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誰にも媚びない孤高のS級ヒロインが、最近なぜか俺にだけ優しいのだが ~ドS級美少女の瑛理子先輩は、俺が好きすぎてデレを隠し切れない~  作者: みなもと十華@3/25二作同時発売
第2章 瑛理子先輩は俺にだけ優しい

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第37話 私のも舐めなさい

 瑛理子先輩が震える手を伸ばし、俺に『あーん』をしてきた。顔を赤くして照れまくっている。

 こんな日が訪れるだなんて。


「ほら、大崎君、あーん」

「あ……」

「あーん」


 何故か真美さんが俺を押しのけ、口を開け『あーん』しているのだが?


「ちょっと! 何で望月さんが食べようとしているのよ!」


 当然ながら、怒った瑛理子先輩が箸を引っ込めた。


「これは大崎君にやってるのよ! あなたにじゃないわ!」

「俊くんには私が食べさせるの。俊くんの胃袋は、全部私が管理するの」

「横暴よ! 独裁だわ!」

「姉特権です! 姉は独裁が許されるんですぅ!」

「「ぐぬぬぬぬぬぬ!」」


 また二人が険悪な感じに。

 どうしたものか。俺が何とかしないと。


「真美さん、一旦落ち着きましょう」

「もうっ、俊くん! 私と居る時は、全て私が『あーん』で食べさせるって言ったでしょ」


 そういえば、そんなことを聞いたような? あれは冗談じゃなかったのか。


「でも、瑛理子先輩がせっかく作ってくれたから、俺は両方食べますよ」

「むぅ……俊くんがそう言うなら」


 やっと真美さんが引き下がってくれた。頬を膨らませて不満顔だけど。


「では改めて」

「そ、そうね」


 俺は瑛理子先輩と向き合い、姿勢を正す。何だかお見合いみたいだ。


「い、行くわよ。うぅ♡」

「はい」

「えいっ!」

 グサッ!

「ちょ、痛いって」


 瑛理子先輩の突き出した箸が、俺の頬に当たった。見当違いの『あーん』だ。

 それはボケなのかツッコミなのか?


「瑛理子先輩、こんな場面で笑いをとろうとしなくても」

「ウケ狙いじゃないわよ! 恥ずかしいの」


 真っ赤な顔でプリプリする瑛理子先輩。よほど恥ずかしいのか、羞恥でプルプル震えている。

 恥ずかしいのならやらなきゃ良いのに。


「も、もう一回行くわよ♡」

「はい、今度は刺さないでくださいよ」

「刺さないわよ。ほら、あーん♡」

「あーん」


 今度はちゃんと『あーん』だった。

 口の中に鰹節と醤油の味が広がる。


「あ、おかかむすびだ。美味しい」


 炒飯のような茶色い物体は、鰹節を醤油でまぶしたおむすびだった。

 素直な感想を言った俺に、瑛理子先輩はジト目を向ける。


「うそ、どうせ私は望月さんみたいに料理が上手じゃないわよ」

「ホントに美味しかったですよ」

「どこが良かったのかしら?」

「味が良かったです」

「それ、鰹節と醤油の味よ」

「確かに! あっ、ヤベっ」


 俺の口がスベって、瑛理子先輩がぐぬぬ顔になってしまった。


「えっと、ほら、ご飯がしっかり炊けてるじゃないですか」

「ご飯くらい炊けるわよ」

「炊飯器が爆発したりしませんか?」

「何のギャグ漫画よ!?」


 確かに!


「大崎君、私を小さな子供だと思っているのかしら?」

「めめ、滅相も無い! 小さな子供じゃなくて、何でもできる完璧美人に見えるのに、意外と世話が焼ける可愛い先輩です」

「くぅううっ♡」


 しまった。また失言して、瑛理子先輩がおかしくなってしまった。


「か、かか、かわっ♡ 可愛っ♡ も、もうっ!」

「瑛理子先輩、そっちの玉子焼きも食べたいです」

「何で私だけ恥ずかしがってるのよ! あなたも恥ずかしがりなさい! あと、目玉焼きって言ったでしょ!」


 瑛理子先輩が両手をブンブン振っている。何だこの可愛い生き物は。


「ほ、ほら、目玉焼きよ♡ あーん♡」

「あーん。目玉焼きには見えないですよ。目玉になってないし」

「文句を言うなら食べさせないわよ」

「ちょっとしょっぱいです」

「むぅううううっ!」


 しまった。更に怒らせてしまった。


「俊くん♡ 次は私の番だよ♡」


 俺と瑛理子先輩の間に、真美さんが入ってきた。

 ド迫力のGカップ(推定)が、俺の肩に当たっているのだが。


「あの、真美さん、狭いです」

「俊くん♡ 腋飯をどうぞ♡」

「イカ飯ですよね?」


 食欲を誘う飴色に焚き上げたイカが、重箱の中で綺麗に並んでいる。たぶん中にご飯が入っているのかな。


「はい、どうぞ♡ あーん♡」

「あーん。おっ、これは美味しい」


 真美さんのイカ飯は、名産品のように美味しかった。醤油ダレで煮込んだのか、中まで味が染みている。


「これは出汁だしが染み込んでますね」

「うふふっ♡ じっくり腋で味と汗を染み込ませたの」

「ほう、鯵とあご出汁ですか」


 よく分からんが魚の出汁かな?


「大崎君! それ変なものが入ってるかもしれないわ!」


 今度は瑛理子先輩が、俺と真美さんの間に入ってきた。


「どうしたんですか、瑛理子先輩?」

「だからそれよ! きっと臭いとか汗とか混入させてたり――」

「やだなぁ、万里小路さんったら。入れたのは愛情だよ」


 再び真美さんが割り込んできた。


「くっ、敵ながら凄い才能ね。自分の汗を混入させ、大崎君を体内から調教するだなんて。そんなの究極のSMじゃない」

「もうっ、万里小路さんってば。私は普通だよ」

「くぅううっ! 悔しい、この私がSMの責めで後れを取るだなんて」


 何の話だよ? 瑛理子先輩と真美さんがSM談義している気がする。まさかな?


「大崎君!」


 何か思い詰めた表情の瑛理子先輩が、俺をジッと見つめてきた。


「何ですか?」

「わ、わわ、私の腋を舐めなさい♡」

「舐めませんよ!」


 何を言い出しているんだ、瑛理子先輩は。そんなのアウトすぎるだろ。遂に壊れたのかな?


「望月さんばかりズルいわ! 絶対に舐めてもらうから!」

「ちょ、一旦落ち着きましょう」

「落ち着いていられないわよ♡ 早く舐めなさい♡」

「ひぃいいいいっ!」


 瑛理子先輩が壊れた。って、前から足を舐めさせようとしてたから、むしろこれが通常運行なのか?

 俺をド変態の道に踏み込ませないでくれ。


「俊くん♡ 万里小路さんとばかりイチャイチャしてズルいよ♡ ねえ♡ ねえ♡」


 真美さんまで壊れた! ヤンデレ目みたいなハイライトの消えた瞳で、グイグイ迫ってくるのだが!

 めちゃくちゃ怖いのだが!


「そういえば俊くん? ずっと聞こうと思ってたんだけど、借り物競争のカードには何が書いてあったのかな?」


 ギクギク!

 しまったぁああ! 今、それを聞くのか!


「そ、それは……」

「ねえ? 何で万里小路さんを選んだのかな? ねえ? ねえ? ねえ?」

「えっと、それは……」


 マズい! 何て答えれば良いんだ?

 好きな人だったなんて言えないし。


「ほ、ほら、私からも、あーん」


 一触即発となったその時、突然、凛が箸を俺の方に向けてきた。


「えっ、姉ちゃん?」

「俊、ほら、あーん♡」


 えっ? 何で姉ちゃんが照れ顔で『あーん』してるんだ?

 さっきまで、真美さんから蟹クリームコロッケとイカ飯をたらふく食わされて、目が死んでいたのに。


「姉ちゃん……いつも俺にプロレスごっこしてきたり、やたら絡んでくるけど、もしかしてブラコンなのか?」

「ちょ、余計なこと言うなし! 私は場を静めようと」


 ズゥウウウウーン!


 また真美さんの目が据わっている。


「凛ちゃん、後でお話があります」

「ひぃいいいいっ!」


 凛が真美さんに捕まってしまった。

 毎回何をやっているのやら。

 まあ、凛のお陰で真美さんの追及もうやむやにできたし、瑛理子先輩の調教も受けずに済んだから良かったのか。



 ◆ ◇ ◆



 昼食が終わり、午後の部が始まった。

 体育祭は、男女混合リレーなどメインイベントを残すのみだ。

 まあ、俺は出番がないのでゆっくりしたいのだが。


「あっ、丁度良かった、大崎!」


 クラスメイトの小川と目が合ったと思ったら、数人が俺のところに駆けてきた。


「何かあったのか?」

「わりい、リレーメンバーの須藤が怪我しちまってよ、お前が代わりに出てくれよ」

「はあ!?」


 よく分からないままクラスメイトたちに連れていかれ、リレーメンバーにされてしまった。


「まあ、適当に頑張れよ」

「適当って……」


 男女混合リレーって運動部の奴らがメインになってる花形競技だろ。文化部の俺がメンバーとか場違いなのだが。


「男女四名ずつの八名で、走順はバラバラか。俺が七番目とか、責任重大のような?」


 所定の位置に並んでいると、隣に立つ髪の長い女子が視界に入った。


「あれっ、瑛理子先輩?」

「お、大崎君!?」


 瑛理子先輩も驚いたのか、目を丸くしている。


「ぷっ、瑛理子先輩もリレーメンバーですか? 似合わないですね」

「笑わないでよ! 出場予定の子が出られなくなったのよ」

「俺と同じですね。凄い偶然だ。運命みたいです」

「ううっ♡」


 瑛理子先輩は、何か思い詰めたような顔で俯く。


「そうね。きっと運命だわ」

「えっ?」


何かつぶやいた瑛理子先輩は、そのまま横を向いてしまった。



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姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん!

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