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捨てられ世界の国造り〜3つの力で頑張ります〜   作者: マメ太郎
異世界の無人島と青の守護者
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成長と召喚2

さて、メインはここからである。


「いよいよSRか。 さて、何が出てくるかな.....」


 赤い玉を開くと、それまでよりも強い光が発生しアッシュの前に召喚者が現れる。


「ほぉほぉ、以外にワシが呼ばれるのも早かったのぉ」


 召喚で現れたのは、立派な顎鬚を生やした怪しいローブを纏った老人だった。


「主がワシの召喚主か? ワシはクルジット・ケイカス。 泣く子も黙る天才錬金術師とはワシのことじゃ。 クル爺とでも呼ぶがいい」


「.....はぁ」


 クルジット・ケイカス SR

 種族 ハイエルフ

 職業 天才錬金術師

 スキル

 鑑定眼

 四属性魔法

 付与魔法

 錬金

 調合

 物質融合


 だって。

 案の定スキルが多い。

 その上、またしても人間の召喚者であった。 まぁ、人間ではなくハイエルフという種族らしいけど、人間との違いは人間よりも耳が少し長い位で身体的違いはそこまで見受けられない。

 確かエルフは、魔法に精通した種族だって聞いたことがあったけどクル爺もそれに漏れず魔法がかなり使える。

 さらに言えば、自分で自分の事を天才錬金術師だと言っていたのが、職業にまで何故か反映されている。

 

 錬金術とは、無から有を生み出す生命の秘術である。

 とか、前にそんな事も聞いたことがあるけど本当の所どうなんだろうね。


「本当じゃぞ。 やろうと思えば、材料さえあればお前さんのホムンクルスだって作れるぞい。 何せワシ、天才じゃからな」


「心を読まれた!」


「ほぉほぉ、そんなことせんでも、顔にワシが胡散臭いと出ておったから言うただけのことじゃ。 ま、確かにワシのやっていることは知らん者が見れば異端とも見てとれる行為じゃ。 そのせいで、前の世界でも酷い扱いをされたもんじゃ。 天才故の孤独というやつかの」


「.....はぁ」


「分からんと言う顔をしておるのぉ。 よいよい。 ワシのしている事が分からずとも、お主が困ることはないからの。 ワシは、自分のやりたい研究をさせて貰えればそれだけで満足じゃてな。 じゃが、新しい場所に呼んでくれたことには感謝しておるから、ワシの出きる範囲でお主を助けてやるで安心せい」


「.....はぁ。 具体的には何が出きるんですか?」


「薬は作れる。 病気を治す物から怪我を治す物まで、材料さえそろえばどんな薬でも作る事は可能じゃ。 天才じゃからな。 後は、異質な物を作り出すことも得意じゃ。 お主はなにやら別の世界の物を取り寄せる力があるそうじゃが、ワシにかかればそれでお主が欲している物を作る事が出来るかもしれないぞ。 天才じゃからな」


「と言うことは、家電製品何かも可能で?」


「家電製品という言葉は知らんが、作る物の詳しい情報があればおそらくは可能じゃろう。 天才じゃからな」


 おぉ! 何ということでしょう!

 制約上、取り寄せる事は禁止されいるはずの物が手に入るかも知れないなんて......何て日だ!


「ぜひ、あなたには俺の望む物を作って貰いたいです。 その為なら、どんな協力も惜しみません!」


「ほぉほぉ、良きかな良きかな。 理解のある者でワシも嬉しいぞい」


「つきましては、クル爺の研究用の工房を急いで用意しましょう。 それから、必要な物があれば俺が取り寄せますので言って下さい」


「ほぉほぉ、世話になるぞい」


 こうして我が家には天才錬金術師のクル爺が加わった。

 クル爺はこの先、皆の生活に役立つ物を次々と生み出して行くのだが、それはまだしばらく先の話だ。



「では、今回の閉めに入ろう」


 残った玉は金色の物が二つ。

 どちらもSSRのものだ。


 アッシュは一個目の金の玉を開ける。

 すると、マウリが出た時のように眩い光を放ちながら玉の中から召喚された者がその姿を表して吼えた。


「グギュルガァ!」


 

 リヴァイアサン SSR

 種族 海竜神

 スキル

 水流操作

 ハイドロキャノン

 ハイドロブラスター

 水属性無効

 超速再生

 覇気

 念話


 だって。

 例によってSSRほどになるとスキルの数が多くてどれも強そう。

 その上リヴァイアサンの体はもの凄く大きい。 全身を青と白の混じった鱗に覆われ、蛇のように長い体に大王カエルすら丸呑みに出来そうな大きな口に鋭利な歯並びの牙。

 そしてなにより全身から纏ったオーラというか気と言うか、兎に角リヴァイアサンからは強い圧みたいなのを感じて目の前に立っているだけでも威圧感が凄い。

 ホントにこんなのが俺に従ってくれるのだろうか.....。


「どうも。 あなたを召喚したアッシュです」


 とりあえず、無難に挨拶を交わしてみる。

 

『あ、自分リヴァイアサンっす。 よろしくっす』


 

 以外にも有効的な返しが念話で返って来た。 

 意思が通じるのは分かっていたからね。

 というかチャライ?


「何か思ってたのと違う感じの印象だね」


『よく言われるっす。 自分、こういう見た目何で、割と周りから勘違いされるっすけど、別に偉ぶったりとかしないっすよ。 つか、アッシュさんは自分の召喚主なわけですから、アッシュさんに逆らう何てありえないっす。 自分、アッシュさんの言う事なら何でも聞くっすよ』


 らしいです。

 話してみたら以外といい奴で、何故か見た目凄く強そうなのに小物間漂う喋り方をする変わった奴だった。


「.....とりあえず、リヴァイアサンは陸での生活は無理そうだから海で暮らしてもらうってことでいいかな?」


『問題ないっす。 つか、リヴァイアサンとか呼びにくいっす。 自分名前を希望するっす』


「名前?」


『そうっす。 リヴァイアサンは種族名みたなもんっすから、自分個人を敬称する立派な名前がほしいっす』


「それを俺が考えろと?」


『そうっす。 アッシュさんは自分のご主人っすからね』


 うーん名前ねぇ。

 いきなりそんな事言われても直ぐには思いつかな.......


「ノブオ何てどうだ?」


『ノブオ....響きがいいっすね。 気に入ったっす。 今日から自分の名前はノブオっす。 よろしくっすアッシュのアニキ!』


 舎弟で真っ先に思いついたのを言ってみたら、本人が気に入ってあっさりとノブオに決めてしまった。

 そして俺は何故かアニキ。

 立場逆だろ.....という、見事なまでの逆転舎弟がここに誕生した。


 とりあえずノブオには、今日のところは海で自由にするように言っておいた。

 若干寂しそうにノブオは海の中に返って行ったが、明日からはノブオにもしっかりと働いて貰うことにしよう。

 頑張れよノブオ。


「さて、いよいよ最後だな」


 残った金の玉は一つ。

 ガチャを開けるこの楽しみが味わえるのも、次はまた10日後になるので、それを噛み締めながら思いを込めて玉を開ける。

 

「キュキュ?」


 そして出てきたのは、愛くるしい表情をしたウサギであった。

 周囲の目が獲物を狙う危険な物に変わる。


 マイウーラビット SSR

 種族 極上ウサギ

 スキル

 美味しい香り

 捕食体質

 逃げ足

 

 だって。

 SSRのくせにスキルが少なくて弱い?

 いやそうじゃないんだよ。

 こいつの魅力は他にある。


「.....(ジュルリ)アッシュ食べていいか?」


 マウリを含めここにいる全員が、マイウーラビットを見て涎を垂らして狙っている。

 そう、こいつの怖い所は体からとても美味しそうな香りを出して周囲の者を誘惑するところにある。

 加えて言うと、愛くるしい顔をしているくせにピッグル以上にもちもちでいい肉の詰まった極上の体をしているのだから、余計にこいつを見ると食欲に借られる。


「.....危険だ。 こいつは実に危険だ。 こいつを見ていると、こいつを食べること以外に何も出来なくなってしまいそうだ」


 全てはこいつが美味そうな体をしているのが悪い。

 戦闘力は皆無だが、食料としての価値はSSR以上のものがこいつにはある。

 当のマイウーラビットは、自分が狙われているとも知らず愛くるしく後ろ足で耳の裏を掻いていやがる。

 まったくもって厄介な奴だ。


「食べる以外にこいつの価値ってあると思う?」


「ない。 こいつの肉はピッグル以上で、食べた物を天国にすら連れて行くと言われている伝説的な肉だぞこいつは。 噂ではあまりの美味しさに乱獲されて絶滅したと聞いていたが、それが実際に目の前に.....これはもう食べるしかないだろうアッシュ」


「いいたいことは分かるよ。 俺だって、こいつを見た瞬間もの凄く食べたくなったからね。 だけど良く考えて、こいつはこんなんでもガチャで出たSSR何だよ? それを直ぐに潰すのはどうなのだろうか?」


 ちなみに、マイウーラビットはリストに増えているので追加は可能だ。 ノブオもね。

 でもね、SR以上からは神力の消費が物凄く上がってるんです。 

 HRのセイレーンですら1000もかかるって言うのに、SSRは実に10万もの神力が一体で必要になるんですよこれが....。

 まだ1000にすら届いていない俺の神力ではどうすることも出来ないのが良く分かるだろ。


 後、クル爺はリストになかったことを考えると、やっぱり人間関係は増えないみたい。

 レベルが存在しないのも、多分人間はモンスターと違って進化に制限があるか、そもそも進化出来ないのかそのどちらかのせいでないものと思われる。

 その分、人間は最初からスキル多く持っていたりするのでレア度以上に役に立つこともありそうだ。


 何にせよ、折角でたSSRのこいつを簡単に手放すのは勿体無い。


「非常食として、ピッグル達を一緒に飼います」


 俺がそう言うと、皆明らかに不満そうな顔を見せた。

 気持ちは分かるけどね。


「まぁ、今すぐには無理だけど召喚リストには追加されてるから、神力が増えれば何時でもまた呼び出せるから今回は皆我慢してよね」


「......アッシュがそう言うなら仕方あるまい。 だが、召喚出来るようになったら絶対に食べさせて貰うからな!」

 

 皆さんの本気の目が怖いです....。


「そう出来るように俺も努力するよ」


 実際、俺が頑張って修行しないと何時までもマイウーラビットを食べることは出来ない。

 そうなると、食べ物の恨みで俺もどうなるか......食べ物の恨みほど怖い物はないってことだね....。


「じゃぁこいつの世話はゴブちゃん達に.....いや、折角農夫のゴードンが加わったんだからこいつの世話は彼等に任せよう。 ついでに、畑とピッグル達の世話もお願いするね」


「大役だな。 だが、オラ達にはそったらことしか出来ねぇだろうから任してくんろ」


「お願いね」


 こうして我が家には新しい仲間がまた増えた。

 新しく加わった者には、明日からそれぞれに仕事を与えるとして今日はまた歓迎会で宴会だね。

 段々人も増えて、ここも賑やかになってきたし、国造りもこれからだね。



  異世界無人島国造り 十日目 終了


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