美人な騎士は実は
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マウリ・クロックナイト L
種族 人間 女
職業 魔法騎士
固有スキル
神纏
スキル
四属性魔法(火・水・風・土)
聖魔法
結界魔法
身体強化極
ソードマスター
状態異常無効
忠誠
だって。
レア度がLのせいなのか、マウリのステータスは先に召喚された奴らとは少し異なっているようだ。
具体的には、まずレベル表記が存在しない。
多分これは、他の奴らはまだ進化の過程で成長の可能性があるからなんだろうけど、レア度最高位のLであるマウリはこれ以上進化することがないからおそらくレベル標記がないと思われる。
そして、マウリは俺が召喚した中では初めての人間だ。
区分するならば、ゴブちゃんとウルフはモンスター、ノームは精霊、ゴーレム君は....人形?機械? とまぁ、見て分かるとおり言語を話す人はマウリが始めてということになるわけだ。
だからなのか、性別が付いている上に職業なる変わったものまで付いてきている。 それだけ見ても、人間とそれ以外の召喚にはステータスに何らかの違いがあるようだ。
まぁ、マウリの姿からして騎士なのは分かるけど魔法騎士って.....何かカッコイイな....。
果たして職業なるものはどんな影響があるのかは後でマウリ本人に聞いて見ることにしよう。
それにしても......スキル多くね?
何? 固有スキルって?
それに、属性魔法を四つも使えて、その上位っぽい聖と結界なる魔法まで使えるの?
チートキャラ?
いや、流石はレア度最高位のLってことか。
能力が半端ないっす。
そして何より際立っているのがマウリの容姿だ。
悪く見ても美人。
よく言えば超美人。
どっちに転んでも、間違いなく男を釘付けにする容姿をマウリは持っている。
身長は女性としては高めで俺よりも少し低いくらい。
目鼻立ちは凄いくっきりしていて、青いスカイブルーの瞳に艶のあるピンクの唇が凄く印象的。 髪は肩口辺りで綺麗に揃えられていて、鎧の上からでも分かる抜群のスタイルをしている。
そんな最上級の美人が目の前に現れれば、流石の俺でも言葉を失ってしまうのは仕方のないことだろう。
「......」
「どうした主殿? 顔が赤いぞ?」
「....な、何でもない。 ただちょっと君の顔に見惚れてただけだから.....」
「私の顔にですか? フフ、何もそんなに照れて顔を反らさなくても、私などでよければ主殿ならじっくり見てもらっても大丈夫ですよ。 なんなら、この邪魔な鎧も脱いで裸も見せましょうか?」
「!! う、嬉しい誘いだけど結構です!! それ以上はホントに狼に変身しちゃうから俺を刺激するのはやめて!」
くっ、静まるがいい我が息子よ。 今はまだその時ではないぞ。 何れ訪れるその時まで待つのだ息子よ。
そしてウルフよ、俺が狼に変身するとは言ったがお前と同じ姿になるわけじゃないぞ?
だから、そんなに嬉しそうに尻尾を振って擦り寄って来ても違うからね? 意味が違うからねホントに。
そしてマウリはそれを見て笑うんじゃありません!
この展開にさせたのはあなたでしょうが!
「フフ、主殿が私に反応するものだからつい冗談が過ぎてしまった。 すまない。 許してくれ主殿」
「元々怒ってないから気にしてないよ」
「そうか。 だが、私が必要になったら何時でも呼んでくれていいぞ主殿。 神様からの説明で、召喚されたら主殿ことを頼むとお願いされているからな」
だからその顔で俺を誘うのやめて!
また息子が暴れだし......
「.....くっ、何か召喚されてすぐの人にいいように扱われて俺氏傷ついたかも.....。 と言うか、さっき神様から説明がどうとか言ってたけど君もあのトカゲにあって何か言われたの?」
「トカゲとはまた.....あれでも神様なのですから、もう少し丁寧に扱ってあげないとダメですよ主殿」
「いいよ別にあれの扱い何てトカゲで。 それより、その主って呼び方どうにかしない? 俺、そういう主従関係みたいな関係望んでないんだよね。 だから、召喚した子達は種族とか上下関係とかそんなの関係なく皆家族で仲間だと思ってる。 俺も君のことはマウリって呼ばせてもらうから、マウリも俺のことはもっと気安くアッシュって呼んでくれていいよ」
「フム、主殿がそれをお望みとあれば私はそれに従おう。 だが、私は長年騎士として人に仕えて来たこともあってどうにもこの口調をすぐには直せそうにはないのです」
「まぁ、それなら仕方がないのかな? でも、あんまり堅苦しいのはやめてね俺も疲れるから。 後、俺を誘うのも禁止ね。 男は何時だって紳士に女性と向き合いたいものなんだからね」
「承知しました。 では、その紳士様に私も早く閨に呼ばれるようひっそりと誘惑することにしましょう。 フフ」
だから誘惑しないでってば!
これじゃぁ、魔法騎士じゃなくて性騎士じゃないか!
美人は何やっても美人何だから自重してホントに!
でも、その妖艶に笑う感じも悪くないかも......
「......で、話を戻すけど、マウリは召喚される前にあれに何か説明されてたみたいだけどどんなことを言われたのか教えてくれる?」
「はい。 まず、前提条件として主殿が神様から授かった力で召喚した私達は主殿に絶対の忠誠を誓っているというのをご理解下さい。 というのも、私を含め今この場にいるもの達は皆、現在使徒様が修行に使われている地に住んでいた者たちなのです。 主殿もお聞きになっていると思われますが、私達の住んでいた場所は諸々の事情により世界から破棄されることが決まっていた世界です。 破棄の理由はそれぞれですが、本来そこに住んでいた私達は世界と一緒に破棄されるはずだった所を、主殿の力の助けとなることを了承することで破棄を免れ命を救われた者たちが私達なのです。 ですから、私達は召喚されて主に呼ばれた時から主殿には絶対の忠誠を誓っております」
マウリのそれに対して先に召喚した奴らもウンウンと頷いているので嘘ではないらしい。
「ちなみにですが、私達の力は以前の生活で培ったものを元にして神様が新しく構築されたものです。 それが主殿の力であり、レア度という形で私達の能力を簡単に表してくれています。 こう言ってはあれですが、私もこう見えて以前は英雄とまで言われておりましたので腕に少々自身を持っております」
まぁ、そうだろうね。
仮にもレア度が最高のLに該当するんだからそれぐらいマウリが凄い存在だったって言われても別に驚くことはないかな。
むしろ、俺が気になったのはマウリを含めこいつ等が一体どこから召喚されてきたかってことの方だ。
確か、神様の話だと俺がいるこの無人島には人はいないはずで、人がいるのは他の使徒が修行の場として使っている場所だけのはず。
とすると、マウリ達は他の使徒がいる別に場所から俺が勝手に召喚して連れてきたってことになるのかな?
だとしたらこれって誘拐になる?
他の使徒の場所から人を攫って問題になったりしないよね?
そこんとこどうなのマウリ?
「主殿は、私達を他の使徒様の場所から召喚したのでは? と思っているかもしれませんがそれは違います。 何故なら、私達は世界が破棄されることが決まった折に一度以前の生を捨て、魂だけの存在となって神様の元で待機させられていましたから。 勿論、この体は破棄される前の私の体で間違いはありませんが、それは召喚の際に神様が用意してくれた体に魂を戻したということであり決してそれは主殿が他の使徒様から私を奪ったというわけではありませんので問題になることはありません。 ですが、強いて言うなら私と同じように主殿の召喚を待っているものが向こうにはまだまだたくさんおります。 今回は、運良く私が人として一番最初に召喚されましたが、向こうで待っている者からした私に対する嫉妬がもの凄いことになっているでしょう」
あ、そうなんだ。
他の使徒と揉めることがないならいいけど。
「ちなみにだけど、俺が召喚で呼ぶのを待っている人はどれくらいいるのかな?」
「そうですねぇ....私と同じような強さを持ったレア度Lの者が後4人程いますね。 いえ、私は既に召喚された身なので実際は後3人ですかね。 私が付き合いがあったのはその人達だけなので他の者にどういった方がおられるかは存じていません。 ですが皆、主殿に召喚されるのを心より待ち望み、主殿に会えるのを楽しみにしている者ばかりです。 言うなれば、主殿は私達の救世主ですからね」
「救世主って大げさな.....あれに何を言われたかわ知らないけど、俺ってばそんな大層なやつじゃないよ?」
「いえそんなことはありません。 主殿がこの召喚の力を神様に願わなければ私達は皆世界と共に破棄されることが決まっていたのですから。 正直、最初に神様に世界の破棄の知らせを聞かされた時は信じられませんでしたが、実際、私達の世界は禁忌を犯し衰退の道を辿っていたのも私達は同時に見ていましたので結果としてそれを受け止めることに時間はかかりませんでした。 と、同時にこのまま世界と共に自らも破棄される未来を受け入れるつもりでいたのですが、そんな折に神様から主殿ことを教えられその手助けをするように頼まれたのです。 捨てるはずだった命を救って貰える上に、過去の過ちを悔い改め、新しく神になられる方のお側で働くことを許された。 それだけで私達は本当に救われた気持ちになったのです」
いや.....何か凄い覚悟を持った話をしてくれてるのにごめんね。
俺、あんまりなんも考えずに一人が寂しいってだけでこの力を選らんだんだけど、実はとんだ裏話が存在してたなんて知らんかったです....。
だからそんな希望に満ちた目で見られると辛いっす。
どうか私をそっとしておいて下さい。
「.....そうなんだ~。 なら、他の皆も早くこっちに呼んで上げられようにしたいとだね」
「そう言っていただけると向こうで召喚を心待ちにしている皆も喜んでいると思います。 つきましては、まだ他に人が足りない分私が全力で主殿を支えさせていただきます。 どうぞこの体を主殿のお役に使ってやってください」
マウリはアッシュの前に跪いて、まるで騎士の誓いでもたてるかのように頭を垂れる。
「いや、そんなことしなくてもいいからねマウリ。 さっきも言ったけど、俺は召喚したものに忠誠とかそんなの求めてないの。 俺が求めているのは、この広い無人島で一緒に笑って、遊んで、楽しく暮らしていける仲間と家族だけ。 つまり、マウリはここに召喚された以上俺とは既に家族であり仲間ってこと。 それいがい俺は求めてないの。 ということで、ほら、立って立って」
「フフ、主殿は神様から聞いていた通り実に面白い方だな。 欲に塗れた奴なら私のことを人目見ただけで放ってはおかないだろうと言うのに.....。 だがまぁ、そんな主殿だからこそ私は召喚されることを受け入れたのだがな」
そう言ってまたフッと笑うマウリ。
美人が笑うとやっぱり絵になるよね。
「フム、主殿は私のことを家族と言ったな? ならば、見た目私の方が年上のようだから家族構成的には私が主殿の姉と言う事になるのかな?」
「そうなるのかな? まぁ、俺は弟でも兄でもどっちでもいいけどね」
「フム、ならば私が姉ということにしましょう。 そして私は弟を全力で守り、甘やかすことにします」
「ちょ、何故いきなり抱きついてくるし! 離れて離れて!」
「フフ、弟を愛でる姉。 悪くないなこの感じは。 と言うことで主殿。 いや、アッシュよ私と共に姉弟愛を深めあおうじゃないか!」
「いやー! 誰か助けて! 襲われるー! 変態騎士に連れて行かれるー!」
この時アッシュは思った。
マウリは絶対性騎士だと。
そして、これからさらに召喚されてくる者がマウリと同じじゃないことを切に願った。
ついでに言っておくけど何もなかったからね。
いや、ホントに何もなかったんだからね!
大事なことなので2回言っときました。