表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/19

炎の乱舞





 べリアル王子が“勝機”だと感じたそれは、逆に全部の兵士を失う結果と成った。


 急所を射られた竜はそれまで持っていた理性も知性もかなぐり捨てて、炎を吐きながら暴れ回ったからだ。


 竜の周りに群がっていた者達はことごとく炙られ、人の形さえ留めていない者も居る。

 すっかり炭と化した者や、皮膚が溶け落ちた者。誰なのか判別出来ない焼けただれだ顔の、恨めしそうな片目だけを開けている者。


 王子はと云うと、姫君の柩を守ろうと運良く岩陰に居たので助かった。


 もはや、この荒れ狂う竜に挑む者は自分一人しか残されて居ない。ディアマンティスの刀身には憔悴しきった己れの顔が映し出されていた。


 「姫よ、そなたが居らぬ世界など未練は無い」


 者云わぬ柩にそう呟くと、王子は炎を掻い潜り、巨大な蛇の様にのたうつ尾をかわし、竜の背中へ剣を突き刺した。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ