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プロローグ
「……ふう」
雨水あめは、制服を着たままベットの上に転がった。
制服に染み付いた線香の匂いがふわりと香り、あめをより一層悲しい気分にされた。
「あーめー!!寝るなら着替えてからにしなさいね!」
「はぁーい」
部屋を覗いて、ベットの上に制服のまま転がっている娘の姿を見た母親は、そう注意だけすると階段を下りて行った。
もう夜も遅いので、あめがこのまま寝てしまっても構わないのだろう。
よっこらしょっと。ずっと座りっぱなしで疲れた身体を伸ばしながら身を起こし、パジャマに着替えようと部屋の窓のカーテンを閉めようとしてふと気づく。
「今日満月だったんだ」
今日一日ずっと下を向いていたから気付かなかった。
満月を見ると、子供の頃大好きだった『じいじ』の事を思い出す。
『じいじ』は言っていた。
「真ん丸御月様はなぁ~優しい願い事を叶えてくれる御月様なんじゃぞ」と。




