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フォーグレンの神官  作者: ありま氷炎
第6章 南の攻防
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フォーグレンの神官95

 カネリとキィラは客殿から街に向かって飛んだ。

 そして街門の上で火弾を撃つセンの姿を見て愕然とした。


「セン!」


 カネリがそう呼ぶが、センは無視をして火弾を撃ち続ける。


「セン!」


 カネリは舌打ちをすると鞭を作り出すと、センに向かって跳んだ。そして火弾を撃つ手を鞭で拘束する。


「セン、やめるのだ!」


 センは鈍い黒い瞳をカネリに向けると、さらに上空に跳ぶ。鞭が引っ張られ、ちぎれる。センの腕が自由になる。


「逃げられませんよ!」


 そんなセンに向かってキィラは氷の矢を放った。センは宙で舞うようにして矢を避ける。しかし間髪いれずカネリの火の矢がセンを襲う。


「!」 


 火の矢がセンの体に刺さり、血が飛び散る。センは力を失い、地面に叩きつけられた。



「セン!」


 ハーヴィンは空から落ちたセンを見ると、馬から降り、駆け寄った。そしてその体を抱き起こす。センが目を開け、その黒い瞳をハーヴィンに向ける。


「セン……!」

「ハーヴィン殿下!離れてください!」


 上空でその様子を見たカネリがそう叫ぶ。センが通常のセンじゃないことにカネリは気がついていた。何者かに操られてるのか、薬を盛られているのかわからなかったが、味方でないのは確かだった。


「…セ…ン?」


 鈍い音がした。ハーヴィンは腹部に痛みを覚える。そして自分が刺されたことに気がついた。鎧と鎧の隙間からセンが小剣を抜く。血が噴きだし、地面を濡らす。


「ハーヴィン様!!」


 周りにいた兵士がハーヴィンを救おうとセンに切りかかる。

 センは立ち上がると血に濡れた剣を兵士に投げつけた。剣が兵士の体に刺さり、兵士が倒れる。


「セン!なんてことを!」


 空から降りたカネリが火弾をセンに撃つ。その隙にキィラがハーヴィンの体を抱き、手当をするために宮殿に飛んで戻った。


「お前は自分が何をしたのかわかってるのか?」


 センの意志ではないことはわかっていた。しかしカネリはそうセンを詰ることしかできなかった。

 センは体から血を流しながらも、その手に鞭を構えたままだった。


「……わしがお前を倒すしか道はないようだな」


 カネリはそう言うとセンに向かって跳んだ。




「タリザの娘?」


 ラズナンの青い瞳がターヤに向けられた。ターヤの瞳が深紅から海のような青い色に戻る。


「その瞳の色……まさか…」


 ラズナンがターヤの瞳を食い入るように見つめるのがわかった。


「ふっつ」


 次の瞬間、ふいにラズナンが笑い出した。ターヤは不可解に思い眉を潜めてラズナンを見つめ返す。


われの娘よ」


 ラズナンは笑うことを止めるとターヤにそう呼び掛けた。


 われの娘……。


 その言葉に響きに、ターヤは胸がざわつくのがわかった。


われに力を貸さぬか?父を助け、世界を共に支配せぬか?」

「……」


 ターヤは自分が落胆するのがわかった。

 

 父さんは、僕を利用をすることしか考えてない。

 それが水の女神のせいだとしても……。


 世界を父さんに渡してはだめだ。

 水の女神に心を奪われた父さんに渡すわけにいかない。


「僕は……あなたの娘ではありません。僕はタリザの娘です」


 ターヤはそう言うと鞭を構えた。



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