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天之川想太(16)高二。本作の主人公?少なくとも中心人物。ヲタクでありおしゃべり。

御法川愛(16)高二。想太の恋人だったが、突然有名になり、二人は微妙な関係に。

四乃森朱里(17)高三。生徒会長。実は想太の恋を邪魔するために来た未来人。

槍ヶ岳ヒカリ(15)高一。インフルエンサーとしてフォロワー獲得に執念を燃やす。

小山内里菜(16)高二。イラスト絵師として、かなりの収入を既に得ている。

多賀康朗(17)高二。通称ガロ。想太の悪友。

それから1週間、御法川愛は学校を休んでいた。

「いや、ブレイクすると、こんなスピードでものごと動くんだな、芸能界すげーな。今日の朝の情報番組に御法川出てたぜ」

昼休みのカフェテリアでガロが何も悩みのないような気楽な感じで話しかけてくることに苛立ちを覚える。

「なんだよ、想太、興味ないの?お前中学から比較的御法川と仲良かっただろ?薄情なやつだな」

こいつ何も知らないくせに!想太は内心思ったが、

「知ってるよ、演技動画第2段も再生数回ってるし、今ごろワイドショー出てるのも知ってるよ」

「なんだ、お前もファンなのか?いいよな、御法川。中学の時はパッとしなかったけど、高校になって化けたよなぁ。おっぱいも大きいし。なんか来週のマガジンの表紙だってよ」

マガジンじゃねーよ、サンデーだよ、心の中で想太はツッコんだが、これ以上この話をしたくはなく、早々に席を立とうとする。

「天之河先輩!」

と、そこへ見知らぬ小柄だが可愛らしい少女が声をかけてくる。いや、デジャヴを覚えて想太が思い出そうとすると、

「あー、槍ヶ岳ヒカリ。こないだのインスタライブ炎上してたな、あれ学校バレたらヤバくない?」

隣でガロが指を指す。こういうところ、ほんとこいつはデリカシーのかけらもない。

「大丈夫ですよ、ちゃんと炎上しても火消しは万全ですから。そんなことより天之河先輩、ちょっと二人で折りいって話があるんですけど…こないだの中庭ででも、話しません?」

想太はそこで思い出す。この間中庭に吹き飛ばされて落ちている瞬間に槍ヶ岳ヒカリと目が合ったことを。ということは、気絶した後の想太を見ているということだ。

相互に情報交換をするということで、中庭に移動してベンチに座る。

ヒカリは少し上目遣いに想太を見詰めると、

「先輩って秘密ありますよね?私見ちゃったんです。この間」

「あ、あぁ…落ちてる瞬間目が合ったもんな…えっと、それより俺なんで四階から落ちたのに、怪我もしなかったんだ?」

「覚えてないんですか?」

「不本意ながら気絶してたみたいで、気づいたら屋上に」

「知ってます。生徒会長と一緒でしたよね」

「え?話とか聞いてた?」

「さすがにそこまでは聞こえなかったですけど。先輩が会長に膝枕されてて、寝惚けて太ももを触ってるセクハラ映像は撮りました」

「おい、待て待て、そんなの撮ってどうするんだよ。すぐ消してくれ、頼むから」

想太がスマホを取り上げようとするのをサッとかわして、

「ここから交渉です。先輩のセクハラ映像晒されたくなかったら、私の撮影に付き合ってくださいよ。知ってるでしょ?私のアカウント。基本やってみた系が多いんですけど、都市伝説とかゴシップネタも結構人気があるんですよ」

そう言って、もう一つの映像を想太に見せる。

それは鮮明ではないが、想太が上から落ちてくる瞬間に何かが空中で想太をキャッチし、そのまま高速で急浮上している様子が写されている。

「手ブレもひどくて、このまま上げても、大してバズらないかなって。だから、きっと屋上だろうって行ってみたらビンゴ!先輩と会長がいるんだもん」

「えっと、つまり槍ヶ岳、お前の目的はなんなんだ」

「ヒカリって呼んでください、ソータ先輩♡やだなぁ、分かるでしょ?会長ですよ、会長。落下する先輩に謎の飛行物体、現れる謎の美少女。絶対に会長には秘密があるじゃないですか」

「たしかに」

よくラノベでは核心をふざけた理由で誤魔化すシーンがあるが、絶対に誤魔化しきれるものではないので、想太はすぐに認めた。

「いや、俺もちょっとよく分からないんだよな、会長のことは」

とそこへ威風堂々と、

「私の話?」

当の本人がやってきたのだった。

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