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フォーグレンの神官  作者: ありま氷炎
第5章 戦いの幕開け
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フォーグレンの神官71

「まったくお前らのしけた面見てるとやる気がそがれるぜ」

「これから戦いにいくというのに士気もあったもんじゃないな」


 ツゥリとズウは兵士達の様子をみながら忌々しげにつぶやくと、城の中に入っていた。

 その後ろ姿が城に消えたのを確認して、ロセは兜を脱いだ。


「あつ~。まったくやってられないぜ」

「ロセ!」


 その隣で全身を鎧に包んだセンが咎めるようにロセを見た。


「だいじょーぶだって、センさん。しばらくは戻ってこないはずさ」


 ロセとセンは正規の兵士を襲い、その鎧を脱がせると兵士になり済まして軍隊に紛れ込んだ。

 隙を狙ってデイから水の『神石』を奪うつもりだった。


「しっかし、ラズナンだっけ?何考えてるんだろうな。水の『神石』を使ってる以上、シュイグレンが圧倒的に有利なのに。兵士を集めるなんて」


 ロセは幾分声を抑え気味にセンにそう囁く。


「そうですね。何を考えてるのか……」


 センはロセだけに聞こえるようにそう返事を返すと、兵士達を見渡した。農民や町民を集めて作りだした軍隊、軍隊とはいえない軍隊だった。

 

 無駄な血を流させるわけにはいかない。


 センは拳を握るとデイがいるはずの城に目を向けた。



⭐︎


「いらっしゃい~」


 玄関の扉を開けて侵入したヤワン達を迎えたのは、にこやかな笑みを浮かべるキリカだった。ヤワン達は力が一気に抜けるのを感じたが、なんとか武器をその手に持ち、構えを取った。


「おひさしぶりね。ヤワンちゃん。元気にしてた?」


 キリカは物騒な表情をしているヤワン達に笑顔のままそう尋ねる。


「……キリカさん。ロセと火の神官はどこにいるんです?」


 しかし、ヤワンはキリカに笑顔を返すこともなく、視線を険しくしてキリカを見つめた。


「つれないわね。わたしが教えるとでも思うの?」

「……ならば力づきでも教えてもらいます」


 ヤワンは剣先をキリカに向けるとそう言った。


「ふふふ。出来るものならしてみたら」


 キリカはふわりと笑い、手に持っていた数個の玉を床に投げる。


「ごほっつごほっつ」


 砕けた玉から煙が発生し、ヤワン達は咳き込み始めた。


「特製の煙玉よ~。大丈夫死にはしないから」

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