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かみさまの見ている村で  作者: 秋来一年
11/11

はじまりのはじまりb

 ニコラの泣き笑いの表情を見ていたら、ふいに昔のことを思い出した。

 どうして忘れていたのだろう。大切な大切な、過去の記憶。


 あれはまだ、私が長女だった時のこと。

 周囲から長女であることを期待され、押しつぶされそうになって、周囲には笑顔で接しながら、心の中ではいつも泣いていた頃。

かみさまと話すときにだけ、「ぼく」という一人称をつかっていた頃の話。


「今から十年後、神木家の巫女には、災いが訪れる」


 そんな呪いのような言葉をのこしたかみさまは、珍しく、翌日も話しかけてきた。


「今日は、私からあなたへ餞別をおくるわ。だって、あなたはこれから、おにいちゃんになるんだから」


 かみさまからの突然の言葉に思考が追い付かない幼い「ぼく」。そんな「ぼく」を置き去りにして、かみさまが言う。


「実は、私昨日、大切なことを言い忘れていたの」


 あれじゃ、まるで呪いの言葉だったわね、とかみさまが向こうの世界で苦笑する。

 そして彼女は、かみさまとしての最後の言葉を口にした。

 みえなくても感じるほほえみの匂いと、さみしさを滲ませながら。


「十年後、確かに災いは訪れる。けれど、たくさんの人からの愛に支えられ、巫女は災いをも乗り越えるのよ」

 


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