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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

魔女の鉄槌

作者: 天啓の使徒

 窓もなく締め切った薄暗い室内。

 数多くのロウソクに照らされる祭壇と床には五芒星の魔法陣。魔法陣の真ん中では、制服を着た長髪の少女が両手両足を広げた状態で寝かされていた。

 少女の手足は、杭で床に打ちつけられ、身動きは取れない状態になっている。

 少女は目を覚ましているのだが、目は虚ろで抵抗を一切しない。何か薬でも飲まされているのだろうか。それとも、さんざん抵抗した後で、諦めてしまったのだろうか。


 部屋には、もう1人の人間が居た。魔術師のような全身を黒いローブで包み、頭には目と口の部分が僅かに開いているだけ鉄の仮面を被っていた。

 祭儀用のナイフを持ちながら何やら呪文を唱えている。

 ローブから出たナイフを持つ素手の指の細さから女だと言うことが判る。

 

 女は少女の側にしゃがむと、少女の左手首の動脈を切る。

 少女の体が僅かに動く。

 少女の体から湧き出る鮮血は、床に流れ落ちると、まるで意識を持っているかのように、魔法陣に吸い込まれて、魔法陣が少女の鮮血に染まっていく。

 女は左足首、右足首、右手首と次々と切っていく。

 女は、少女の正面に座ると、少女の制服を裂いた。そして、少女の腹にナイフを刺し、陰部に降ろしていく。激痛のあまり、我に帰り悲鳴を上げる少女。

 だが、血を抜かれ、手足を杭で床に打ち付けられているため、悲鳴を上げるぐらいしかできない。

 女は、裂いた腹から少女の腸を引っ張りだし、トレイに置いた。腸を全て取りだすと、肝臓や子宮などを次々と取り出す。

 意識を失うことなく悲鳴を上げ続ける少女。

 通常は死んでもおかしくない状況なのに、少女は生き続けている。

 女の解体は、内臓から胸、心臓へと進んでいくが、不思議なことに少女は、まだ生きている。

 肺がないので、声を上げることもないが、まぎれもなく、少女は生き続けていた。

 続いて、女の解体が、目や舌へと進み、そして、最終的には頭を開けて、脳を取りだした。



 ◇ ◇ ◇ ◇



「すいません。トイレに行っても良いですか」と渡辺正人は込み上げるものを抑えるために口に手をやった。

 渋谷署少年育成課、警察官になって2年目の渡辺正人は現在ネットにアップされ話題になっている動画を見て、気持ち悪くなった。

「かまわんよ。ついでにコーヒーも買って来てくれ」とベテランの後藤巡査。

「判りました」と渡辺はトイレに向かう。

「作り物で気分が悪くなるとは、事件現場に行ったらどうなることやら」と渡辺の10年以上先輩の野田浩二。

「ここは少年課だぞ。こんな酷いことがあってたまるか」

「酷い映像ですね」と婦警の高島沙希。

「まったくもって、こんな映像を好き好んで、見る奴の気がしれないな。しかも、ネットで普通に見れるとはな」とベテランの後藤巡査。

「それにしても、良くできていますね。ハリウッド並ですよ。特に臓器の色艶。以前テレビで見た手術映像にそっくりです」

 野田浩二が映像の出来栄えを称賛する。

 知らない人が見たら、本物だと思う程出来栄えは良い。医者ではない高島たちは、本物の生きている臓器など見たことがない。手術映像などをテレビかどこかで見ただけだ。

 薄暗いため、細部は判らないが、臓器の生々しさは、臓器が少し動いている点も本物のようだ。細部は良く出来ている。

 しかし、内容を見る限り、内臓を取り出しても少女が生きているなど、本物のスナッフフィルムではない。


 残酷な映像がネットに乗ったとしても、それは渋谷署少年育成課の仕事に関係はない。

 問題は、服が切られ性器が露出している点と現在、少女たちの間で流れている噂との関連だ。


『家出少女たちが、魔女の生贄になっている』


 そんな噂が出始めたころ、ネットで、『魔女の生贄』という題名のスナッフ動画が流れ出した。

 現状では4作品。他の物を見ても内容は似たようなものだ。

 単純なフェイク・スナップ動画なら、警視庁サイバー犯罪対策課の仕事であり少年課の仕事ではない。

 問題は、出て来る女の子が、行方不明の少女に似ていると点だ。


 渋谷には、家出少女が多い。

 家出少女が行方不明になるのは、多くの場合、男のところに転がりこんで、同棲するパターンだ。その一方で、実際に犯罪に巻き込まれてしまうパターンも多い。生活費を稼ぐために援助交際を行ったり、薬物中毒にされ風俗で働かされたり、神待ちサイトを利用して男に監禁されることもある。

 未成年の家出少女が出演していること可能性が高い。そのため、内容を確認したのだが、生贄の少女にも、魔女にもモザイクがかけられており人物の判定は出来ない。


 制服を見る限り、行方不明の少女たちの学校と同じものなのだ。

 だが、どの学校にも、行方不明・家出の生徒がいる上に、卒業生による制服の売買が盛んなので、誘拐されてた生徒が出演しているとは、断定できない。


 この映像を誰が作り流したのか。

 どこかの映画研究会か、マニア。ひょっとしたら映画関係者が作成し流したものだろう。

 いくらなんでも、この撮影のために、少女を誘拐したとは考えられない。映像への出演などお金を出せば、済むことだ。

 映画撮影をきっかけに、関係者と同居生活になる可能性もないわけではない。1人の犯罪者が4人も監禁していると考えるよりも、皆で集団生活をしていると考えた方が現実的だ。

 安定した生活拠点ができた結果、長期家出が可能になり行方不明になったとも考えられる。

 実際は、この映像の公開が先で、噂は、この映像を見たために起きて広まったのかもしれない。

 この動画自身、炎上目的の宣伝だとの主張もネットにはある。


 結局、少年課の活動方針としては、少女の身元確認も含めて、製作者も見つけ出すことが重要となった。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 かなり高度な特撮、特殊メイクを行っていることから、製作者の特定は容易かと思われた。

 しかし、数名の名前は上がるものの、作成者は特定できなかった。


 また、予想に反して、警視庁のサイバー犯罪対策課の協力があっても、投稿者の身元を見つけ出すことはできなかった。使われているメールアドレスがフリーメールなのは当然として。

 直接、犯罪行為との関係が不明なことから、動画サイトからのアクセス情報提供が遅れたのだ。

 さらに、身元確認義務の条例がない川崎のネットカフェやフリーWIFIからのアップロードということもあり、投稿者の身元を辿ることができなかった。


 結局、写っている情報から捜査するしかなかった。

 しかし、暗いうえに、室内のため風景も映っていない。顔はモザイク。

 時よりモザイクが甘い際に見える犠牲者の髪形などの身体的特徴や制服をヒントにして、地道に捜査するしかなかった。


 他にも、別事件の捜査や街に出ての少年の補導など、やらなければいけないことは沢山あり、事件性が不明なこの件だけをやっているわけにはいかない。

 むしろ、少年課としては日々の業務に追われ後回しになって行った。


 そして、何の成果もなく時間だけが、過ぎて行った。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 高島は、センター街で、深夜の街頭補導を行っていた。

 センター街はいつの夜に行っても人通りが多いが、夏のセンター街は夏休みになると夜の人通りがさらに増える。


 学生時代の夏休み。

 のんびり過ごす子もいれば、バイトをする子も居る。部活に精を出す子もいれば、遊びに精を出す子も居る。

 そして多くの出会いをする。

 ひと夏の体験。

 ひと夏だけの恋。

 女の子は、夏休みを機に代わってしまう子も多い。

 出会いは、人を変えるものだが、良い出会いばかりとは限らない。


 高島の中学・高校時代。毎年、ひと夏の恋の後、友人の妊娠が発覚し大変だった。

 そして、夏は1年で1番家出少女が多く、犯罪に巻き込まれる少女も多い。


 生活安全部の仕事は多種多様だ。身近なものもあれば、危険なものもある。悪質商法や風俗事犯、近頃は、ストーカー・DVなどの相談が増えている。

 生活安全部少年育成課の高島沙希の主要な仕事は、少年非行防止。早い話が街頭補導だ。毎夜、センター街など若者に人気がある繁華街を中心に、日中、深夜を問わず、街頭で非行を防止するため補導を行っていた。

 高島が居る渋谷署の管轄は、原宿や表参道などに近く、少女に人気がある店舗が多いため、家出少女が多い。家出少女は、売春など犯罪者になる場合も多いが、被害者になる場合も多い。

 近年、少女が犯罪に巻き込まれるきっかけになるのが、ネットとスマホアプリだ。


 世の中には、「神待ちサイト」と呼ばれるサイトが存在する。

 この「神待ちサイト」とは、一言で言うと、家出をした少女たちに泊める場所を確保したり、食事をご馳走したるする、いわゆる「泊め男」を探すためのサイトのことだ。

 一見、親切心による行為に思われるが、実際のところはそう甘くはない。泊める場所や食事を与えた見返りとして、少女に肉体関係を迫る男性がほとんどだ。

 高校生中学生目当てのロリコンか、プロの女を買う金もないような男が価格が少し安い素人に手を出すためのサイトと考えてもいい。なかには食事をするだけで何も手を出さない男性もいるようですが、そういう男性は少ない。逆らうと、暴力を受けることもあり、中には本物の暴力団も居て、そのまま売春に向かうことも多い。


 ネットの発達により、家出はより危険なものになったと言える。

 少女たちを犯罪から守るためには、有害サイトの廃止と現地での地道な補導活動しか現状では手段がない。

 ほとんど、イタチごっこだ。

 だが、諦めてはいけない。


 高島が、深夜センター街を歩いていると気になる少女が居た。

 亜麻色のカールショートヘアで活発そうな少女。ピンクのタンクトップにデニムのショートパンツ。生足で肌の露出も多い。16歳、高2くらいだろうか。荒れた感じはなく、遊びたいから家出しましたという感じだ。

 そして、大きめのスポーツバッグを脇に抱えている。

 典型的な家出初心者だ。

 家出を繰り返す少女なら、既に友人や拠点を持っていて軽装だ。こんなに荷物を持っているのは、典型的な田舎から出てきたばかりの家出初心者だ。


 高島は、少女に声をかけた。

 名前を聞いても、嘘の名前を言って本当の名前を教えてくれない。

 年齢をたずねても、はぐらかすばかりだ。

 強行策もあるが、会話をして関係を築くのが先だ。

 そうすれば、家出を防ぐことはできなくても、防犯くらいにはなる。


 だが、少女は、高島が一瞬目を離した隙に逃げだした。

 高島は必死に追う。

 だが、少女は思いのほか足が早く、追いつくことが出来ない。


 (警察学校を出たての20代前半の頃だったら、追いつけたのに)


 高島は自分の年齢を感じてしまった。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 次の日、5作目のスナッフフィルムがネットに上げられた。

 内容は、前作と大きな違いはなかったが、出てくる少女には、どこか見覚えがあった。

 亜麻色のカールショートヘアに、ピンクのタンクトップ。デニムのショートパンツ。生足。

 そして、声。

 昨日の夜、出会った少女に、どこか似ていた。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 動画を見れば見るほど、昨日の少女に思えてきた。

 彼女を見失ったのは、夜の11時頃。

 現在は、昼の12時。

 自分が会った少女と同一人物だとしたら、夜のうちに撮影され、たった12時間で公開されたことになる。こんな短時間に、特撮の準備をし、撮影し、高度なCG加工をし、編集することが可能なのだろうか。

 高島は映像に関しては素人だが、難しいことは予想ができた。

 しかし、映像は実在している。

 ならば、この映像は真実だと言うのだろうか。フェイクの殺人動画ではなく、本当の殺人動画なのだろうが。そんなはずはない。腹を裂かれた少女が悲鳴を上げるはずがない。

 高島が勘違いをしているだけで、実際は動画を作成するのは簡単で、人工知能などを使って素早く仕上げる方法があるのかもしれない。


 しかし、どこか引っかかる。


『家出少女たちが、魔女の生贄になっている』


 この映像は、本当の魔女が作成したのではないだろうか?

 彼女は、魔女の生贄になってしまったのではないだろうか?

 どこか、そんな風に考える自分が居た。



『家出少女たちが、魔女の生贄になっている』


 そもそも、なぜ、そんな噂が女子高生の間で広がったのだろうか。


 単純に動画を見たためだろうか。

 それなら、ネットを中心に、噂が広がるはずではないだろうか。しかし、動画は既に倫理違反、不適切を口実に運営会社により公開中止されており、ネットではあまり話題にはなっていない。

 街頭で少女たちを捕まえてインタビューした高島の口コミ調査では、この噂は女子高生を中心に都市伝説という形で口コミで広がっている。


 噂は、魔女の生贄から逃げ出した少女が居て、その子の話という形態を取っている。

 実際に少女がいるのではないだろうか。

 だからこそ、少女の間で噂が広がったのではないだろうか。


 考えすぎだ。

 本当にそんな少女が居る訳がない、

 もしそんな少女が居るとしたら、警察に連絡が来ていてもおかしくはない。

 そして、少年育成課で未成年の補導をしている自分の耳に入ってくるのが当然だろう。

 補導した女子高生から、本当かどうか質問されたことはあるが、自分はそんな話を警察関係者から聞いたことがない。


 やはり、噂なのだろうか。

 単に、自分が知らないだけで、他の課の人は知っているんではないだろうか。

 

 署内の喫煙コーナーで、日頃交流がない他の課の人に聞いてみた。


 意外なことに、少女は存在していた。保護された後、少女が薬物をやっていたことが発覚したため、組織犯罪対策部という別組織の事件とされた。薬物関連の捜査は情報の統制が厳しいため情報が来なかったのだ。しかも、『魔女のところから逃げた』という彼女の証言は、薬物による幻覚として処理されていた。 

 そのため、彼女の話は、まともに取り上げられなかった。

 組織犯罪対策部は忙しい部署だ。薬物に関係ない証言に対して、わざわざ裏を取られることはなかった。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 同期から特別に調書を借りて読むことができた。


 「神待ちサイト」で知り合ったこと。魔女に廃墟に連れ込まれ事。そこから命からがら地下室から逃げたことなどが書かれていた。


「これって、凄い情報じゃないですか。でも、正規ルートの情報じゃないですよね」

 野田浩二が興奮気味に言う。

「そこが問題なのよね。現状では報告できない」


 下手に報告すればニュースソースの友人に迷惑がかかりかねない。

 この情報を元に捜査して、別の確固たる情報なり証拠が必要だ。


「これから、どうするつもりなんですか。高島さんは」

「独自に捜査するしないわね」

「お手伝いします」


 廃墟の具体的な住所は書かれていなかったが、エリアは限定された。

 後はしらみつぶしに探すだけだ。


 今日のシフトだと、勤務終了は0時以降だ。さすがに、その時間からの捜査は辛い。

 私と野田は、街頭補導に行くと言って、署を出た。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 多くの人で賑う渋谷に廃墟とは意外に感じられるかもしれないが、渋谷には廃墟が多い。

 再開発の用地買収が失敗したり、途中だったりで、そのまま放置されているビル・建物が多いのだ。

 そのような物件は、一応所有者はいるが、まともに管理されているとは言い難い。

 不審者が簡単に入らないよう、鍵をかけ、シャッターを下ろし、窓にトタンを貼るぐらいで、見回りなんて面倒なことはしない。

 一歩間違えると、麻薬取引など犯罪の温床になる場合があるため、警察は一応把握している。

 

 リストの先頭から調べてみることにした。


 運良く、4件目で、それらしい物件にぶつかった。

 長い間放置されているツタに覆われた薄汚れた低層の雑居ビル。

 地下室もあり条件を満たしている。


 一応、シャッターは閉じられているが、鍵は壊されていた。

 本来警察は、令状なく無断に私有地に入ることは出来ない。

 そのため、これは完全に違法捜査だ。


 シャッターを上げ、中に入ると、窓などが侵入者が入らない用にトタンで塞がれているため、暗く空気は澱んでいてカビ臭い。

 入口付近にあるスイッチを入れても、電気は付かない。

 しょうがないので、カバンから懐中電灯を取りだし、中を照らす。

 壁は汚れカビが生え、床には埃や泥で汚れていたが、床に真新しい足跡や物を引きずったような跡があった。

 何者かが、出入りしているということだ。

 当たったのだろうか。

 仲間を呼ぶだろうか。

 いや、勇み足の可能性もある。単に、不良が使っているだけかもしれない。

 確かめる必要がある。


 高島は、地下室へと進んで行った。


 ◇ ◇ ◇ ◇


 地下の空気は、いっそうカビ臭く、さらに何かが腐ったような腐敗臭すらしていた。


 『キャバレー オセロ』

 扉の側には、そう書かれた古びた電飾看板が置かれていた。


 高島は、慎重に扉を開けた。

 開けた瞬間、強烈な血と肉の腐った悪臭がした。

 思わず口と鼻を押さえる。


 ハンカチで口と鼻を押さえながら中に入り、床を照らす。


 床は血で汚れ、魔法陣が描かれていた。

 壁を照らすと、壁際には怪しい祭壇があった。


 撮影場所は、ここで間違いなそうだ。


 映像からは判らなかったが、部屋を大きく見せるため、部屋の中は鏡張りだった。


 それにしても、この酷い臭い。たぶん、本物の動物の血を使ったのだろう。

 よくこんなところで、撮れたものだと思う。 


 明かりで奥を照らすと、まだ部屋があった。

 近づき、確認してみると、扉には『VIP ROOM』と書かれていた。


 扉を開くと、ここだけ消臭剤と防腐剤の臭いがする。 

 懐中電灯で、中を照らす。


 高島は思わず体が震えた。

 暗闇の中、女性が席に座っていたのだ。


 いや、違う。相手は高島に一切反応しない。

 人形だ。

 1体だけではなく、綺麗なドレスを着た5体の人形が席に座っていた。

 その顔を見ると、映像の中の少女たちに似ている。

 これは一体何の意味があるのだろうか。


 ガシャン。

 背後で扉が閉まる音がする。

 急いで振り返ると、そこには、 鉄仮面を付け全身を黒いローブで包んだ女が、ナイフを持ち立っていた。


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