴食べる馬鹿が居るかよ」


盾の騎士がそう呟くとぽん、 と肩に手を乗せられる。


「捻りつぶすぞ餓鬼が・・・」

「えぇぇ・・・」

「と言う訳で俺は冷たいので頼む」

「はーい」


ざるうどんも中々乙な物である。

年越し蕎麦も良いが年越しうどんには太く長くという意味合いが有るらしい。

皆様も今年の年越しはうどんは如何でしょうか?


「うどんは白くてすべすべでぶ妖精も白くてすべすべ

実質うどんはでぶ妖精、 間違い無い・・・」

「いや、 それは無いよ」


そんな冗談を言いながら年越しの夜は更けるのであった。


それでは皆さん良いお年を

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ