草蔭の茶室
掲載日:2026/10/07
茶柱の立つ雨
草蔭の茶室に腰をかける雨宿り
語り掛けられる言葉
ヒンヤリと遠くまで秋風
空き家の庭に芙蓉の花
フレアを靡かせて
花芯の睫毛 黄色のマスカラを取ってゆく
素顔のままで微笑む一瞬
ただ在るだけを許される時に
土深いあなたの瞳の中で休ませて下さい
心凍らせた場所から駆けてゆくから
そぼ降る雨に立つ霧を見れば
利休鼠は何処へと駆けていったのか
茶柱の立つ雨
草蔭の茶室に腰をかける雨宿り
緑巡る香る茶葉
水溜まり近く覗けば己と目が合う鏡の絡繰り
千の雨さえ瞬く星のひとを夜空にみている
竹林の格子窓に季節外れの蛍が灯り
火の用心と小さく木槌を鳴らす秋虫が鳴く




