表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フォーグレンの神官  作者: ありま氷炎
第2章 水の『神石』
34/133

フォーグレンの神官31

「負けるわけないわ!火の神よ。力を見せなさい!」


 アルビーナは脂汗を額に浮かべながらそう叫んだ。

 

 ワタシの力か……。

 お前に死んでもらっては困るんだかな。


「このあたしが死ぬわけないでしょ。力を出して!」


 お前の願いなら、そうしようか。


「お嬢さん!やめなさい!」


 キィラが珍しく厳しい声を発した。

 神の力を使いすぎると、火の『神石』に力を吸い取られて死ぬ恐れがあった。


「人の指図はうけないわ!火の神よ!」


 わかった。


 脳裏でそう火の神の声が響くとアルビーナは眩暈に襲われた。

 しかし根気を絞り杖を握り締め、キィラをそして、デイと戦っているセンを見た。

 

 あんたを殺すまであたしは絶対に死ねないわ。


 火の龍が燃え上がり、大きさが二倍になる。龍は口を大きく開くと水の龍に襲い掛かった。


「!」


 水の龍が神殿の壁に叩きつけられ、壁が崩れる。そして、それまでどうにか建物の形を残していた神殿が崩れ始めた。



「アルビーナ!」


 崩れゆく神殿の中でアルビーナが倒れているのが見えた。そしてその上に壁や天井の破片が落ちていこうとしていた。彼女を守るはずの龍の姿が見えなかった。

 センの体は無意識に動いた。対峙するデイに背を向けると崩れ落ちる神殿に飛び込んだ。


「センさん!」

「セン様!」


 ロセとターヤは戦いの最中ということを一瞬忘れ、眼下の崩壊していく神殿に目を向けた。


「甘いな。本当に」


 デイはそんな二人に向かって水弾を放った。


「!?」


 二人は水弾にはじかれ、体が宙を舞う。しかし、ロセは歯を食いしばるとターヤの体を抱き、地面に着地した。


「ほう、やるな」


 デイは、瓦礫と化した神殿の側で上空を睨みつめるロセを、見下ろした。


「俺は水の神官だ。簡単にやられはしない。ミシノを返してもらう」


 ロセは気を失ったターヤをゆっくりと地面に降ろし、剣を上空のデイに向けた。

 瓦礫に埋もれたセンとキィラのことは心配だったが、二人の力はロセよりも上だった。そう簡単に死ぬわけがないとロセは信じていた。


「ミシノか。返してほしいなら力づくで奪うんだな」


 デイは槍を構えるとロセに向かって下降した。ロセを一気に叩き、瓦礫の中にキィラと共に埋もれた水の『神石』を奪うつもりだった。


「!」


 ロセはデイの槍を剣で受け止める。しかし、力の差でその体は吹き飛ばされる。


「お前ごときが俺様に敵うわけがないのだ」


 デイは仮面の奥の目を細めるとロセに向かって氷の矢を放った。


「!」


 しかし、その矢がロセに届くことはなかった。


「僕はいつまでも足手まといになるわけにはいかないんだ!」


 デイの矢はターヤが作った火の壁に妨げられていた。


「火の神官の力をみせてやる!」


 ターヤは鞭を掴み、デイに向かって跳んだ。


「青臭いガキごときが」


 デイは舌打ちをすると槍で鞭を巻き取り、ターヤごと鞭を放り投げる。

 ターヤの体は宙を飛び、瓦礫にぶつかった。


「ターヤ!」


 ロセは重い体を起し、力を失ったターヤに走り寄った。そして大きな外傷がなく呼吸があることにほっとした。


「心配するな。一緒にあの世に送ってやる」


 デイは槍をロセに向け、止めを刺すために力を貯め始めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ