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フォーグレンの神官  作者: ありま氷炎
第6章 南の攻防
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フォーグレンの神官94

 センは眼下のフォーグレンの兵士に向かって、火弾を放った。

 数名の兵士が断末魔の叫びをあげ、火だるまになる。


「……セン!」


 辛うじて火弾を避けたハーヴィンは頭上に浮かぶ神官がセンだと知り、驚きに声を上げる。


「なんで、火の神官が!」

「どういうことだ!」


 精鋭と言われる兵士達の間に味方である火の神官に攻撃され、動揺が広がる。


「……慌てるのではない!門を守るのだ。シュイグレンを街にいれてはならぬ!」


 ハーヴィンは兵士に自分の不安が伝わらないように強い口調でそう叫ぶ。


 ……セン!


 シュイグレンの兵士がフォーグレンの兵士に襲いかかる。馬で兵士たちを蹴散らしながら、ハーヴィンは頭上で火弾を放ち続けるセンのことを想った。



「これでも喰らうのね!」


 『神石』のかけらを拾ったアルビーナは上空に跳ぶと、ヤワンに向かって火弾を連続で放つ。そして急降下すると、ヤワンの背後にまわり鞭を振り下ろした。


「!」


 ヤワンは体を捻り、鞭を避ける。


「先輩、油断は大敵ですよ!」


 囁くような声がしてヤワンの鳩尾にミシノの蹴りが入った。


「ごほっつ」


 ヤワンの体が吹き飛ばされる。


「ミシノ!」


 アルビーナが嬉しそうに名前を呼ぶ。


「ごめん。時間かかちゃった」


 ミシノはアルビーナの側に近づくと、申し訳なそうに微笑む。ミシノの背後では戦闘不能に陥ったゲインの体が見えた。


「殺したの?」

「まっさかあ。敵とは言えでも、元先輩だからね」


 ミシノは剣をぐるぐると手でもてあそびながらそう答える。


「さあ、ヤワン先輩。今度こそ教えてもらいましょう」


 ミシノは地面に伏し、起き上がれないヤワンに近づくと、剣をその咽喉元に向けた。その隣ではアルビーナが鞭を持ったまま、ヤワンに冷たい視線を投げかけていた。



「もらった!」


 ミルの攻撃によって、デイが吹き飛ばされる。水の龍は火の龍に阻まれ、デイに構う余裕はなかった。ネスは剣を両手で握り、デイに振り下ろす。


「うおお!」


 デイは気合を入れ、ネスの剣を三又の鉾で受け止めた。


「ミル!」


 ミルはネスの言葉に頷くと、その背後に鞭を振り下ろした。


「くう!!」


 デイが血を吐き、その手から三又の鉾が離れる。


「この!」


 地面に落ちようとする鉾にデイが手を伸ばす。しかしそれよりも先にネスが鉾を掴んでいた。


「これで終わりだ」


 ネスは掴んだ鉾でデイを殴りつけた。



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