星は輝く
マンションの最上階に住んでいるから、昔から気分が下がると屋上に向かう癖がついていた。
見上げずに空が見えるあの場所は、星を見るのにちょうどいい。
あの忌まわしき文化祭を終えてのこととは思えない彼女からの告白で、僕は何が何だかわからなくて、二か月経った今でも気持ちが浮ついているというか、自分が彼女と釣り合うのだろうかとかつまらないことばかり考えてしまう。だから最近は屋上へ訪れるペースも多めだ。
ふらりと喫茶店に入るように屋上の扉を開ける。今日は雲もなく星が綺麗な夜だ。これだけ僕の心も澄んでればよかったのに。
誰も居ない屋上をいくらか歩き回りながら空を眺めていると、ポケットの携帯が震えるのを感じた。
表示されたのは、彼女の名前。
「今日は星が見やすいみたいだよ。って、あんま星とか興味ないか」
なんだ、星を見るぐらいは僕にも彼女に釣り合う点があるじゃないか。
こっぱずかしくなって、僕は正面に向いた顔を上へ向け、夜空を見上げた。
あの星々のどれかに反射して、僕の視線と彼女の視線が合えば、いいな。
ありがとうございました