表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

ロサンゼルスの朝、新たな出会い

これはこの物語の新しいエピソードです。皆さんが楽しんでくれることを願っています。

ロサンゼルスの朝は、ニューヨークよりも乾いていて、空がやけに広く感じた。

そしてその空の下を、ひとりの少年が全力で走っていた。


「うわ、もうこんな時間!? 初日から遅刻とか勘弁してくれよ……!」


ジャケットを片手に、リュックを揺らしながら駆ける少年の名前は、速見安友はやみ やすとも

十六歳。両親は日本からの移民で、彼自身はニューヨークで生まれ育った。

そして今日から、ロサンゼルスの高校に転校することになっていた。


見慣れない住宅街、ヤシの木の並ぶ通り、朝の光に照らされたローカルの店。

すべてが新しくて、まだ馴染んでいない。


「Googleマップだとこの先だけど……っ!」


角を曲がったその瞬間──

彼は誰かと正面衝突してしまった。


「うわっ!」


「きゃっ!」


二人とも歩道に倒れ込む。

慌てて体を起こした安友は、衝突した相手を見て一瞬、言葉を失った。


金髪で肌の白い少女。

体格は豊かで、ふんわりとした雰囲気。アメリカ映画に出てくる“優しい隣人”のような印象で、制服のシャツが軽く乱れていた。


「だ、大丈夫!?」


安友が声をかけると、彼女は少し笑ってこう言った。


「ううん、私こそごめんね。走りすぎちゃって……遅刻したくなくて。」


「……俺も。転校初日なんだ。道に迷って……」


少女が手を取り、安友を立ち上がらせる。

制服を見る限り、どうやら同じ学校のようだ。


「それじゃ、急がなきゃね。じゃあまた、どこかで。」


「うん、ありがとう。」


そうして、二人はそれぞれ別の方向へ走っていった。


学校の門をくぐったときには、すでにチャイムが鳴り終わっていた。

受付の前で教師に止められ、遅刻者リストに名前を書かされる。


「遅刻者は10分、教室前の廊下で待機だ。」


仕方なく案内されたベンチに腰を下ろすと、背後から足音が聞こえた。


そして──隣に座ったのは、さっきの少女だった。


「……あっ」

「……あっ、また会ったね!」


驚いたような、でもちょっと嬉しそうな表情。自然と笑い合う二人。


「俺、速見安友はやみ やすとも。ニューヨークから引っ越してきたばかり。今日が初日。」


「私はアナ・ウェックヴィック。ロングビーチ出身だけど、この学校は今年から。ちょっと遠いから、よくギリギリになるんだ。」


「アナ……ウェックヴィック。なんか映画のキャラみたいだな。」


「そう? 君の名前も好きだよ。“安友”って、なんか落ち着く。」


「……へぇ、ありがとう。」


アナの微笑みに、安友は自然と肩の力が抜けた気がした。


数分後、先生が戻ってきて二人を呼ぶ。

彼らは立ち上がり、同じ教室へと向かって歩き出した。


──それが、二人の新しい物語のはじまりだった。

皆さんがこのエピソードを楽しんでいただければ幸いです。次のエピソードをすぐにアップロードします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ