表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

1章 2.白い世界

虫の知らせって実際に聞きますが、私の場合はただの心配症なだけです。

1章 2.白い世界



いつもの散歩コースを大村平次と付き添っている桜坂優は、この街一番大きい交差点に差し掛かろうとしていた。


(嫌な風が吹くのう)


大村平次は先程から、嫌な予感を感じていた。


(こんな嫌な感じは、弟が戦闘機で基地から飛び立った時以来じゃ)


自分の額にうっすらと脂汗が滲むのを感じながら、それでも今の自分における日課の散歩を続けていた。


(どこか、調子でも悪いのかな?大村さん。。。)


いつもと雰囲気の違う平次に、優は介護士としての目で、観察していた。


「大村さん。調子悪いならこの辺で、帰り」


ドッギャッ!!!!


「えっ!?」

「なんだっ!?」


優と平次がいる所から真横の交差点で大型トラックと普通自動車がぶつかり、凄まじい音がなり、その反動で普通自動車は優と平次の居る歩道に向かってきた。

手前にあるガードレールをなぎ倒す普通自動車から、優は必死に身体を避けようと試みる。しかし自分の横には平次が居た。


(大村さん!)


咄嗟に動いた優の右手は、平次の身体ではなく、なぜか持っていた杖を思い切り押していた。


ドンッ!

ガシャグチャガジャーン!!!



____


___


__


_


「やぁ。桜坂優くん。調子はどう?」


ぼんやりと白く広がる空間で、横たわる優に、優より小さな何かが、語りかけていた。


(_)


「あれ?もしもし?桜坂優くん?」


(__ん)


「もしもーし?桜坂優くーん?」


(あ_ふん)


「そろそろ起きて欲しいなぁ?桜坂優くーん?」


(あと5ふん)


「はよ起きんかい!ボケナス!シバキ倒すぞ!ヘヤチョコ童貞!!」


ガバッ


「うへっ!?」


予想外な言葉を浴びせられて、寝坊して慌てて起きる学生かの様なリアクションで上体を起こす優。


「やぁっと起きたんか。ヘヤチョコ童t、いや、桜坂優くん!」


優の目の前に、自身より背の低く、何やら白い羽織りをしている女の子?が仁王立ちしていた。


「ど、どちら様ですか?」


怯えつつ優は質問をする。


「ウチは。。ゴホンッ。私は神。貴方は一度死んでしまった身。しかし、本来では貴方は死にません。しかし運命のイタズラか車に轢かれて死んでしまった。しかし安心して下さい!私が貴方を救済にきました」


優を恫喝して声とは一転。猫撫声で優に説明を始める自称、神。


(????????)


頭の中で果てし無いハテナを生産し続ける優を知ってか知らずか、神は説明を続ける。


「貴方は死んでしまった為、貴方が居た世界に再び送る事は出来ませんが、別の世界に送る事は可能です。さぁもう一度新しい人生を歩むのです!」


決まった!そんなポージングで自称。神は優の前に立ち、高らかに、右手をあげていた。


(????????)


未だ事情を飲み込めない優は、絶賛ハテナ生産中であった。


「チィッ!!」

 

バチーーン!!


ポージングで挙げていた右手を、優の顔面に振り下ろしていた。


「いってぇぇぇぇ!!!」


叫ぶ優。今までの人生で、女の子に平手打ちを受けるのは、生まれて初めてであった。


「ホンマ鈍いやっちゃなぁ!闘魂注入や!!はよお礼言えや!」


理不尽過ぎて言葉が出ない優であったが、こんな変な空気だからこそ、初めて話せた。


「あの、ここはなんですか?それに大村さん!何処ですか?」

「よし!特別や!答えたる!!!ここは死後に訪れる、天国、地獄の前にある[無]の世界や!見てみい?なぁんも無いやろ?」


ここで初めて優は辺りをキョロキョロして確認する。白くぼんやりとしている以外に、何も見当たらない。

話を続ける自称。神。


「ほんで、優くんが聞いてた大村平次っちゅう老人。優くんの居た世界で事故に巻き込まれずに、ピンピンしとるで?ほれ!」


そういうと優の目の前に30インチ程のウインドウが現れて、事故後の映像が写りだす。

そこには車と壁に挟まる何かに向かって必死で叫ぶ平次の姿があった。


「あっ大村さん!そっかぁ。良かったぁ」


安心している様子の優。

それをニンマリ見ている神。


「ホンでなぁ。優くんには悪いんやけど、ホントはこの事故、アンタは助かる筈やったんや。あそこにいる大村っちゅう老人と一緒に」

「えっ!?」


驚く優に、苦笑している自称。神。


「本来では、アンタは老人の身体を押して、道端に倒れる老人と一緒の方向に倒れこむ筈やったんやけど、ナンデ杖やねん!杖を押してどないするっちゅうねん!」

「うっ。。。」


言葉が出ない優。というか、返す言葉がなかった。


「ホンで、一部始終を見てたウチが、一肌脱ごうと決めたんや。アンタはまだ死んでいい人間やない!まだまだ人生を謳歌してない!別な世界で楽しんできたらええ!」

「べ、別な世界???」

「そうや!魔法が取り巻き、前の世界より便利な事柄はちゃうけど、きっと気に入るはずや!」

誤字脱字、半角のバランスが悪い事が多々あると思いますが、よろしくお願い致します。



もう少し、作り置きありますので、投稿していきます。


読んで頂いてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ