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捨てられ世界の国造り〜3つの力で頑張ります〜   作者: マメ太郎
異世界の無人島と青の守護者
9/10

成長と召喚


 森の泉の探索から戻って2日が経った。

 

 あの大王カエルとの激戦により、うちにはある変化があった。

 まずはそれを話しておこう。


 森から戻ったその日は、約束通りオークの肉で焼肉パーティをして皆で盛り上がった。

 そして変化があったのは次の日の朝のことだった。


「あれ? 何かムサシが急に大きくなっちゃってる?」


「ゴブゴブ!」


「えっ! 昨日夜の間に進化したって!」


「ゴブゴブ」


 ムサシはそうだと頷く。

 ムサシだけではなく、よく見ればウルフもゴブちゃん達も姿が変わっているではないか。

 確認して見ると、


 ムサシ HN lv15

 種族 ゴブリンリーダー

 スキル

  集団指揮

  刀術


 ウルフ HN lv15

 種族 ハイウルフ

 スキル

  気配察知

  かみつき

  

 ゴブリン HN lv9

 種族 ゴブリンソルジャー

 スキル

 集団戦闘

 射的


 だって。


 進化したことには純粋に驚いたけど、まぁ自分たちよりも強い魔物とあれだけの戦いをしたのがからそれなりの経験値を稼いでいてもおかしくは無い。

 ムサシは身長が倍位に伸びて角と牙も少し長くなって、子供から少年に成長した感じでまだまだかわいらしさも残っている。

 進化する前の経験からかスキルも2つ獲得していた。


 ウルフは中型犬から大型犬のサイズへと成長を遂げていた。

 黒かった毛並みは灰色が混じった白に近い感じに変わり、スキルもムサシと同じく2つ獲得していた。


 ゴブちゃん達はムサシとは違う種族へと進化を遂げた。

 ゴブリンソルジャー.....兵士である。

 ムサシがゴブリンリーダーに進化したことを考えると、スキルのことも含め進化前に積んだ経験によって進化後の姿もそれぞれに違いがあるようだ。

  

 精霊の泉の探索に同行したメンバーは全員が1ランク上の種族に進化した。


「おぉ、進化したのか。 これでお前達も戦士として一段階段を上る事が出来たわけだな」


 マウリはそう言って進化した連中を褒める。

 ムサシ達が進化したことで俺も召喚リストを確認してみたら、進化後のムサシ達と同じ種族が召喚リストに新たに追加されていた。

 どうやらリストの追加は召喚だけでなく、進化もその範囲に含まれるようだ。


 何にせよ、進化したことで強くなったムサシ達は、朝から早く自分達の力を試したくてウズウズしていたので早々に森に入る許可を出してあげたらあっという間に出て行ってしまった。 留守番役に召喚したはずのゴブリン達も何故か一緒に連れて行かれてしまった。 追加で装備は取り寄せて渡してあるが、ムサシ達は完全な狩猟部隊になってしまった気がする。 この際だから正式にムサシ達ゴブリンチームをうちの狩猟部隊として任命して森の探索の方はお願いするとしよう。

 昨日あんなことがあったのだからゆっくり休んでもよかっただろうに。

 と、思ったらウルフもマウリを引っ張って浜辺の方でトレーニングを始めていた。

 お前もかウルフよ.....。


 森に行っていた奴らはこんな感じ。


 で、留守番組みだった方はこれと言って報告することはなかく安全な留守番だった。

 忙しくなったのは次の日から。

 精霊の泉の場所も確認出来たので、ゴーレム君達には、泉に向かって木を切って道を作るように指示はしてある。 大王カエルとの戦闘で俺の神力も予想以上に成長したので、追加でゴーレムを3体増やした。 土木作業は、目下一番時間が必要な仕事なので計5体での作業は格段に効率がましたと言える。

 なので、数日の内には泉まで道が切り開かれると思われるので、そこから今度はノームにお願いして泉を荒らさないように水路を繋げてもらって家に泉の水を引っ張って来てもらう。

 精霊の泉には、予定通り社を作る予定でいる。

 マウリに聞いたら、精霊は甘い物が好きだと言っていたので御菓子でも取り寄せてあげようと思う。


 同時に家の方も増築した。

 具体的には保存庫。


 昨日森で狩ったオークの肉は、焼肉パーティでかなり消費されてはいたが元がデカイのでまだ数十キロ単位で肉は残っている。

 それを保存する為に、家の直ぐ横に新たに小屋を建てて食料を保存庫を作った。

 小屋にはマウリの結界が張られているので、外から盗みに入られる心配もなく同時に中の物が劣化していくことも防いでくれる。

 大きな冷蔵庫みたいな物があれば楽なのだろうが、取り寄せの制約で家電製品は取り寄せれないのでこういう形を取る。 それでも、魔法とは実に便利なもので結界を張るだけで時間経過を止める事が出きるのだから凄い。

 だって、賞味期限とか気にしなくていいんだからね。


 と言う感じのことがあり、俺がここに来て早くも10日が経った。

 10日が経ったということはつまりそう言うことである。


「新しい仲間を召喚します」


 俺は朝皆を集めてそう宣言した。

 10日は召喚の回数を持ち越せる最大日数の日なので、今日召喚しないと一回分の召喚を無駄にしてしまうことになってしまう。


「ついにこの日が来たのだ。 私にも後輩が出来るのか.....楽しみだな」


 マウリはこの中では一番最後に召喚されたから他の仲間が召喚されるのを見るのは初めてになる。

 ムサシ達は一度見ているせいか、そこまで興奮した様子はないが、それでも新しい仲間が増えるとあって嬉しそうにしている。

 

「そんじゃ、早速行くよ。 ガチャ発動!」


 例によってギフトを発動させると、アッシュ達の目の前にはガチャポン機械が出現する。

 皆がそれを不思議そうに見つめる中、アッシュはガチャポンについた取ってをクルリと回す。


 すると、ガチャポンの中身がグルグルと回り始め、排出口から色のついた玉をポンポンと排出して行く。

 その数は10個。

 排出が終わると、ガチャポンは役目を終えたとばかりにポンっと煙と共に消えてしまった。


 残された玉を一つ一つ確認していくが、今回は虹色の玉はなかった。


「フム、私もあのようにしてこちらに召喚されたのだな」


「実際、向こうから召喚されるのはどんな感じだったの?」


「突然体が光に包まれたと思ったら、何時の間に自分の体に魂を入れられて白い空間を漂っていた。 おそらくは、その白い空間がこの玉の中だったのだろうが、何とも不思議な感覚だったことは覚えている」


 排出されたのは、白が3つに青が2つ、黄色が1つに緑が1つと、赤が1つに金が2つだった。

 つまりは、SR以上が3つも出たと言うことになる。

 

「おぉ、自分のガチャ運にビックリだ」


 いくら10連ガチャの方がレア度の高いものが出る確率が増すとは言え、そう簡単に出るものでもないと思っていたのでこの結果にはビックリだ。

 でもまぁ、それを言ったら初回の時にSR以上確定でLを引き当てているんだから、2回続けて引きが良かったことになるのかな...。


 フッ、自分の引きの強さが怖いぜ。


「では中身を確認していこうか。 まずは白からね」


 スライム N lv1

 種族 スライム

 スキル

 消化


 ×3匹。

 白は全部スライムだった。


 スライムの体は、青くてもちもちしていて触るとヒンヤリしていてとても気持ちが良かった。 プヨプヨと体を震わせて動く様も、見ていてとても和んだ。

 そして、Nにも関わらず最初からスキルを1つ所持している。 消化の能力は、体内に取り込んだ物を消化液で溶かして吸収するというスライム体を生かしたものだった。

 スライムは体内に入る物なら何でも食べるらしいので、スライムの仕事は掃除屋で決まりかな。


 次に青の玉。

 ここで少し問題が発生する。

 

 ゴードン夫婦 HN

 種族 人間

 職業 農夫

 スキル

 農耕 


 エドワード夫婦 HN

 種族 人間

 職業 漁師

 スキル

 操船

 釣り


 なんと、玉から出てきたのは人間。

 それも、共に奥さんと子供を連れた夫婦。

 いや、マウリも人間ではあったけども.....一体何故にこんなことが起きたのだろう?


「始めまして国王様。 オラは農夫のゴードンっていうだ。 畑いじり位しか出来ねぇが頑張って働くだでよろしく頼むだ」


「俺は漁師のエドワードだ。 海のことに関しては俺に任せときな。 毎日美味い魚を捕ってきてやるかよ」


 ゴードンとエドワードは然もこの情況が当たり前のような対応を見せる。

 俺は何が何だか分からなくてパニックだ。


「マウリ~」


「ウム、私に聞かれても知らないぞ。 ただ、私と同じように神様に拾われた存在。 そういうことじゃないのか?」


 そういうことと言われましてもねぇ....。

 ちなみに、召喚リストの方を確認してみたけどスライムの名前が増えているだけで他に変化はなし。

 つまりは人間は神力で増やす対象外であるということ。


 うん。 これに関して言えば、いくらなんでも神力でクローンみたいに人がポンポン作れたら問題だから納得は出きる。

 それにおそらく、ガチャで召喚する以外での召喚にはモンスターに限るとか、それに近い感じの制約がかかっているように思う。 モンスターは一応種族という形で一つに括ることは出きるが、人間は人間と言っても一人一人性格も違えば考える力を個々に持っているのが人間だ。

 確かにここでの生活は、使徒として神になる為の修行であるが、神にもなっていない俺が人間を創造するなどという行為を簡単に行っていいはずがない。


 確かな事は言えないが、そういう俺には知らされていない複雑な事情があるのだと思う。 ゴードンとエドワードが召喚されたのも、その辺りのいろいろな事情があっての事だと思うことにしておこう。


「何で人間まで召喚されるのか知らないけど、召喚されて来た以上は仲間として扱うよ。 俺はアッシュ。 まだ国も興してない状態だから、国王様とかそんなんじゃなくてアッシュって名前で呼んでくれていいからね」


「おぉ、何ともお優しい方だべ。 これからオラ達はアッシュ様に何処までもついていくだべ」


「おうともよ」


 とりあえず二組の夫婦には住む場所を用意する。

 急遽、ゴーレム君とノームを2体づつ召喚して新しく家を建てる為にスペースを作って貰うことにする。

 細かい木の切り出しは、ゴブリンを追加で召喚して人海戦術で急ピッチで家の建築に取り掛かる。

 こんなことになるなら2、3軒家を予め建てておくんだったな...。


 まぁ、誰もこんなの予想してなかったから仕方ないけど、次回からは人が召喚されることも視野に入れることにしよう。


 そんな感じで、召喚した二組の夫婦には取りあえずゆっくりとしてもらうことにして先に進もう。




 ワイバーン R lv1

 種族 下級ドラゴン

 スキル

 飛行

 ブレス

 

 黄色の玉から出たのはワイバーン。

 羽の生えたトカゲと言った感じだ。 

 特徴としては、体は小さいが人一人位なら乗せて空を飛ぶことが出来る。 さらに、ブレスで火も吐けるので戦闘面でも中々に役立ちそう。

 森を進むよりも、空から島を見る事で島の全容がもっと分かるかもしれないから、今度ワイバーンに乗って空を飛んで見るのはありだね。



 セイレーン HR lv1

 種族 水の中級精霊

 スキル

 癒しの光

 聖域の歌声

 水の加護


 緑色の玉から出てきたのはセイレーン。

 青く長い綺麗な髪に柔和な笑みを浮かべるお姉さん系美人の精霊だ。

 癒しの力に特化していて、病気や怪我を治せる他、その歌声は聴く人の心を穏やかにして体の疲れまでも癒してくれる美声の持ち主。

 さらに、水に関連する災いから周囲の者を守る加護まで持っている。

 ただ、惜しむべきは精霊は人間の言葉を理解することは出来るが人間の言葉を話すことは出来ないらしく会話は出来なかった....。

 それでも、セイレーンの登場で病気や怪我心配が減り、歌という娯楽までもたらしてくれた。


 何より、家に美人が一人新しく加わった。


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