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捨てられ世界の国造り〜3つの力で頑張ります〜   作者: マメ太郎
異世界の無人島と青の守護者
2/10

アッシュ無人島に立つ!

 

 アッシュは静かな無人島の砂浜に立っていた。

 ただし、全裸でしっかりとポーズを決めた状態で...。


「う~ん、やっぱり裸で浜辺でポーズは良くないね。 誰かが見てたらヘンタイ扱いされちゃうよねこれ。 まったく、神様も気きかせて服の一つや二つ着せてくれれ良かったのに。 使えないなあのトカゲ」


 アッシュが軽く神様のことをディスる。

 何処か遠くの方で『だしだし』文句を言う声が聞こえたような気がしたけど、きっと空耳だね。 うん、間違いなく空耳だ。 えっへん!

 ツッコミ役がいないことをいい事に自己完結して決め付けるアッシュであった。


「さてさて、まずは何をするにも全裸はマズイよねこれ。 なら、力の確認もかねて服でも取り寄せて見ますか。 でもその前にお約束のステータス!」


 何がお約束かは分からないけど、アッシュの中に残る無駄知識の一つがそうしろと訴えかけて来た。

 そんでもって叫んでみたらこんなんでました。



 アッシュ・グレイ 

 種族 神の使徒

 神力 100/100

ギフト

  ・取り寄せバック

  ・出て来い俺の仲間ガチャ

  ・何時か究極完全体ボディ


 ギフトってのが貰った力のことだと思うんだけど、何このダサいセンスの欠片もない名前。

 一体誰が考えたんだよ.....いや、犯人は一人しかいないか。


「あのトカゲマジ使えねぇ」


 嫌味を込めてメッチャ渋い顔で言ってやりました。

 そしたら何か、また遠くの方で『だしだし』うるさい声が聞こえた気がしたよ。

 まさか覗いてんじゃないだろうなあのトカゲ。

 覗きは犯罪だぞ。

 ま、いいけど。


「さて、このダサいあれな名前については見なかったことにしてと、力の使い方はっと......うん、ちゃんと俺の頭にあるね」


 神力を込める。 神力は体の中心になんか勝手に溜まってる感じ。

 で、その神力を消費して欲しい物を頭に思い浮かべ、後はその取り寄せる物に応じて神力が減ると。

 気をつけないといけないのは、今の俺の神力を超える物は取り寄せれないってことと神力が0になると一定の神力が回復するまで気絶状態になるってことだね。

 神力は睡眠や時間経過で徐々に回復するみたいだし、神力を使うことで神力の上限もアップするみたいだ。

 うん。 これは倒れない範囲で積極的に活用しよう。


「と言うことで、洋服カモン! ついでに下着もプリーズ!」


 アッシュが取り寄せたのは動きやすい服の代名詞ということで上下黒のジャージセットに無地のTシャツとトランクス。 追加でスニーカー。

 これに関して言えば、ジャージは異世界召喚された冴えない男子が着ていそうなお約束だからと言うのもあったが、ここは無人島である。 これから先、島を探索しようと言うのにお洒落な服で歩き回るのはさてどうなのだろうかと考えた末のものだ。

 けして俺に服のセンスがなくて思いつく服がなかったとかそういうのじゃない。 断じて俺に服のセンスがないわけではない。 大事なことだから2回言っておくことにする。

 後、トランクスは俺の趣味だとも言っておこう。


「う~ん今ので使った神力は5か。 必要な物は取り寄せれるとは言え、今の状態であんまり何でもかんでも取り寄せちゃうと直ぐ神力が尽きるなこれ。 取り寄せるのはホントに必要な物だけにして、同時に神力を上げていくことをしないとだめだね」


 そう言うとアッシュは、取り寄せた服に袖を通した。

 これで見かけには、無人島に召喚されたどこかのニート君の完成だ。


「.....やっぱり、浜辺に長袖ジャージはミスったかも。 定番とは言え、せめて半袖のやつにしとけばよかったかな.....普通に熱い」


 かと言って、無駄な取り寄せはしない。

 早々にアッシュは上のジャージを脱いでそれを腰に巻くスタイルに服装をチェンジすることにした。

 これで頭にタオルでも巻けば、熱さにダレるおっさんニートにジョブチェンジできるかな。 そんなジョブがあればだけど....。


「さてさて、残りの二つのギフトも確認しないとだけど、体に関しちゃおいそれと確認で傷つけるわけにもいかないから放置だね」


 だって、どんなものにも対抗できるとは言えいきなり毒とか飲むわけにはいかないでしょ?

 痛いのも死ぬのもNO サンキューですから! 残念!


「ということで、残ったガチャの確認をしよう。 やっぱり、ツッコミ役の仲間がいないと一人じゃ寂しいからね♪」


 出て来い俺の仲間ガチャの詳細はこうだ。



・ガチャで召喚されたものは召喚主に敵対することはない。召喚主の命令には忠実に従う。


・ガチャを回せるのは一日一回。 ただしその日に回さなかったガチャは次の日に持ち越され同時に引く事が出来る。 持ち越せるのは最大で10日。 複数回同時に引くことでレア度の高いガチャが出る確率が高くなる。 これで召喚されたものに関しては神力は消費されない。


・一度ガチャで召喚されたものはレア度に応じて神力を消費することで数を増やすことができる。 レア度の内訳は N<HN<R<HR<SR<SSR<L の順に上がる。 当然レア度の高いものほど排出率は低くなる。


・ガチャで召喚されたものにはレベルという概念が追加される。 レベルが上がることで上位のレア度の存在に進化することができる。 ただし種族によって進化有無は異なり進化出来ないものも存在する。 


・ガチャで召喚されたものには召喚主とは違う固有の能力が宿る。 


・ガチャで召喚されたものは召喚主が使徒である間は召喚主と同じく死ぬ危険性を持つ。 召喚主が使徒の状態で死ぬとガチャで召喚されたものも同じく消滅するがガチャで召喚されたものが死んでも召喚主が死ぬことはない。



 ざっくりと分かったのはこんな感じ。


「うん。 今更だけど、ここでの一日って何時間よ? 後、一年って365日なのかな?」


 そこんとこどうなのよ神様......返事がないまるでただの屍のようだ。

 って、そりゃ当たり前か。

 ま、一年経ったらまた知らせてくれるって言ってたから気にしてもしょうがないか。


「それよりも、神様も気が利くサービスしてくれるじゃん。 『初回限定サービス10連ガチャ! 必ずSR以上が当たるサービス付き!』 こんなの用意してくれてるんだからね」


 いや~ありがたやありがたや。

 これは神様に足を向けて眠れないね.....神様がどこにいるか知らんけど。

 

「てなわけで早速。 ガチャ発動!」


 ギフトを発動させたら目の前にご丁寧に大きなガチャポンの機械が出てきたよ。

 こった演出だね~♪


 そんで、機械の真ん中についた取っ手をグルッと回したら中に入ってる色とりどり玉が一斉に回りだして、排出口からポンポンと玉が飛び出してきた。

 その数ちょうど10個。


「おぉ~何か一杯でたし」


 無色の玉が6つに青が2つ、黄色が1つ、そして虹色に輝くいかにもレア度の高そうな玉が1個でた。


「う~ん、これは色でレア度が分かれてる感じなのかな? 感覚的に、無色はNで青はHN、黄色はRかHR位かな? となると虹.....うん、楽しみは後に取っておいて数の多い方から順に開けていこう」


 ということで、無色の玉を手とって玉を捻る。

 パコッというかわいらしい音がして玉は簡単に開ける事が出来た。

 そして、開いた玉から光と共になんか出てきた。

 

「ゴブゴブ」


 身長70cm位の小さな緑色の体をしたこいつ。

 ガチャで召喚した奴の詳細は調べることが出来るから調べてみた。


 ゴブリン N lv1

 種族 子鬼 

 スキルなし


 だって。


 見かけ子供だけど、口の端には小さな牙があるし小さいけど角もある。

 うん。 こりゃ確かに子鬼だね。

 でも、何と言うかそれほど見た目が醜いわけじゃなくて、ただホントにちっちゃな子供みたいで結構可愛い奴だ。 種族的なことを言えば、多分人間じゃないからモンスターとかの分類になるんだろうけどそんなのどうだっていいか。

 召喚した奴は皆仲間で俺の家族。 それだけさ。


「俺が君の召喚主のアッシュだ。 これからよろしくな」


「ゴブゴブ!」


 アッシュが手を差し出して握手をしてやったら、ゴブリンは何か嬉しそうに鳴いて手を掴んで来た。

 仲良き事は良きかな良きかな♪


「さて、他の奴らもお前と同じように玉から出してやらないとな。 喜べゴブちゃんすぐにお前と同じ仲間が増えるぞ」


 アッシュは無色の玉から順に次々と玉を空けていく。

 アッシュの横では、ゴブリンがそれを楽しそうに飛び跳ねて見ている。


 ゴブリン ゴブリン ゴブリン ゴブリン ウルフ 無色の玉の最後でゴブリンじゃない狼を引き当てた。 見た目中型犬と同じ位のサイズで黒い毛並みをしたモフモフな奴だ。 よし、ペットは君にしよう。

 思った通り無色の玉はNしか出てこなかったことを考えると、多分色でレア度分けされているのは確実かな。


 次いで青の玉を空ける。

 すると中から出てきたのは、ゴブリンよりもさらに小さな手乗りサイズの小人。


 ノーム HN lv1

 種族 土の下級精霊

 スキル

 土魔法 


 だって。


 今度出てきたのはノーム。 土の精霊さんだった。

 見た感じゴブリンよりも弱そうに見えるけど、スキルがある分だけゴブリンよりもレア度が上なのかな? 

 でも、どう見ても戦闘には不向きだよねこの子。

 まぁ、土魔法が使えるみたいだから畑とかの管理? とか、そっちのほうで役立ちそうな感じの子だねきっと。


「よろしくねノーム。 俺はアッシュだ」


「!!」


 ノームはどうやら喋れないみたいで、体全体を大きく動かしてのボディランゲージで感情を表している。 こいつもまた可愛い奴だ。

 ちなみにもう一個の青もノームだった。

 うん。 最初なのになんか被りが多いのは俺の運のなさかな? まぁいいけどね。


 次いで黄色の玉を空けたら、今度はデカイのが出た。

 それがこいつ。


 ゴーレム R lv1

 種族 人型人形

 スキル

 再生 

 物理攻撃耐性


 だって。


 身長は俺よりもデカイ2mほど。

 体の表面は石で出来ているのかゴツゴツしていてとても硬い。 でも、みるからに力はありそうで強そう。


「よろしくなゴーレム」


「ゴゴゴォ!」


 うん。 マジで力が強い。 握手で手が握り潰されるかと思った.....。 

 君の役目は力仕事で決まりだねこれは。


「さてさて、それではお集まりの皆さん。 そろそろメインイベントに移りたいと思いますが準備はいいかな?」


「ゴブゴブ!」「ワフッ!」「!!」「ゴゴゴォ!」


「うんうん。 皆も待ちきれないみたいなので早速いちゃいましょう!」


 と言うことで、最後に残していた虹色の玉です。

 おそらくは10連ガチャの当たり。

 はてさて、どんなのが召喚されてくるやら楽しみですねなぁ~。


「いざ、尋常に!」


 虹色の玉を開くと、それまでに召喚した奴がまるでうそのように眩しく強い光を放ち、その姿を俺の目の前に具現化させていく。

 そして俺は、目の前に召喚されたものを見て意識を奪われることになった。

 何故なら、


「始めましてでいいのかな? 私の名はマウリ。 マウリ・クロックナイトと申します。 以後お見知りおきを我が主殿」


 アッシュの前には、銀製の鎧に身を包み、腰に立派な剣を携えた飛びっきりの美人な騎士が立っていた。


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