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ラッコの「セリフ・会話」創作論エッセイ

「面白くない」という感想がきたときに、過剰に受け止めすぎず、ダメージを回復させる簡単な方法。

作者: ラッコ

こんにちは、こんばんは、ラッコです。



「なろう」で書いてたり、リアルの友人に作品を読んでもらったりしていると「面白くない」と言われること、ありますよね。



「そんなの気にしない」という人もいるかもですが、気にしちゃう人のほうが多いのではないでしょうか。



これについてですが自分、以前に本を何冊も出してる作家の方に対処法というか、メンタルへのダメージを減らす方法を聞いたことがありまして。



で、やってみたら面白かったんですよね。それは……



「自分が大好きな作品のアマゾンレビューで、星が1〜2くらいのものを読む」



というシンプルな方法です。



たとえば、自分が大好きな作品に森見登美彦先生の『夜は短かし歩けよ乙女』というものがあるんですが、アマゾンのレビューを見ると全部で426あるうち、☆1が46もあるんです。



本屋大賞2位、映画化、舞台化された人気作品ですが、11パーセントが☆1なんですよね。



で、どんなレビューがあるか見てみると……


ーーーーーー


「本や文章との相性が合わなかっただけかもしれませんが、とにかく読み進められない。序盤は登場人物である主人公2人のそれぞれの視点から語りが進んでいくが、蛇足というか凡庸というかそのような印象。中盤〜後半になれば面白さが分かるのかもしれないので、また挑戦したい」



「最初から躓いてしまいました。京都が好きなので、狐の話も読みましたが、今回のは恋愛小説なのかハチャメチャなコメディなのか、京都にすむ魔物を描いたのかさっぱり分かりません。何とか面白い展開になっていくのかと思いつつ、無理をして読み進んでいましたが、どうも私の感性では理解しがたく、途中で読むのが苦痛になりあきらめました。同じ作家の本をもう1冊買ってしまったのですが、本をにらみながら読むのに躊躇しているとこです。この本の本質が全く理解できない...時間の無駄をしてしまったような後味の悪さを覚えます」



「友人に貸りて読みました。書店で頻繁に見かけた本なのでよく売れていて面白いのかなと思っていました。実際読み始めると30ページで放り投げました。これが本屋大賞2位?がっかりです。言葉遊びでしかない語彙の羅列、ファンタジーに終始して2次元にしか思えないキャラクター、実のない内容、中途半端に頭の良い人間が妄想を小気味よく書きました感しか感じませんでした。あまりに合わなかったので記念に書いておきます。レビューにある通り好き嫌いが本当に分かれます。ジャケ買いなんてしないで中身を読み確かめてから購入するのをお勧めします!」


(アマゾンより引用)


ーーーーーー


みたいな感じです。



森見先生の魅力といえば、独特な文体、諧謔に満ちたユーモア、ファンタジーと京都・奈良の組み合わせ、阿呆大学生、詭弁を弄ぶけど結局は「彼女ほしい」的な主人公の行動原理……



と、ファン目線ではあげれば魅力をあげればキリがない感じなんですが、☆1の方々はそこが受け付けない、つまるところ、好みではないんですよね。



レビュー「序盤は登場人物である主人公2人のそれぞれの視点から語りが進んでいくが、蛇足というか凡庸というかそのような印象」

ラッコ「むしろ、その一見蛇足にも思える、知的で阿呆な表現を楽しむ作品」



レビュー「言葉遊びでしかない語彙の羅列」

ラッコ「むしろ、その言葉遊びのセンスが楽しい。好きな人からすれば一冊まるごとが宝石のようにきらめいている」



レビュー「ファンタジーに終始して2次元にしか思えないキャラクター」

ラッコ「現実感がないのがよい。現実感がないからこそ、自分を下手に投影することなく、読むことができる」



と、ファンな自分と感じてることが真逆なんですよね。



勘違いしていただきたくないのは、べつに自分は反論したいわけではないということ。感想は人それぞれであり、どれが正しいとか正しくないとかはないと思います。



なにが言いたいかというと、結局作品の良し悪しは受け手次第であり、「面白くない」ってのが、きちんと聞けば「好みじゃない」ってだけの可能性も十分にあるということです。



ありえない話ですが、もし森見先生が作品からユーモアとか堅い文体を捨て去ったら、ファン的に面白くない内容になるでしょう。



とはいえ、一個人の好みと言い切れる感想じゃなく、作品の問題点や改善点を的確に指摘してくれる感想もありますし、その場合は受け入れたほうが作品の改善にもなるでしょうけど、



書き続けるうえではモチベーションの維持は一番大事なんで、感想を間に受けすぎないメンタルも必要なのかなと感じたりするわけです。



もっとも、そもそも知らない人から感想をもらえた時点で「目には入った」「わざわざ労力をかけて書いてくれた」のは事実なんで、それより辛いのは「感想はもちろんのこと、PVすらほぼない」みたいなことかもしれませんが。



まあなにが言いたいかというと、善意で書いてくれてる場合が大半だろうから、感想を深刻に受け止めるあまり、エタるのはなるだけ避けたいよね、という感じです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白い
[一言] なるほど……試してみます。
2019/01/12 10:05 退会済み
管理
[良い点] 成る程。 その作家の個性であり、売りであり、評価ポイントも、マイナスに見られるのか。 大好きな作家の作品のアマゾンレビューを見るのが怖くなりました。 [一言] 良い方法ですね。 広まればい…
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